8時半、起床。
30分ほど寝坊してしまった。
朝食を(ゆっくり)食べている時間がなかったので、朝食はとらずに大学へ。
私が自宅を出るタイミングでナツが家の中にはいってきた。餌を与えたが、すぐに出ていく様子はなく、餌をある程度食べると、階段を上って私の書斎に入ってしまった。外は雨が降っていて、肌寒くもある。どうやら雨宿りをするつもりらしい。妻はすでに仕事に出かけている。私はナツに「もう出かけるからね。鍵を締めちゃうからね」と呼びかけ、しかし、反応がないので、玄関に鍵をかけ家を出た。きっとどこかのタイミングで外に出ようとして、出られないことに気付くだろうが、それでパニックになることはないであろう。実際、冬の夜などは朝まで書斎の机の下の段ボール箱で寝ているのだ。
10時半から大学院の社会学コース会議。修士論文の中間報告会は7月25日に決まった。論系3年生の夏合宿と日程がかぶることを懸念していたが、大丈夫だった。
会議を終えて研究室に戻ると、卒業生のサオリさん(論系ゼミ1期生)から、「いま同期の仲間3人でリーガロイヤル(ホテル)で食事をしているのですが、この後、研究室に伺ってもいいですか」と連絡が入った。「2時から会議なので、あまり時間はとれないけれど、どうぞ」と返事をする。記憶をたどるに彼女の場合、こういう「急なリクエスト」が多いように思う。どうも私がいつも研究室で本を読んでいると思っているのかもしれない。
昼食はおにぎり2個(鮭と梅干し)と「緑のたぬき」(ミニ)。
汁替わりにはこのミニカップが重宝である。
ただし、問題は匂いが部屋にこもることである。だから今日のようにこれから来客があることがわかっているときはひかえた方がいいのだが、まぁ、気を遣う相手ではないし、ドアを開けて換気をしておかばよいだろう。
彼女たちは1時半過ぎにやってきた。左からサオリさん、リエさん、リョウさん。本当はナホさんも一緒のはずだったのだが、お子さんが熱を出して、来れなくなったしまたったそうだ。4人はゼミの頃から仲良しで、自分たちのことを「F4」(花の4人組?)と自称していた。リエさんとリョウさんは育休中で、サオリさんは今日は有給をとってきたそうである。
卒業からすでに7年が経過したが、研究室に来ると学生時代の気分に戻るようである。
この後、文カフェ(キャンパス内のカフェテリア)でお茶をするそうで、「学生に見えるかしら」と言っていたが、本人たちがそう思っていれば他人からもそう見えるんじゃないかな。
2時から教授会。少し遅れて会議室に入っていくと、すでに新任の先生方の挨拶は終わり、新任の助教・助手さんの挨拶が行われているところだった。今日は会議室も人口密度が高く、いつも座っている現代人間論系の先生方の辺りには空席はなく、教育学コースの先生方のいらっしゃる辺りに空席を見つけてそこに座る。隣がU先生、向いがH先生で、お2人とも私とほぼ同い年。大学院生のときは私が教育学の方の授業にも関心があって出ていたので、お二人とはそのときに顔見知りになった。あのときから40年が経過したが、こうして席を並べていると、当時に戻ったような気分になる・・・というのはこういう場合の常套句だが、三人ともずいぶんと年を取ってしまったので、当時に戻ったような気分になるのは難しく、40年後にこんな風に教授会で席を並べているなんて当時は思ってもいなかったなという感慨に浸る。
教授会は5時に終わった。研究室で雑用を片づけ、5時半に大学を出る。
蒲田に着いて「有隣堂」で本を2冊購入。
マリリン・ロビンソン『ハウスキーピング』(河出書房新社) ピューリツァー賞作家の代表作。
『孤独のグルメ』巡礼ガイド3(芙蓉社) 番組の裏話がいろいろ載っている。
一足先に帰宅した妻らかラインのメッセージが届く。「玄関開けたら、ナツが飛び出してきたけど、いつから入っているの?」「9時半から」「なぜ?」返事を書いていると長くなるので、帰ってから話そう。
時刻は6時半過ぎ。西の空の低いところに三日月と金星が見える。
「カリファオルの夕暮れは素早い。それは美しい夜だった。西の空に浮かんだ金星は街灯のように明るく、人生のように明るく、ミス・ハントンの瞳のように明るく、スコッチの瓶のように明るかった」(レイモンド・チャンドラー「トラブル・イズ・マイ・ビジネス」)
カメラで撮ると、月の暗い部分までちゃんと見える。まるで月食みたいだ。
夕食は麻婆茄子。
肉じゃが(の残り)、サラダ、大根と卵の味噌汁、ごはん。
夜、ナツがいつものように書斎の窓から入ってきたが、今日は餌を食べると長居はせずにさっと出て行った。
1時半、就寝。