911は、じつに演出の効いたクルマだと思います。技術的には、エンジン始動からもっとずっと静かな感じでスムーズに暖気終了まで推移させられるはずなのに、わざと初っ端からハデな演出と不安定さでもって暖気終了までを演出しているのが強く感じられます。
勘違いかもしれないんですけど、おそらく演出。オーナーとしてはすごくうれしい部分です。
リッタ−100hpを超えるハイチューンエンジンなんだから、そんな不安定なのは当たり前ぢゃ、というのもそうなのかと思うのですが、どうなんでしょう?どなたかおせーてください。
で、始動直後からアイドリングが落ち着くまでにほぼ50秒程度。その後はすぐに走り出しますけれど、ここからのタイアの暖気具合いのインフォメーションがまたすさまじい。
ゴロゴロいってたのがシャーン、という音に変わって、やがてシューンと変化してゆく頃に油温、水温ともに上がってくるころにクルマ全体が整ってきます。そういうプロセスがたとえばゴルフの4倍くらいの情報量でもって伝わってくる。これが911です。
このプロセスが如実に伝わってくるあたり、ボクスターにはなかった「濃さ」のようなものが伝わってきて非常に楽しいわけです。911に乗っているんだなあ、と実感する瞬間です。
この暖気のプロセスを味わうだけでも911に乗る価値があると考えるのは、すでにビョーキの証ですね(爆)。