9時、起床。
トースト、サラダ(炒り卵)、紅茶の朝食。
朝食をとりながらTVを観ていたら、陸上男子400メートルリレーで日本チームがあれよあれという間に銀メダルを獲得した。
第4走者にバトンが渡った直後、ほんの一瞬だが、ケンブリッジ飛鳥がボルトを抜くんじゃないかとさえ思った。
さすがに中盤からボルトにはどんどん離されたが、肉薄する米国・カナダを振切って2位でゴールしたのには驚いた。
3位(後に失格)とは100分の2秒の差だった。
体格とパワーで優る米国にチームワーク(集団主義)とバトンパス(技術力)で勝ったのだ。これは戦後日本の高度成長(とくに自動車産業)の再現である。日本中が歓喜したのはそのためである。
11時20分に蒲田駅で卒業生のミサさん(論系ゼミ3期生、2013年卒)と待ち合わせ、「まやんち」へ行く。
今季11個目のピーチメルバである。去年の記録(10個)を更新した。ボルトのごとき断トツの記録であろう。
ミサさんにとっては人生初のピーチメルバである。彼女とは去年の9月5日に「まやんち」へ来たのであるが、そのときはすでにピーチメルバは終了していた。今日、一年越しの悲願が叶ったのである。
食事は西口にある鰻屋「寿ゞ喜」に食べに行く。
かつて蒲田銀座通りと呼ばれ、いまサンロードカマタと呼ばれている通りの奥に「寿ゞ喜」はある。
赤重(鰻重の上)と肝吸いを注文。
店を出るとき、「お腹いっぱいで、もうスイーツは入りません」とミサさんが言った。ほう、めずらしい。3期生ではユキさんに次いでガッツリ系のミサさん(人は見かけによらないのだ)だが、今日は少食ではありませんか、どうしたのと聞くと、「実は昨日、バーベキューをやったんです」とのこと。あっ、そういうわけね。
「phono kafe」でお茶にする。
本当にお茶のみ(笑)。
大原さんに写真を撮っていただく。
本日最後のカフェは大井町の「pottery」へ。
大井町は初めてとのこと。
大井町名物の飲み屋小路を行く。ミサさんは和服の似合う女性である(卒業式のときに確認済)。小料理屋の女将さんなど絵になるであろう(笑)。
「pottery」のカップはひとつひとつ違う。マダムがその都度、選ぶのだ。
卒業して3年5カ月、食事同様、仕事も男前にしてきたミサさんだが、そろそろ(来年あたりか)新しいライフスタイルへの移行を考えることになりそうだ。人生が移行期の連続である点は男女に共通であるが、自分のいまの生活が過渡的なものであるという感覚は男性よりも女性がより強く感じることが多いのではないだろうか。というのは、人生の移行が、本人の意志と社会の制度的要請のほかに、その中間にある要素、配偶者や子供の事情によって引き起こされる面が強いためだ。最終的には自分がそれを選択したのだという形をとるとしても、そこに至る過程は男性ほど単純明快ではなく、自分を納得させるための努力が必要とされる。反対方向のベクトルのバランスをとりながら、やがて相対的に大きなベクトルの方へ生活が変化していくことを受け容れていく、それが過渡的な生活である。これは実は男性の人生も同様なはずなのだが、幸か不幸か、男性はこうしたことに鈍感なのである。あるいは、自覚していても、それを口にすることができないのである。
マダムが「お写真、お撮りしましょうか?」と言ってくれたのでお願いする。ゆったりした空間の感じがよく出ている。
「pottery」のドアの外で本日最後のポートレートを撮る。
お昼に食べた鰻重もようやく消化されてきたみたいですね(笑)。
ミサさんとは大井町のホームで別れた。次回は腹ペコで会いましょう。
蒲田に戻り、「有隣堂」でNHKの俳句と短歌のテキスト(9月号)を購入。
夕食はピーマンの肉詰め。
デザートはスイカ。スイカを食べている限り、夏は終わらない。