フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

2月22日(日) 曇り

2015-02-23 12:33:31 | Weblog

8時、起床。

サラダ(炒り卵、トマト、ブロッコリー、レタス)、トースト、紅茶の朝食。

猫のお雛様。こんなのもあるのね。

庭の椿の芽が膨らんでいる。

午後、昨日に続いて「キネカ大森」へ。

昨日は青春映画『フランシス・ハ』を観たが、今日はミステリー映画『薄氷の殺人』を観る。

昨年のベルリン国際映画祭で、『グランド・ブタペスト・ホテル』や『6才のボクが、大人になるまで』をいった強力なライバルを抑えてグランプリ(金熊賞)と主演男優賞(銀熊賞)の2冠に輝いた作品である。ボードにはたくさんの評論記事が貼ってある。

ミステリー映画なのでストーリーを紹介するのは控えたい。刑事崩れの男と殺人事件の関係者の女性との間の官能的な関係を軸に、息の抜けない場面が続く。この緊迫感は尋常ではないが、そこにときおり、肩の力が抜けるようなエピソードが紛れ込む。サスペンスの寸断という高度な技で、余裕がないとこういうことはできない。事件の背景にある中国社会の経済的発展のゆがみもしっかりと描かれている。監督のディアオ・イーナンはインタビューの中でこう言っている。「世代的なことでいえば、チャン・カイコー、チャン・イーモウらの第5世代は過去の中国に興味があった。しかし僕ら第6世代は、より現代社会に目を向けて撮っている気がします。第5世代の監督たちは小説の映画化も多いですが、僕らの世代は自分たちが直面している現代社会を題材に物語を紡いている点が大きく違うといえますね。」

映画の英語タイトルは「BLACK COAL,THIN ICE」(黒い石炭、薄い氷)。「黒い石炭」は中国社会の経済的発展を意味し、「薄い氷」はその危うさを意味するだろう。一方、中国語タイトルは「白日焔火」(白昼の花火)である。これはこの映画のファンタジックな側面を示している。監督が影響を受けたというフランス映画『昼顔』を連想させるところもあって、なかなかいいタイトルだと思う。映画は、黒い石炭に始まり、薄い氷を経由して、白昼の花火で終わる。

映画を観終えて、遅い昼食を「満州里」で食べる。昔からある(1952年開店)大森の中華の名店だ。

五目炒飯を注文。炒飯が美味しい店は何を注文しても美味しい、というのが私の公式である。

炒飯らしい炒飯である。これだけで十分。

食後のコーヒーは蒲田に戻ってから「テラス・ドルチェ」で。

プログラムに目を通しながら飲むコーヒーは美味しい。

この作品を日本でリメイクするなら、主演男優は田中哲司、主演女優は稲森いずみがいいと思う。地味かな。

夕食はオムライス。昼食の炒飯とコンセプトが似ている。

食後にいただきもののチョコレートサンドで紅茶。

10時半ごろ、ランニング&ウォーキングの支度をして、外に出ると、小雨が降っている。寒くはないし、これくら大丈夫と思って走り始めたが、4週目あたりから雨脚が強くなり、7週目あたりでウィンドブレーカーが防水の役目をまったくしなくなった。結局、8週走ったところで(残り2周)、走るのをやめて引き上げた。頂上を目前にして引き返す登山家のような気分だったが、これが大人というものである。