6時45分、起床。ケータイのアラームで起きた。
9月になった。夏から秋へ、季節が移り変わる月だ。もう夏休みではない。秋休みだ。
朝食はとらず(起き抜けで腹が減っていない)、7時半に家を出る。今日から3泊4日の青森・函館旅行だ。
東京駅8時20分発のはやぶさ5号(写真手前)に乗る。
東京駅を出てしばらくして東京駅構内で購入しておいた崎陽軒のシューマイ・チャーハン弁当を食べる。シューマイ弁当とチャーハン弁当を合わせた様な弁当で、私は初めて食べた。シューマイ弁当はご飯は俵型の白米でシューマイは5個。チャーハン弁当はご飯がチャーハンでシューマイは2個。だからシューマイを主眼にするならシューマイ弁当、チャーハンを主眼にするならチャーハン弁当を買えばいい。しかし、チャーハンも食べたいし、シューマイもたくさん食べたいという人もいるだろう。シューマイ・チャーハン弁当はそういう人にうってつけの弁当だ。しかし、私は本当はシューマイ弁当か赤飯弁当が食べたかったのだが、売り場になかったため、シューマイ・チャーハン弁当を買ったのである。チャーハンは美味しいのだが、白米に比べて匂いがきついので列車の中で食べるのがためらわれるのである。しかし、これは杞憂だった。私が弁当を食べ終わってしばらくして、隣の席のサラリーマンが弁当を食べ始めたのだが、それは崎陽軒のチャーハン弁当であった。それを横目で見ながら私はあることに気がついた。チャーハン弁当にはスプーンが付いていてチャーハンを食べるのに適している。しかし、シューマイチャーハン弁当にはお箸しか入っていなかった。私は箸でチャーハンを食べながら、スプーンが欲しいなあと思っていたのである。
う~ん、こんな調子で書いていたら、時間がかかりすぎる。適度にはしょっていこう。
11時19分、新青森着。3時間などあっという間である。
11時34分発の奥羽本線を待つ間に、弘前の「シュバルツバルト」に電話をしてピーチメルバはやっているかを尋ねようとした。ところが電話に出たご主人がいうには、、いま外壁工事のため店は休業中であるとのこと(来週の半ばには工事は終わり店を再開するそうだ)。あらま。今日、青森で昼食をとってから1時間ほどかけて「シュバルツバルト」にピーチメルバを食べにいこうと考えていたのだが、予定変更だ。
11時41分、 青森着。構内には青森駅の歴史を物語るたくさんの写真が展示されている。
その中の一枚。「集団就職で旅立つ子どもたちを万歳で見送る」(1968年3月)
駅前の観光センターに寄って街のマップ(無料)をもらう。
市販のガイドブックの付録の小さなマップよりも使いやすい。街歩きの必需品だ。
観光センター内のロビーにある自販機。青森なので「さっぱりりんご」のボタンを押す。そういう人は多いのでないだろうか。
一服してから街へ出る。駅前のメインストリート「新町通り」。
一本右にある「ニコニコ通り」へシフト。ここは途中から官庁街になる。
市役所の横にある「青い森公園」。
陽射しは夏だが、日陰に入ると涼しい風が吹いている。
ホテルにチェックイン。荷物を預けて昼食を食べに出る。
さきほど前を通った「青い森公園」に入ってみる。
お昼時ということもあり、官公庁にお勤めの人たちだろう、ベンチでお弁当を広げている。
それほど大きな公園ではないが、名前の通り、木がたくさん植わっている。
私が昼食たべようとしている店は「夜店通り」にある。
ベジタブルキッチン「ペピーノ」。青森に来たときは必ずここに来る。
店頭では野菜の販売がおこなわれている。
ハンバーグは今日はドミグラスソースか・・・。トマトソースだったら絶対に食べたいところだが、今日は別のものにしよう。
セットについてくるドリンクは山ぶどうジュースをチョイス。爽やかな甘味。
ミニサラダもきれいだ。
夏野菜のキーマカレー。
鶏の挽肉を使ったキーマカレー。野菜の美味しさが際立っている。
水のお替りをしたら、麦茶もサービスしてくれた。
お昼に青森に着いて、「ペピーノ」で昼食を食べる。これが青森旅行の決まりごとである。青森に来たなと思う。ごちそうさまでした。
「ペピーノ」の二軒右隣にあるレストラン「ディファニー」。前から気になっていたがまだ入ったことがない。今夜、来てみよう。
「ペピーノ」の向かいのパン屋「栄作堂本店」。夜食用のパンをここで買おう。
食事の後のコーヒーは「ペピーノ」の斜め向かいのカフェ「シュトラウス」で。
カフェ(サロン)は二階。
サロンは広く、インテリアはヨーロピアン調で、「雛にも稀な」という雰囲気。
ザッハ―トルテとヴィナーメランジュのセットを注文。
本格的なザッハ―トルテ。 老舗の和菓子屋に生れたご主人だが、ウィーンで修業をされ、オーストリア政府公認のお菓子作りの資格を取得されたのである。
ヴィナーメランジュはミクルの泡を浮かべたコーヒーでウィーンではよく飲まれている。
「ペピーノ」+「シュトラウス」というのは私の中では不可分のセットである。
東京を発つ前の予定では、この後、弘前まで足を延ばす(「シュバルツバルト」でピーチメルバを食べる)予定だったが、青森散歩に変更。
港の方へ。
青森ベイブリッジの下をくぐる。ここは後で「事件」の現場になるのだが、このときの私はそんな「事件」が発生するなど夢にも思っていなかった・・・。
港の公園横の駐車場。雀のオブジェがたくさんある。
三角形の大っきなビルは青森観光物産館「アスパム」。
もうすぐ海が見える。
聖徳公園。青森は海の記念日の発祥の地だそうだ。
青函連絡船「八甲田丸」。いまではメモリアルショップになっている。
最初、カモメのオブジェかと思った(笑)。本物である。
私が近づいても逃げない。
私にたくさん写真を撮られてから、「もういいかな」という感じで、飛び立って行った。
自転車を漕ぐサラリーマン。金融関係だろうか。
少年と少女のモニュメントが建っている。
太宰治の作品に由来するものだと書かれている。
太宰の文章では赤い糸は右足の小指同士を結ぶものとあるけれど、これは両方の足首にしっかり巻き付いている。おまえ(あなた)と絶対離れないという強い意志を感じる。ちょっと怖い(笑)。
ベンチで一息入れよう。
昔ながらの自撮りの手法(セルフタイマー)で。
もう一枚。
今日は日に焼けそうだ。
海辺の時間。
観光物産館に寄って行こう。駐車場のところに置かれている自販機はねぶた仕様だ。
卓球の石川選手は全農(JA)の職員だったな(出身は山口県)。
レスリングの伊調選手は八戸の出身だ。
このポスターはオリンピック前に作成されたものだが、もはや「金メダル級」どころの騒ぎではない。
市町村ホール(休憩所)。
このテーブルでしばらく書きものをする。
ベイブリッジの上の空には秋の雲が広がっている。
階段を上って、ベイブリッジの上に出てみる。
やっぱり今年の夏が終わろうとしているという噂は本当だったんだ・・・。
ここでデジカメの電源が切れる。思ったより早い。最初の充電が不十分だったのか、スイッチを入れっぱなしにしている時間が長かった(液晶モニターは電気を消費する)のかもしれない。サブのデジカメをバッグから取り出そうとして、ないことに気づく。旅行鞄から入れ替えるのを忘れたのだ。念のため、バッグの中のものを取り出して、中を調べる。やっぱり入っていない。しかたない。そろそろ散歩を切り上げて、ホテルに戻るとしよう。
歩いて20分ほどのホテルに戻り、財布の中から部屋のカードキーを取り出そうとして、気づいた。財布がない。おまけに手帳もない。どういうこと?「あっ」と私は思わず声を出したかもしれない。さきほどベイブリッジの上で鞄の中を点検したとき、中にあった財布と手帳を取り出して欄干のところに置いたのだが、戻し忘れたのだ。なんてこった。すでに20分が経過している。戻るのに20分かかる(財布がないからタクシーには乗れない)。すでに誰かに拾われているだろう。善意の人に拾われていれば交番に届けれられ、明日の午前中には私の手元に戻ってくる可能性があるが、そうでない可能性も大きいだろう。私はこれまで財布とか手帳を外で落としたり置き忘れたりということが何度かあり、その度に戻ってきて、自分の運の強さや日本社会の素晴らしさについて感じいってきたのであうが、今回はヤバイと思った。運はもう使い果たしてしまったのではないかと思った。財布には現金の他に、青森から函館まで、および函館から東京までの新幹線のチケットが入っている。銀行や信販会社のカードも入っている。だからそれがないとニッチもサッチもいかなくなる。もう旅行どころではない。私は絶望的な気持ちで、しかし、一縷の希望をもって、ベイブリッジに再び上った。
ありました。
財布と手帖。
私がそこに置いたときのまま、手つかずの状態で(中身も入っている)。
人通りの少ない(ほとんどない)場所であったことが幸いしたのかもしれないが、これは「青森の奇跡」あるいは「青森ベイブリッジの奇跡」と呼んでもよいのではなかろうか。
神様、ありがとうございます。
安堵した気持ちでホテルに戻り、シャワーを浴びて、冷や汗を洗い流す。
部屋はシングル(セミダブル)で予約したのだが、ツインの部屋に変更されていた。同じ料金で広い部屋になったのでいいのだけれど。
デスク回りにゆとりがあるのがありがたい。
夕食を夜店通りの「ディファニー」に食べに行く。
夜店通りというのは昔からの名前なのだろうが、いまはどの店も早くしまってしまい、閑散としている。
「ディフィニー」には数年前に一度、カキフライを食べられる店をさがしているときに、ドアを開けて、「カキフライやってますか?」と聞いて、「すみません。やっていないんです」と言われて、入らなかったのだが、いい雰囲気の店という記憶が残っていた。
カウンターだけの店で(二階があるのかもしれにない)、客は私一人だった。
カニクリームコロッケの定食を注文。
カボチャのポタージュ(冷製)。 うん、美味しい。よい「街の洋食屋さん」であることを確信する。
サラダ。マヨネーズは自家製とのこと。うん、うん。
サイドメニューで注文した鴨のローストの味噌漬け。フォアグラを取った鴨を使っています(脂がのっている)とのこと。
カニクリームコロッケ。なんと油で揚げていない(焼いている)。これは珍しい。なんと柔らかで優しい味だろう。塩も極力ひかえて、カニの塩味を味わっていただいていますとのこと。
この店はもう40年になるそうだ。ご主人のライフストーリーをコーヒーをいただきながらうかがった。
青森に来たら必ず来る店が一つ増えた夜だった。
夜食用に「栄作堂本店」でクリームパンを一個買って帰る。
地方都市の夜は本当に人通りが少ない。
昼間来た「青い森公園」も「眠りの森」になっている。
ホテルの部屋に戻って、本日撮った写真の整理など。
夜食はクリームパンとコンビニで買った缶コーヒー。
1時頃、就寝。早寝だ。