黒板の裏側で~おうみ進学プラザの毎日~

おうみ進学プラザは滋賀県の学習塾。困って、喜んで、泣いて、笑って、そして時々怒って。塾のドラマを実況中継します。

ゴールデン・ウイークは自転車で。憲法についても、意外な切り口で論じてみました。

2022-05-03 18:13:04 | Weblog


憲法の話になると、すぐに熱くなって冷静な分析や比較検討ができなくなる人…人たち、政党や各種団体…がいます。
憲法も「社会で使われるルール」なので、そこはちゃんとチェックしていかないと、あんまり持ち上げて神棚に祭り上げてしまうと、現実には「神聖すぎて使い道に困る」ようなことになります。
私は数学的、理工学的、技術的な角度で見た方がいいように思います。

国立国会図書館 諸外国における戦後の憲法改正 (2014年)
によれば、第二次世界大戦の後、現在までの憲法の改正の回数は
アメリカ   6回  
フランス  27回
ドイツ   59回
イタリア  15回
中国  9回
韓国     9回

第二次世界大戦のいきさつから見ると似たような立場に置かれていたはずの日本、ドイツとイタリア、憲法改正の回数が大違いです。
私の世代は、学校で「日本の憲法は世界一だ。この憲法を守り抜かねばならぬ。そうでないと戦争になるぞ」と強烈に教え込まれた世代です。
真面目で熱心な先生たちが言うから、本当かと思ったなあ。
悪気とか陰謀、策略ではなくて、あの時代には先生たちも心からそう信じておられたのだろうと思いますよ。
実際にも数学の先生は学徒動員で陸軍で従軍なさった人でした。
歴史を振り返れば、日本の憲法が合理的、機能的で便利だった時期もあると思います。

私の持論は、「憲法をどう見るか」で左右されるというもの。
1,校歌や「建学の精神」なら、守り抜けばいい。文語、古語、漢文風で古くなっても、かえって格調高いし、生活上の不便は生じないですから。
校歌は美文で、しかし卒業式で歌うぐらいでありまして、日常生活を規制するものじゃない。
「いざ開け真理の扉、いざ入らむ美の殿堂。ああ嬉し、我が学び舎は~」
という歌詞でもいいのです。
私の母校の校歌ですが、意味がよくわからないけれども、真面目に歌っておりました。田舎のガキ男子生徒が真理の扉を開くというのは…はい、違和感ありですが、そこは気合ですね。美の殿堂は、これはガキ男子生徒は立ち入り禁止!

2,校則や制服、時間割、教科書のようなものならば、時代が変わればそれに合わせて修正していかなければ使えなくなる。生徒たちが困ってしまうだろう。

憲法の議論では、
 校歌と見ている人=憲法を断固守ろう組
 校則と見ている人=いろいろと不都合で、変えていかねば組
が議論するから、ちっとも前へ進まない。
まるで宗教改革をとなえるプロテスタント・改憲派と、断固守り抜くカトリック、イエズス会の論争、抗争のような構図です。
面白いのは、改憲派が保守政党で、断固死守派が左翼起源のリベラル派の政党だということ。
つまり、どっちの組も「憲法は丸ごと正直に守るようなものではない」という柔軟、あいまいな見方をしているのですね。
だからヨーロッパの歴史のような宗教戦争や大弾圧になりません。生徒会の会議のように論争するだけで、オオゴトにはしない。
それで何とかなっているところが「さすが日本」、「これぞ和の日本列島」ということでしょう。
が、日本の周囲の状況や現代ヨーロッパを見れば…大丈夫か。

憲法記念日を記念して、ものすごく具体的に書きますと
1,10日以内に、30日以内に、などの日数の規定は長すぎます。昔は新幹線も航空路も無かったから、国会議員の行き来に日数がかかった。北海道や鹿児島、沖縄から東京へ行くのは連絡船や寝台列車で長い長い旅でした。
また郵便だって投函してから配達されるまでには遠隔地では一週間近くかかっていました。こういう日数や細目は理念とは関係ないから、国会法や議院規則で決めておけばいいのじゃなかろうか。
2,地震など災害多発の日本列島なのに、緊急事態の規定が欠けている。
「首都が壊滅して東京が音信不通連絡途絶になったら、大阪府知事が首相を代行する。その次は福岡県知事が…」というようなバックアップが必要なのじゃないか。
アメリカ合衆国では、大統領にもしものことがあった場合に備えて、16番目まで継承順序が決められています。
3,プライバシー、環境などの権利が、そもそも無かった。公害問題が注目されるのはずっと後だったし、福祉についても未発達。
障碍者やマイノリティについても、そもそもそういうことはあまり考えられていない時代だった。
日本にいる外国人、海外に住む日本人の権利義務が考えられていない。これも「そういうのはレアなケース」という時代だった。
日本の憲法は、今となっては弱者への気配りが無い、思いやりが無い、ピンチにも弱い憲法になってしまっていますけど、いいのか。

以上、やや長くなりましたー。
晴れ。よく晴れているぞ。
そこで、自転車で琵琶湖の方向へ走りました。
緑あふれる琵琶湖畔。ただし、途中で寄り道ばっかりで、琵琶湖の岸辺には到達しなかった。
色々な花が咲いているから、まさに春。今こそ春。
写真は、青葉キャンペーンへと進んでいくおうみ進学プラザ。
岡山県のローカル線の風景。
そして今日の琵琶湖周辺です。
青葉キャンペーンの序章ですね。

ところで、日本はゴールデン・ウイークですけれども、ウクライナ方面、どうなっているのか。
ロシア軍、やめろ!
そう世界中が思っています。この場合、多数決じゃないのが困る。
一日でも、1時間でも早く。

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