およそ「ブルース」と言っても、地方に残る民俗音楽的な要素の強い「カントリーブルース」と、都市部で演奏されたモダンな「シティブルース」あるいは「アーバンブルース」と呼ばれるものでは、テーマも音の使い方もかなり違うものだ。カントリーブルースをコピーし続けているわたしとしては、共感を持てる都市部のブルースは正直言って多くはない。その中でも、やはりティーボーン・ウォーカーは、ブルースマンというよりは、ミュージシャンとして尊敬している一人といえる。本名はアーロン・ウォーカー。T-Boneというあだ名は、若い頃「チボー(かわいい坊や)」と云われていたのが訛ったらしい。生まれは1910年5月28日、テキサス州リンデン。亡くなったのは1975年3月17日、ロスアンジェルスだった。
二歳の頃にはダラスに移り、1920~1923年頃にはブラインド・レモン・ジェファーソンと親しみギターを教わったり、時に盲目のジェファーソンのサポートをする様なこともあったらしい。そして、1930年代半ばには西海岸のロサンジェルスで活動するようになっている。多くのモダンブルースマン達が、南部から北部のシカゴへと移動したのとは異なっており、そのあたりがティーボーン・ウォーカーが独特なサウンドを作りえた要因かもしれない。実際、エレクトリック・ジャズギターの元祖ともいえるチャーリー・クリスチャンとも親交があったというし、相互に影響し合っていたと思われる。
東芝EMIから出ているCD。1942年から1947年の録音14曲。名盤。
MCAのLP1366。1968年録音の10曲。少し、ホーンの音がフューチャーされ過ぎている感あり。この写真のように、ギターを立って弾く時は、ほとんど真横に構えていたようだ。
発売当時は西ドイツのレーベルBFX(Bear Family Record)から出ていたLP15277。1966~'70の15曲を収録。晩年に近くのものだが、なぜか、録音時の音合わせあるいは打ち合わせ、に近いものも収録されていて興味深く、わたしはこのLPをもっとも気に入っている。構えているのは、ギブソンのバーニーケッセルというジャズのギターリストの名を冠したギターで、かなりエアー感に満ちた音質になっている。ティーボーン・ウォーカーは、他の都市ブルースマンに比べアコースティックな音を好んだようで、そのあたりもわたしが共感を持てる要因のひとつになっている。
ジャケット写真をよく見ると、後ろにオルガンのキイボードが見えている。この人は、ギターだけでなく、ピアノも巧みに弾き、実際に下のLPではピアノでのバッキングも務めている。あるいは、ギターでの先進的なコードの使い方あるいはヴォイシング(音の重ね方)は、ピアノを弾くことから生まれてきたのかもしれない。1970年頃から胃腸病に侵されていたらしい。そのためか、写真はやつれているようにも見える。1974年には演奏活動を止め、翌年に肺炎で亡くなったという。衰弱して誤嚥性肺炎を起こしたのだろうか。
やはり、西ドイツのレーベルLRからのLP42017。1962年10月18日、ヨーロッパツアー時のハンブルグでのライブ録音。この時、ツアーに参加したのは、ベースのウィリー・ディクソン、ドラムスのジャンプ・ジャクソン、ピアノのメンフィス・スリム、他には、ジョン・リー・フッカー、サニー・テリー、ブラウニー・マギー、など。ティーボーン・ウォーカーがヴォーカルを取っているのは2曲だが、バックでギターを弾いたり、ピアノを弾いたりしている。音の入れ方が絶妙で、無駄が無い。聴きごたえのある録音。
二歳の頃にはダラスに移り、1920~1923年頃にはブラインド・レモン・ジェファーソンと親しみギターを教わったり、時に盲目のジェファーソンのサポートをする様なこともあったらしい。そして、1930年代半ばには西海岸のロサンジェルスで活動するようになっている。多くのモダンブルースマン達が、南部から北部のシカゴへと移動したのとは異なっており、そのあたりがティーボーン・ウォーカーが独特なサウンドを作りえた要因かもしれない。実際、エレクトリック・ジャズギターの元祖ともいえるチャーリー・クリスチャンとも親交があったというし、相互に影響し合っていたと思われる。
東芝EMIから出ているCD。1942年から1947年の録音14曲。名盤。
MCAのLP1366。1968年録音の10曲。少し、ホーンの音がフューチャーされ過ぎている感あり。この写真のように、ギターを立って弾く時は、ほとんど真横に構えていたようだ。
発売当時は西ドイツのレーベルBFX(Bear Family Record)から出ていたLP15277。1966~'70の15曲を収録。晩年に近くのものだが、なぜか、録音時の音合わせあるいは打ち合わせ、に近いものも収録されていて興味深く、わたしはこのLPをもっとも気に入っている。構えているのは、ギブソンのバーニーケッセルというジャズのギターリストの名を冠したギターで、かなりエアー感に満ちた音質になっている。ティーボーン・ウォーカーは、他の都市ブルースマンに比べアコースティックな音を好んだようで、そのあたりもわたしが共感を持てる要因のひとつになっている。
ジャケット写真をよく見ると、後ろにオルガンのキイボードが見えている。この人は、ギターだけでなく、ピアノも巧みに弾き、実際に下のLPではピアノでのバッキングも務めている。あるいは、ギターでの先進的なコードの使い方あるいはヴォイシング(音の重ね方)は、ピアノを弾くことから生まれてきたのかもしれない。1970年頃から胃腸病に侵されていたらしい。そのためか、写真はやつれているようにも見える。1974年には演奏活動を止め、翌年に肺炎で亡くなったという。衰弱して誤嚥性肺炎を起こしたのだろうか。
やはり、西ドイツのレーベルLRからのLP42017。1962年10月18日、ヨーロッパツアー時のハンブルグでのライブ録音。この時、ツアーに参加したのは、ベースのウィリー・ディクソン、ドラムスのジャンプ・ジャクソン、ピアノのメンフィス・スリム、他には、ジョン・リー・フッカー、サニー・テリー、ブラウニー・マギー、など。ティーボーン・ウォーカーがヴォーカルを取っているのは2曲だが、バックでギターを弾いたり、ピアノを弾いたりしている。音の入れ方が絶妙で、無駄が無い。聴きごたえのある録音。