フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月5日(金) 晴れ *松本旅行三日目

2021-11-06 12:33:44 | Weblog

7時半、起床。

目覚ましをかけたわけではないが、昨日もこの時間に起きた。

今日も晴天。雪を頂いているのは乗鞍岳。標高3,020メートルの剣が峰を主峰とする連山の総称である。

朝風呂に入る。家ではシャワーを浴びているが、旅先ならではの贅沢である。風呂から出て荷造り。

昨日「田園ベーカリー」で購入したブラックベリーのデニッシュとヨモギあんぱん、コンビニで購入したスープパスタの朝食。

食事をしながら本日の『カムカム・エブリバディ』をライブで観る。14歳の安子の初恋。相手の稔は繊維会社の跡取り息子で、東京の商科大学の学生だが(夏休みに帰省)、徴兵されるのかしら。

山裾に朝靄が湧いている。「田園ベーカリー」の千佳さんから昨日聞いたのだが、市街まで靄が立ち込めるときがあるそうだ。そんなときに街歩きをしたら、これがホントの「モヤモヤさま~ず」だ。

昨日のブログを書いてアップする。

いつの間にか靄は消えていた。

さて、チェックアウト。

松本駅構内のコインロッカーに荷物を預ける。ホテルのフロントにもあずけられるのだが(それなら無料だ)、引き取りに行ったときにフロントに客が並んでいると時間がかかるので、列車の時間が迫っているとハラハラする。

昨日歩いた高砂通りをまた歩く。古本屋「アガタ」の前を通るとき立ち止まるのは古本好きの習性である。

200円均一の単行本の棚から田村泰次郎の短編集『失われた男』(講談社、昭和42年)を購入。表題作は読んだことがあるが、他の収録作は未読である。今日はご主人が店に出ていた。

今日は綿雲が浮かんでいる。正式名称は積雲。これが高く湧き上がると積乱雲(入道雲)になるが、それは夏の雲だ。

昼食は「源智のそば」。実は昨日も来たのだが、定休日だったのだ。

山家天もりを注文。昨日「竹風堂」で食べた栗おこわの定食も山家定食と言っていたが、「山家」(やまが・やまべ)とはかつてこの地帯一帯を統治していた山家一族(山家城というものもあった)に由来する。

天もりを食べながら、ふと、卒業生のマキさんのことを思い出した。彼女は早稲田の蕎麦屋「五郎八(いろは)」で私と食べた天もりが大好きだった(と卒業してから彼女のブログに書いていた)。彼女は「五郎八」の天もりを二度と食べることはなく、29歳で亡くなった(2014年のことだ)。その「五郎八」もいまはない。

そば湯を飲みながら、しんみりした気分になる。

女鳥羽川沿いのコンフィチュールの店「Momo」に顔を出す。

松本に来たときはいつもこの店でお土産にコンフィチュール(ジャム)を買う。

いつもであれば試食してからどれを買うか決めるのだが、コロナ禍で試食はやっていない。クリスマス仕様の特製のコンフィチュール(あれこれ20種類以上のドライフルーツが入っているそうだ!)とグレープフルーツ&リンゴのコンフィチュール(これは味が想像できる)を購入。

店の前の川の中にシロサギがいた。

一つ橋の袂(「まるも」とは反対側)にランドマーク的な建物がある。旧市役所の跡地に建てられた松本市営上土(あげつち)団地である。

一階にポーランド陶器の「セラミカ」が店を出していて、カフェ(セルフ)を併設している。

ここは松本カフェ巡りの穴場である。

セルフなので安い(コーヒーも紅茶も300円)。やり方はお店の受付の方が丁寧に説明してくれる。

カップとソーサーは自分の好みのものを選ぶことができる。

お店で扱っているポーランド製である。

最初、窓際の席に座ろうと思ったが、奥の隅のテーブルが照明に浮かび上がっていて、「こちらへどうぞ」と誘われている気がしてそこに座る。

アールグレーとサブレ(220円)。

店内ではWi-Fiが使えるが、アナログ気分でったので、メモ帳を開く。

店を出て、上土通りを歩く。

この通りは「大正ロマン」がコンセプトのようである。

洋館風の建物が並んでいる。手前の白い建物は「白鳥写真館」。

「上土シネマ」。残念ながら2008年に閉館した。

「上映中作品」のポスターは当時のまま保存されている。

松本城の外堀沿いの道を歩く。

賀茂たちが日向ぼっこをしている。

白鳥が泳いでいる。つがいではないのかしら。

城が見える。

松本城の裏手にある松本神社。駅からは遠いせいだろう、四柱神社の賑わいに比べると境内に人影は少ない。

第5波の収束がしばらくは続きますようにお願いする。

境内の一角の紅葉が見事である。

戻りがてら松本城公園の中を歩く。

紅葉と黄葉と重なり合いが美しい。

そこに青い空と白い雲が加わる。

あがたの森通りへ。市内をあちこち、ずいぶんと歩いている。昨日も今日も一日一万歩は軽く超えているだろう。

昨日、「明日も来ますね」と言ってので、「栞日」にまた顔を出す。

昨日は「菊の湯」の受付をしていた菊池さんだったが、今日はここで仕事をしている。

ドーナツとホットジンジャーを注文してから二階に上る。お気に入りの窓際の机には今日も先客がいた。もしかして同じ人だろうか。外国人でスマホで何か打ち合わせをしながらパソコンで仕事をしている。

ドーナツとホットジンジャーを運んできてくれたアルバイトの女性は信州大の4年生で、来年は東京で働くそうだ。

「栞日」はブックカフェである。あれこれ手に読む。

この本には国内外のガソリンスタンド(26軒)の写真が載っている。ただそれだけの写真集だ。ドライブ好きの人が見たら旅に出たくなるのかもしれない。

「食堂」をめぐる取材とインタビューと写真。面白い。購入決定(1,000円)。

南亜沙美『島根のOL』。普通のOLの日常のスナップのようみ見せかけて作為ある演出がほどこされている写真集。面白い。購入決定(2,800円)。

仲西森奈歌集『起こさないでください』。

 隠すほどでもない性癖を持って旅をするんだ 信号機にキス

 元カノはわたしに化粧をしたときとおんなじ顔で別れを告げた

 思い出し笑いが続いているのだが思い出す人は皆真顔だ 

惹かれる作品が多い。一頁に二行というのも目が疲れなくていい。購入決定(1,800円)。

最後のページの著者略歴に「2055年、ドイツにて死去。2062年、『起こさないでください』再販。」と書かれていた。未来のことまで書いてある著者略歴を見たのは初めてだ。

窓際の机が空いた。でも、いまさら座る気になれない。

今日はこの窓際の低い椅子で本を読んだ。

一階の入口横のテーブルであと30分ほど時間を潰すことにした。

珈琲を注文して、今日のブログ用の写真の整理作業。

昨日から勤め始めた店員さん、昨日は銭湯の受付にいた方だ。今日はこちらでレジの指導を受けている。頑張って下さいね。私はコロナの状況しだいだけど、次回は春先に参ります。そのときまたお会いしましょう。

店を出たのは列車の時刻まであと30分となったとき。

午後5時20分発の特急あずさ50号に乗る。

発車して1時間ほど経ったあたりで駅弁を食べる。この数年はこの山賊焼が気に入っている。

見た目は地味だが、鶏の唐揚げも山菜の天ぷらも塩で食べる。これが旨いのだ。

新宿に着いたのは午後8時10分頃。

蒲田には9時ちょっと前に着いた。

予定通り9時に帰宅。ただいま。

じゃれながら噛んでくる。

たまっているレビューシートのチェック。

風呂から出て、『プレバト』(録画)の前半部分(色鉛筆)を観る。後半部分(俳句)はホテルで観ている。

1時、就寝。