嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

災転じて(さらに)福となす 離れのリニューアルを敢行する

2020-04-18 10:58:47 | ブログ

「和モダン」ということばをご存知でしょうか?おそらく造語。それもわりと最近のものではないか、と思うのですが、ホテルや旅館にはじまり、一般の住宅にも取り入れられている、いまや「様式」のひとつであるといっても過言でわない。すっかり定着した感もあります。

昭和の頃にはなかったやり方で、和、というくらいですから、日本ならでわ。ちなみに上の画像はたんなる和。ボロ宿の典型ともいいますが、この部屋にもおかげさまでファンがいて、指定して泊まられる方もいらっしゃるんですよ(ほんとうかい)。

それってアレかい、ソファーが置いてある居間にコタツ出してスキヤキつついてワイン飲んでるアレかい?というご質問(ツッコミ)がありそうですが、うーん(爆)。

もうちょいオサレなやつか、と個人的に思うのですが、そいつを当ホテルの離れに持ち込んでしまえ、というのが今回の計画。

4月も半ばのこの時期にホテルのリニューアルをおこなうだ、などというのはヒジョーに稀なことです。改装工事というのは複数の職人さんが出入りする関係でタイトな日程が組みにくく、繁忙期を控えた時期にはやりにくいものですが、今年ばかりはその心配がございやせん。

GWに行われる予定だった地元のまつりが全てキャンセルになったのが3月半ばのことですが、さらにここへきて緊急事態宣言が全国に、ということになってGWの人出はゼロを目指すことが国によって明らかにされました。まさに前代未聞の事態ですけれど、このように全国的に方針が定まるのはむしろ助かります。

うへえ困った、どうしよう、といって後ろ向きに捉えるのではなく、当ホテルではここはチャンスと捉えて、普段なら考えもしないこの時期に手間暇のかかる和室のリニューアルに取り組もう、というわけです。築後100年。前回の改装からはじつに40年が経過しておりました(のけぞる)。

日頃やりたくてもなかなか、という箇所に手を入れて、難易度の高い「和→和モダン」しかもセンスよく、という難題に取り組むのが私のミッション。センスも経験もねえのに、ほぼムリか、とあきらめそうになりますが(爆)、そんな場合でわありません。

コロナ後のV字回復を目指すには、この時期にどう過ごすか、そこが大事。予算も例によってありませんけれど(やっぱし)、ムリのない範囲でアクションをおこしておきます。

けしてジマンでわありませんが、この離れは現在の物差しでは想像もつかないような贅沢な素材使いがなされているとのこと。合板ではなく、無垢の一枚板がふんだんに使われるなど、粋を凝らした建築なのだそうです。ヘタにいぢるといまは亡き祖父が枕元に立ちそう(爆)。

まずは独自の色遣いがされている和室に入り浸って精細に素材の検分をおこないます。というか、そんなヒマはございません。床に貼られたフェルトの布を貼り替えに備えて剥がしておきます。きっちりと大量の接着剤で貼り付いていますから、粉化した接着剤にまみれた悪戦苦闘が3日ほども続くのでございやす。

内装屋さんに、これやっといてくれたら手間賃削れるんだけど、と耳打ちされたもんで(そんなことだろうさ)。

いつものごとく前途多難な計画ですが、これは良いチャンスです。ぼちぼちやるといたしましょう。

みなさまもこの前代未聞の惨禍の中、どうかご無事に過ごされますよう、願ってやみません。一日も早い収束を目指して今は家にひきこもることですねっ!!