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D-18ピックガード交換

2018年02月21日 | ギター
 所有しているギターの一本、マーチンのD-18のピックガードが浮いてきた。以前からのブリッジ側だけでなく、ネック側、すなわち手が当たるところも剥がれてきた。こうなると、もはや修理するしかない。貼り替えなければならないが、収入がほとんど無いので、この際自分でやれるところまでやってみることにした。


矢印の辺りが剥がれている。貼るのは出来そうだが、剥がすのは表面板を痛めそうで怖い。無理そうなら早めに止めようっと・・・と思いつつ温めたナイフをゆっくり入れていったらけっこう楽に剥がれた。1970年代後期のものなので、40年近くが経っているから接着剤も効かなくなっていたのだろう。
 今回は、たまたまうまくいったが、本来は専門のリペア―マンに依頼すべき作業であることは言うまでも無い。しかし個人的には、子どもの頃からのイタズラ心が残っていて、ついつい自分でやりたくなる。失敗して後悔することも多々あるが、失敗して理解できることも多い。子どもの頃、今は亡き母に「イタズラするんじゃないよ」と、よく叱られた。が、子どもは失敗して学んでゆくものなのだ。


剥がした状態。まあまあだ。昔のギターは、塗装する前に、すなわち生木の上にガードを直に貼ってしまい、その上からラッカーを塗る。そうすることで、本体とガードの境目がなくなり見た目も良くなる。しかし、ガードの材質はセルロイドなので経年変化で縮んでしまう。その際、最悪の場合表面板にクラック(亀裂)が入ることがある。マーチンは特に、ホール近くに入りやすく、これを俗にマーチン・クラックなどと呼んでいる。


マスキングしたところ。この上から、楽器用のラッカーを重ね塗りしてゆく。


丸で囲ったあたりに、わずかにクラックが入りかけている。しかし、まだ割れてはいないし、セルも剥がしたので、このままで問題なさそうだ。

 薄めにラッカーした後、現行マーチン純正のガードがネット通販で2000円程で買えるので、それをこのまま貼ってしまおうか、とも考えた。が、マーチン純正ガードは大きめで、厚さが1ミリもあり、鳴りが悪くなりそうなので結局やめて、購入したカワセ楽器店にあとを頼むことにした。2/12、寄席に行く前にお茶の水に寄り持ち込んだ。マスターに見てもらうと、「うまくやるねえ」の一言。呆れられているようにも聞こえたが、まあ素直に褒め言葉ととっておこう。ここまでやってあるので、あとは表面をもう少し平らに仕上げて、新しいピックガードを貼り、仕上げてくれるそうだ。見積もりは、7000円。あー良かった。剥がしから全部やってもらうと2万円かかる。というわけで、あとはリペア―マンさんに任せよう、よろしくお願いします。


こちらが完成した写真。大きさはもちろんジャストフィット。さらに、ガードの縁がきちんと丸く加工(面取り)されていて触った感じもいい。やはり、プロの仕事。お世話様でした。

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