フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月5日(土) 晴れ

2022-11-06 10:24:23 | Weblog

7時、起床。旅先では早く目が覚める。

朝風呂に入る。旅先ならではの非日常的な行為である。これが露天風呂なら最高なのだが、ビジネスホテルのユニットバスである。でも浴槽はちゃんと足が延ばせる長さ。

朝食はコンビニおにぎり2個(鮭と梅干)。ホテルの朝食(バイキング)はついつい食べ過ぎてしまうので、ある時期から、素泊まりで、コンビニで買ってきたり近所のカフェでモーニングを食べるようになった。

昨日のブログを書いてアップしてから散歩に出る。山の姿が見えるところが東京と違うことろだ。

松本城公園に行く。

姿のよい城である。

何かの撮影が行われていた。堀端の団体客もエキストラだ。

園内の紅葉が見ごろを迎えている。

黄葉もいい。

紅葉と黄葉の共演。

城と紅葉の共演。

白鳥も友情出演してくれた。

「チーアン」に顔を出す。

「chiiann」と書く。奥様のチハルさんの子供のころ呼称「チーちゃん」と「庵」の合成語である(だったかな?)。奥様がケーキ教室に通った蒲田の「まやんち」が店主のマユミさんの子供のころの呼称「まーや」と「の家」の合成語であることを真似たものである(だったかな?)。一種の暖簾分けですね。

先客はいなかった。奥様が私の顔を見て「あら」と言った。ご主人は「おっ」と言った。

カウンター席に座って、リンゴジュースで喉を潤す。映画好きのご主人はいま韓国ドラマ(恋愛ドラマではないやつ)にはまっているそうだ。それから韓国の作家の小説にも。「本当に水準が高いですよ」

茄子とベーコンと二種類のパスタ。キッシュもあるが、パスタを注文することが多い。

サラダとピクルスも美味しい。

奥様が指で触れているのは昨日私が「ガルガ」で購入した花器の作家、阿久津真希作の街並みのオブジェ。お店の1周年の記念に購入されたものだそうだ。

りんごのタルトと深煎りコーヒー(コロンビア)。

11月10日の夜、ここで映画をめぐるおしゃべり会「映画とほにゃらら9」が開かれる。「たった2分間の予告編を美味しいものを食べつつ2時間の本編よりも楽しもうというイベント」だそうです。

例によって顔出しNGの美しい奥様に見送られて店を出る。

昨日、夜食用に買ったサンドウィッチ(ペッパーポークのシーザーサンド)がとても美味しかったので、またやってきた「サンドイン」。

今日は早い時間に来たので、いろいろな種類がある。タマゴサンド(350円)と照り焼きチキンサンド(380円)を購入。東京なら500円はするだろう。安くて美味しいのだから大したものである。

今春開店したばかりのお店。店主さんは安曇野のご出身とのこと。ワンオペでやっていらっしゃる。

昨日美味しいクリームパンを買った「田園ベーカリー」にも顔を出す。二つの店は近所なのだ。

よもぎアンパンを夕食のデザート用に購入し、シナモンロールをイートインしていく。「チーアン」でデザート付きのランチをしたばかりだが、デザート2ということで。

「サンドイン」さんに負けないようにうちも頑張りますと奥様。タイプが違うパン屋さんですからね、共存共栄でいけますよ。彼女は大田区の田園調布の出身だが、ご主人と結婚されて園田姓になった。店名は園田をひっくり返して「田園」としたが、ご出身の田園調布とかけてもいるのだろう(かな?)

「田園ベーカリー」と同じ高砂通りにある「源池のそば」。甘いパンを食べた後は蕎麦を食べたくなった。

エビのかきあげ天もりを注文。なんだか井之頭吾郎みたいになってきた。でも、同じ店で食べ続けているわけではないから、「よくお食べになりますね」とは言われない。

エビのかき揚げは天つゆの入った皿で供される。サクサクとして美味しい。

お腹がいっぱいになる(あたりまえだ)。腹ごなしに開智学校まで歩こうかと思って、途中で「想雲堂」に立ち寄る。午後11時までやっている(やっていてくれる)ブックカフェである。

『松本の本』という雑誌があって、3号が9月に出たばかり。それを買うのがここに来た目的の1つ。

店主の渡辺さんが編集・発行人なのである。

カウンター席に座ってレモンスカッシュを飲みながら渡辺さんからいろいろお話をうかがった。今号の特集は「浅間温泉」。私は長いこと勘違いしていたのだが、浅間温泉は浅間山(軽井沢)とは関係がなく、松本駅からバスで15分くらいのところ、松本の郊外にある温泉地なのである。30くらいの宿があるそうだ。

しっかりした品ぞろえのブックカフェである。店主さんは大学では民俗学(宮本常一系の)の勉強をされていて、若いころから本はたくさん集めていて、それが品ぞろえにも反映している。

同じブックカフェでも「栞日」の場合は新刊や雑誌のセレクトショプ。ここは古本屋さん。

年配の男性客4人が入って来て、ちょっとおしゃべりをする。なんでも特攻隊で亡くなった人たちが家族に宛てた手紙を載せた本を探しているそうだ。復刊はされたのだが、何人かの人の手紙は家族の意向で削除されてしまった。国会図書館で初版本の該当ページをコピーしたそうだが、長年、現物を探しているのだそうだ。「でも、出てきませんね」と言っておられた。古本探しの醍醐味ですよね。もし出てきたら、その楽しみがなくなってしまいますね(笑)。

信州大学の大学院で数学のドクター論文を執筆中という若い方が、息抜きでやってきて、カウンターの席に座ったのでしばしおしゃべり。トポロジー(位相幾何学)が専門だそうだ。ちょと素人質問をしたら熱心に答えてくれた。ひとわたり説明を聞いた後、それは要するに大福とドーナツは別のものであるということですね、と確認したら、「その比喩はいいですね。同じお菓子であるところがいいです」とほめていただいた。小説とかは読むのですかと聞いたら、森博嗣とかはよく読みますとのこと。『すべてがFになる』の著者ですね。数学者でもある。純文学では?「梶井基次郎なんか好きです」と意外な作家の名前を口にされた。もしかしたら私がレモンスカッシュを飲んでいたからかもしれない。

北杜夫『どくとるマンボウ追想記』を(たぶん書庫にあったと思うが、文庫本だったかもしれないので)を挨拶代わりに購入した。あと沢村貞子『老いの楽しみ』も購入した。この方、女優さんだが文章が達者である。

「想雲堂」を描いた絵が飾ってあった。これは非売品。知り合いの画家が描いてくれたものだそうだ。いい絵ですね。「松本はめったに雪が積もらないので、珍しい風景です」と店主さんは言った。

ちょっと一休みのつもりで立ち寄ったのだが、すっかり話し込んでしまった。開智学校へ行くのはやめて、ホテルに戻ることにしよう。

少し欠けた月が東の方の空に浮かんでいる。

街は夕暮れである。

ホテルからながめた西の空。

本日発表の東京の新規感染者数は7967人。第8波が現実のものになったようである。来週は一万を越えるだろう。やれやれ。

『福山雅治 福のラジオ』をタイムフリーで聴く。

今日は早めにお風呂に入り、ちょっとベットで横になってから、夕食にする。やっぱり美味しいサンドウィッチである。

デザートのよもぎアンパンもよかった。

今日のブログを書く。

1時半、就寝。