フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月11日(水) 晴れ

2016-05-12 18:40:37 | Weblog

 8時、起床。

 トースト(葡萄パン)、サラダ、紅茶の朝食。

11時半に家を出て、昼食を「パン日和あをや」に食べに行く。

わざわざ「パン日和あをや」まで出かけたのは武蔵村山さん(仮名)に会うためである。彼女は以前、私の家の近所の歯科医院で歯科衛生士としして働いていた。あるときから私のブログの存在を知って読者になった。以下に引用するのは、いまから6年前、「武蔵村山さん」が初めてブログに登場したときの記述である。

「8時、起床。玉子焼、豚汁、ご飯の朝食。10時に予約している近所の歯科医院へ。名前を呼ばれて、診察室に入り、指示された一番手前の診察台に座るとき、可動式のアームにおでこをぶつけて、歯科衛生士さんに大丈夫ですかと心配されつつ、クックックッと笑われる。「はい、エプロンしますね~」の彼女である。彼女の名前は知らないが(名札とかは付けていないので)、武蔵村山の出身とのことなので、「武蔵村山さん」とここでは呼ぶことにしよう。彼女は武蔵村山のことを私が知っているのに驚いて、東村山じゃありませんよ、武蔵村山ですよと念を押した。確かに志村けんの「東村山音頭」のおかげで東村山は全国的に有名だが、東京に住んでいる人間なら武蔵村山の名前ぐらいは知っている(でもないのだろうか?)。武蔵村山は私の教え子でいまは弘前大学で教えている高瀬君の実家のあるところで、彼のブログにはしばしば登場する。私にとって武蔵村山が周知の場所であるのはそのためかもしれない。
  その武蔵村山さんから、「私、先生のブログのファンなんです」と告白される。私がブログをやっていることは、私が宣伝したわけではなくて、患者さんの中に私のブログの読者(正しくは読者のお姉さん)がいて、その方が発信源なのだが、最初、ときどき読む程度だったのが、いまでは毎日欠かさず読むようになり、更新の遅い日などは(スミマセンね)、まだかな、まだかな、と何度もチェックをするまでになったという。最近の金沢旅行の記事を読んで、自分も金沢に行きたくなりました。ヒツジキッチン、行ってみようと思います。ところであの雀ちゃんとは一緒に寝ているのですか?矢継ぎ早の感想や質問。こちらは診察台に寝ているので、なんだか問診を受けているようである。歯の掃除をしてもらって、「歯の磨き方、だいぶ上手になりましたね~」とほめられる。」(「フィールドノート」2010年3月23日)

武蔵村山さんは翌年の12月にお子さんの出産を機に歯科医院をやめられたが、無事出産されたことのお知らせや、私のブログに登場する「甘味あらい」や「まやんち」に行かれた報告をメールで送ってきてくださっていた。

ここしばらくは連絡が途絶えていたのだが、先月、「パン日和あをや」に行かれたそうで、背が高くて髪の長い女性のお客様から先生への伝言メモをお預かりしています、以前蒲田の歯医者さんで働いていたそうです、と「パン日和あをや」の奥様から連絡をいただいた。原稿の締め切りに追われていてメモを取りにうかがう時間がなかなか作れそうになかったので、彼女にメールをしてみたところ、最近、実家の近くの国立に引っ越しましたとのことだった。私のメールアドレスを忘れてしまい、「パン日和あをや」に行って伝言を託したとのことだった。 久しぶりにお会いしましょうかという話になり、今日「パン日和あをや」で昼食をご一緒する約束をしたというわけである。

その約束をしたときには原稿の方は書き終えているという見通しだったのだが、現実はなかなか思う通りにはいかないものである。家を出る前に論文集のまとめ役のI先生に原稿の進捗状況を報告するメールを出そうとしていたら、そのI先生から先にメールが届き、今日の時点で原稿を提出しているのはSさん一人だけです、みなさん、今週ないし来週中には必ず全員原稿を提出してくださいと書かれていた。

武蔵村山さんとは現地(お店)で待ち合わせの約束だったが、実際には、南武線の車内で一緒になった。矢向駅で降りて、店までの道を歩く。彼女は身長は172センチで、私より高いのだが、歩くスピードは私の方が早く、彼女は手を振って一生懸命歩いた。歩きながら「歯間ブラシはちゃんとやられてますか?」と問診される(笑)。

歩いて10分、店に到着して、乾いた喉を今月のドリンクであるセパレートティー(ティ^ー&オレンジジュース)で潤す。

「先生は義父と雰囲気が似ています」と彼女が言った。ほうそうですか? 旦那さんのお父さんですよね。おいくつかの方ですか。「72歳だったかと思います」 「あをや」の奥様がクスッと笑った気配がした。たぶん「72歳」というところに反応したのだろう。武蔵村山さんはあわてて、「あっ、見かけがじゃなくて、雰囲気が似ていらっしゃるんです」と言った。実は、私はこのときホッとしていたのである。というのも、実家の近くに引っ越しをされたと聞いて、「もしかして離婚されたのか?」と気になっていたからである。それが義父の話が自然に出て、そうではないことがわかって、ホットしたのである。これで気を使って話をする必要がなくなった。「なぜまた国立に引っ越されたのですか?」と私は質問した。土地を購入して、自宅を建てられたのだという。へぇ、それは大したものですね。場所を国立にしたのは、これから先のことも考えて、夫婦それぞれの実家に近い場所(旦那さんの実家は立川)を選んだのだという。

夫婦仲はきわめて良好とのこと。それは何よりです。

さて、これで懸念が払しょくされたので、心おきなく食べられるぞ。

ミネストローネスープ。美味しい。

新玉ねぎのサンドウィッチ。週末のメニューなのだが、特別に作っていただいた。(この週末で最後になるでしょうとのこと)

私が同じものを何枚も写真に撮るのを見て、「いろんな角度から撮られるんですね」と言うので、「そうですよ。一枚撮って、それでいい写真が撮れるということはまずありませんからね」と答える。

アスパラスペシャル!

奥様の北海道の実家(親戚でしたっけ?)から毎年この時期に送られてくるアスパラを使った期間限定メニューである。

前回、武蔵村山さんが来店して、ベーグル好きであることを知っている奥様が「ベーグルでも召し上がってください」と出してくださる。

食後のコーヒー。

デザート代わりにアンパンをサービスで出していただく。暖かく、サクッとしたアンパンである。

他のテーブルにお客さんがいなかったことあり、今日は奥様を交えて3人で本当によくおしゃべりをした。「こんなに女子会的トークのできる男性はそういないのではないでしょうか!」と武蔵村山さんがえらく感心していたが、正直、自分でも感心しましたよ(笑)。

店を出る前に奥様にツーショットを撮っていただく。

矢向駅で、私は川崎方面、彼女は立川方面の電車に乗る。彼女は来週から新しい歯科医院で働きはじめるそうである。頑張ってください。また会いましょう。次は「まやんち」あたりで。

その足で大学へ。 

4時半から現代人間論系の教室会議。

6時ごろまでかかる。

西の空は夕焼けになっていた。

明日は晴天になるだろう。

 7時半、帰宅。風呂を浴びてから夕食。

海老とトマトとブロッコリーの炒め物。

焼きナス、アボカドとレタスのサラダ、卵と玉ねぎの味噌汁、ご飯。

デザートは武蔵村山さんからお土産にいただいた国立の和菓子屋の和風ゼリー。

ビデオに録ってまだ見ていなかった今週の『ラブソング』を観る。

3時半、就寝。