文化逍遥。

良質な文化の紹介。

『縄文美術館』小川忠博 写真、2013平凡社

2014年03月23日 | 本と雑誌
縄文時代の遺物には、懐かしさと共に心惹かれるものが多い。
以前は土偶などに関して「稚拙」と評価されることもあったが、今では再評価が進み独自の世界観を表現した文化財として正当に評価されるようになってきた。
実際、デフォルメされた象形は奥が深く、現代美術にも通じるものがあるように感じる。


Zyoumon

昨年3月に出たこの写真集は、撮る者の縄文文化に対するいとおしさが滲み出ているような優れた写真ばかりだ。
わたしも長年古文書などをマイクロ写真にする仕事を続けてきたが、縦横しかない文書を写真に撮るのもなかなかうまくいかない事が多い。ましてや縦横に高さが加わる3次元の世界を平面である写真に写しかえるのは、レンズやカメラさらに光の使い方に熟達した者でなければ不可能なのだ。その点、この写真集を見ていると「んー、すげぇ・・・」と思わず唸ってしまう。
ぜひ、多くの人に手にとって貰いたい一冊である。




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