8時15分、起床。
トースト(はちみつ&オリーブオイル)、ソーセージ&スクランブルエッグ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。
藤井聡太が4連勝で竜王位を奪取した。まさに破竹の勢いである。これで史上最年少での四冠(竜王、王位、棋聖、叡王)保持者となった。残るタイトルは名人(渡辺明)、王将(渡辺明)、棋王(渡辺明)、王座(永瀬拓矢)である。遠からず渡辺三冠との将棋界の覇権をかけた戦いが始まるであろう。
昨日のブログを書いてアップする。
今日は1時から句会(オンライン)がある。ミニカップうどんをすすりながら、選句の作業。5句選ぶことになるだろうが、絞り込みが難しい。
絞り込めないまま句会が始まる。
今日のオンラインの参加者は紀本さん、渺さん、月代さん、あやこさん、さやかさん、明子さん、恵美子さん、私(たかじ)の7名、投句(および事前選句)での参加は蚕豆さん、花さん、まゆこさん、犬茶房さん、港さん。
作品は38句。
選句に入る。天(5点)1句、地(3点)2句、人(1点)2句、合計5句を各自が選ぶ。
私が選んだ5句は次の通り。
天 林檎一個静物画(スティルライフ)を突き破れ
地 Ð音(ディーおん)の連打秋愁を切り裂く
地 椈(ぶな)の枝のからくりからり律(りち)の風
人 ここかしこ十月桜の晴れ舞台
人 片付かぬ部屋で許して冬うらら
全員の選句が終り、それが披露され、点数を集計した結果は以下の通り。
10点 「空(そら)有ります」駐車場には吾亦紅(われもこう) 月白
あやこさんと蚕豆さんが天を付けた。私には「空」を「あき」ではなく「そら」と読ませることに違和感があった。駐車場の上に広がる空を連想させるためかしらと思っていたら、作者の解説を聞いて「そういうことか」と納得した。外国人が日本語を学習するときに、漢字は超難関である。「空」は「そら」と読めばスカイのことであり、「くう」と読めばナッシングのことであり、「あき」と読めばスペースのことである。同じ漢字が多様な意味を持つという難しさ。この話を聞いて思い出したのが、学生時代に教室で聴いた宗教哲学のN先生の講義。東洋思想の「空」は何もないことではなく、「空がある」という認識なのだということを西洋人にはなかなか理解してもらえないと先生はぼやいていたっけ。そういう日本語論的かつ存在論的な議論の傍らに吾亦紅の花がひっそりと咲いているところがこの句の妙味である。
10点 銀杏(ぎんなん)を避けて鼻歌初デート まゆこ
昭和戦前期の香り漂う(私の感覚です)恋愛句である。♪青い背広で心も軽く 街にあの娘と行こうじゃないか~(藤山一郎「青い背広」昭和12年)が頭の中を流れる。初デートというのは男は緊張するものでないかと思うが、銀杏を踏まないように歩いたり、鼻歌を口ずさんだりと、ずいぶんと余裕があるというか、リラックしているのは、読み手が女性であるからだろう。
8点 ヘリコプター飛ぶ秋空の鼾かな 恵美子
さやかさんが天を付けた。ヘリコプターの音を空の鼾と擬人化したところが「なるほど」である。残念なのは「飛ぶ」が余分な言葉で、それを空の描写に使っていたら私もこの句を選んでいたと思う。たとえば・・・急に言われてもね。
8点 林檎一個静物画(スティルライフ)を突き破れ 渺
私が天を付けた。林檎は静物画でよく描かれる(たとえばセザンヌ)。静物画であるから動きは感じられない。静謐さが静物画の持ち味である。文字通り「静かな生活」。でも、この句はその静謐さを破って、キャンバスから飛び出してきそうな気配がある。「静物画」を「スティルライフ」と英語読みにしたところが効果的。
8点 葉をよせて空から守る隠し柿 さやか
ずっと句会を見学(選句のみ)されてきたさやかさんの投句デビューである。正統派の句ではありませんか!びっくり。ご実家に電話をされたとき、「うちには隠し柿があるんだ」という話をお父様から聞いたそうだ。そうでしたか、この句の良さは「隠し柿」ですからね。父娘合作といっていいでしょう。
8点 Ð音の連打秋愁を切り裂く 月白
恵美子さんが天を付けた。先日行われたショパンコンクールで4位に入賞した小林愛実さんは入賞者披露コンサートでプレリュードから数曲を引いたのだが、最後の一曲が24番ニ短調だった。その曲は指3本でÐ音を連打して終わる。という説明をコンクールをずっとネット配信で追いかけていた作者からうかがった。「D音」で終わる曲を「D音」で始まる句にしたところがお洒落である。
8点 マイクもつ白手袋よ秋の空 犬茶房
明子さんが天を付けた。犬茶房さんは今回、衆院選をモチーフにした句を二つ出しているが、それだけ政治への関心が強いのだろうか。ネットで演説姿の写真を見ていたら、手袋をしないでマイクを握っている人もけっこういた。候補者は白手袋をしている人が多く、応援演説をしている人はしていない人が多いような印象を受けた。
7点 地球照送る送らぬ初便り 蚕豆
「地球照」とは太陽の光が地球に反射して月を照らしている現象を指す。三日月の場合が多いそうだ。季語は「初便り」つまり年賀状。「今年は年賀状どうしようかな」と地球の反射で光る月を見ながら思案しているわけである。
7点 三限の終わりの空は雀色 明子
花さんが天を付けた。雀色というのは夕暮れの頃の空の色を表現するのに使うことが多い。とすると、「三限の終わり」はまだ夕暮れには早いように思うが(私の大学では午後2時半頃だ)、明子さんの教えている大学では三限の前にお祈り(ミサ?)の時間があるそうで、そうすると四限の感覚に近いのかもしれない。つまり午後4時頃ということである。本当に夕暮れが早くなってきた。
今回は『NHK俳句』の巻頭名句のスタイルを真似て、イメージ写真とセットにしてみた。写真というものは一瞬を切り取るという点において、俳句と似ているから、相性はよいのではないかと思うが、反面、読者の自由な連想に制約をかけてしまうことにもあるだろう。
以下は時間の関係で作品のみ紹介。
6点 ベランダで竹刀振る子や空高し 月白
6点 片付かぬ部屋で許して冬うらら 明子
5点 国境の河水は澄みて空広し 渺
5点 空蝉にそっと吹き込む白い息 蚕豆
5点 空き瓶を海に投じるごとブログ たかじ
5点 縫い針の糸を辿りし穴惑 蚕豆
4点 空かしらどんぐり虫の夢うつつ 港
4点 金秋やプリンのカラメル別添えで 恵美子
4点 刻々と人生半分月半分 恵美子
3点 秋空や洗濯物に染むショパン まゆこ
3点 カラフルなアクリルたわし年の暮れ 紀本直美
3点 椈(ぶな)の枝のからくりからり律(りち)の風 港
3点 ご無沙汰の挨拶うれし冬はじめ たかじ
1点 ここかしこ十月桜の晴れ舞台 明子
1点 浮く翅を流し流れぬ秋茜 蚕豆
1点 晩秋に空の水槽もて余し 犬茶房
1点 柿描くとかつての秋愁還るなり 花
1点 洗濯機を勝手に買われ年の暮 紀本
1点 柿の木や燃ゆる空に網を張り 花
次回の句会は1月23日(日)。兼題(月代さん出題)は「パ行の音(パピプペポ)を片仮名で入れること」。いくつでも入れてよいとのこと。
「パピプペポ」言えた子どもの得意顔 たかじ
全部入ってますが、季語が入ってません(笑)。
家周りの落ち葉の掃除をしてから(妻の命令)、散歩に出る。
駅前で何かやっている。露店がたくさん出ている。
路上ライブもやっていた。
「ルノアール」に入る。
サンドウィッチとコーヒーの昼食をとりながら、
今日のブログの句会の部分を忘れないうちに書く。
1時間ほど滞在して「ルノアール」を出ると、すでに暗くなっていた。
「スリック」に顔を出す。
紅茶のシフォンケーキとケニア産の紅茶(マダムにお任せ)。
お隣のカップルの女性から「大久保先生でいらっしゃいますか?」と声をかけられた。卒業生だろうか。マスクをされているせいもあり、お顔に見覚えがない。「ブログを読ませていただいている者です」。あっ、ブログの読者の方ですか。こういうことはたまにある。
お二人はご夫婦かと思ったが、結婚はしておらず、パートナーとのこと。偶然、二人ともYさんという同じ姓である。そんなことってあるんですね。「結婚して夫婦同姓でも別姓でも対応できますし、離婚しても変わりありません」と笑っておられた。ブログでお二人のことを何と書いたらいいでしょうと尋ねたら、「スイーツ・パトロール」でお願いしますと言われた。お二人とも走ることとスイーツが好きで、あちこち回っておられるようである。カフェの情報交換をする。
またこどかのカフェでお会いするかもしれませんねん。
すっかりおしゃべりに興じてしまって、店を出たのは6時半ごろ。マダム、長居をしてしまって、すみませんでした。
「蒲田カフェ」は夜の部も始まったようである。まだ一度も行っていないが、プレオープンで混んでいることが多いのである。
夕食は茄子とベーコンの揚げびたし、蓮根と挽肉の炒め、サラダ、ワカメの味噌汁、ごはん。
食事をしながら昨日に引き続いて『スーパー・リッチ』第4話(録画)を見る。
山下達郎の『サンデーソングブック』をタイムフリーで聴きながら、レビューシートのチェック。
チャイは箪笥の引き出しが気に入ったようである。
箱入り娘ならぬ箱入り猫。
風呂から出て、今日の日記を付ける。
2時、就寝。