「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」で有名なジェッシー・フラー(Jesse Fuller)は、1896年3月12日にジョージア州ジョーンズボロ(Jonesboro)で生まれ、1976年1月29日カリフォルニア州オークランドで亡くなっている。ブルースに限らず、レパートリーも多く、黒人フォークシンガーというべき人。実際、「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」などは、いわゆる3コードのブルース進行の曲ではなく、少し複雑なコード進行になっている。その為か、ブルースファンからは敬遠されることもあるようだ。いずれにしろ、優れたミュージシャンであることは間違いはない。
LPのライナーノーツなどによると、東部ジョージアでの暮らしは、随分と苦しいものだったらしい。父親のことは何も分からず、生きるために様々な職を転々とする日々を送ったという。1917年頃にカリフォルニアに移動して、1920年代には当時のサイレント映画のエキストラなどもしたという。音楽には元々才能があったのだろう、各地方で親しんでいたフォークソングなどを自分なりに消化していったようだ。ただし、演奏して収入を得るようなことは少なく、パーティーやストリートなどでチップを稼ぐ程度で、あくまで小遣い稼ぎだったらしい。自分で、曲を作り歌って収入を得るようになったのは、50歳を過ぎたころからだという。「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」を書いたのも1954年で58歳ころのことになり、本格的なレコーディングを始めたのは1955年で、60歳近くになってからということになる。さらに、ニューポート・フォーク・フェスティヴァルに出たのは、1964年で68歳ころのことになる。その頃には、ヨーロッパへツアーに出たりしている。若死にするブルースマンも多いが、老年になって活躍するブルースマンも結構いる。その違いは何なのか、自分も老年と言える歳になり、是非とも知りたいところだ。
イギリスのACEレーベルのLP、CH226。もとは、FANTASYレーベルから1963年に出たもの。
ジェッシー・フラーは、いわゆる「ワンマンバンド」で、12弦ギターを弾きながら同時に他の楽器を演奏する。下の写真はLPの裏にあるものだが、左に写っているのが「フットデラ(fotdella)」と呼ばれる、フラーオリジナルの楽器。ピアノ線を張った箱に、ハンマーをつけ、右足で踏みながら低音を出す、言ってみれば「足踏みベース」とでもいったところ。さらに、左足ではドラムスで使うシンバルを踏み鳴らす。首には、ホルダーにブルースハープ(10穴ハーモニカ)とカズーをセットしヴォーカルの合間に吹き鳴らす。
これが、実際に演奏しているところ。ヴィデオの映像をデジカメで撮ったので不鮮明なのはお許し願いたい。が、言葉で説明しても、なかなか想像しづらいだろうから、敢えてやってみた。努力だけは認めてもらいたいところ。
しかしですよ、一口に「ワンマンバンド」と言うけれど、簡単にはできないですよ。わたしなどはギターを弾きながら歌うだけで精一杯なのに、その上、両足まで使って演奏するなんて「驚き」と言うしかない。ブルースマンの中には、もしもこの人が音楽教育を受けていたら世界的なミュージシャンになっていたかもしてない、と感じる人が何人かいる。ジェッシー・フラーも、その一人だ。まあ、音楽教育を受けずにいたので良いブルースが出来た、とも言えるのだが。
LPのライナーノーツなどによると、東部ジョージアでの暮らしは、随分と苦しいものだったらしい。父親のことは何も分からず、生きるために様々な職を転々とする日々を送ったという。1917年頃にカリフォルニアに移動して、1920年代には当時のサイレント映画のエキストラなどもしたという。音楽には元々才能があったのだろう、各地方で親しんでいたフォークソングなどを自分なりに消化していったようだ。ただし、演奏して収入を得るようなことは少なく、パーティーやストリートなどでチップを稼ぐ程度で、あくまで小遣い稼ぎだったらしい。自分で、曲を作り歌って収入を得るようになったのは、50歳を過ぎたころからだという。「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」を書いたのも1954年で58歳ころのことになり、本格的なレコーディングを始めたのは1955年で、60歳近くになってからということになる。さらに、ニューポート・フォーク・フェスティヴァルに出たのは、1964年で68歳ころのことになる。その頃には、ヨーロッパへツアーに出たりしている。若死にするブルースマンも多いが、老年になって活躍するブルースマンも結構いる。その違いは何なのか、自分も老年と言える歳になり、是非とも知りたいところだ。
イギリスのACEレーベルのLP、CH226。もとは、FANTASYレーベルから1963年に出たもの。
ジェッシー・フラーは、いわゆる「ワンマンバンド」で、12弦ギターを弾きながら同時に他の楽器を演奏する。下の写真はLPの裏にあるものだが、左に写っているのが「フットデラ(fotdella)」と呼ばれる、フラーオリジナルの楽器。ピアノ線を張った箱に、ハンマーをつけ、右足で踏みながら低音を出す、言ってみれば「足踏みベース」とでもいったところ。さらに、左足ではドラムスで使うシンバルを踏み鳴らす。首には、ホルダーにブルースハープ(10穴ハーモニカ)とカズーをセットしヴォーカルの合間に吹き鳴らす。
これが、実際に演奏しているところ。ヴィデオの映像をデジカメで撮ったので不鮮明なのはお許し願いたい。が、言葉で説明しても、なかなか想像しづらいだろうから、敢えてやってみた。努力だけは認めてもらいたいところ。
しかしですよ、一口に「ワンマンバンド」と言うけれど、簡単にはできないですよ。わたしなどはギターを弾きながら歌うだけで精一杯なのに、その上、両足まで使って演奏するなんて「驚き」と言うしかない。ブルースマンの中には、もしもこの人が音楽教育を受けていたら世界的なミュージシャンになっていたかもしてない、と感じる人が何人かいる。ジェッシー・フラーも、その一人だ。まあ、音楽教育を受けずにいたので良いブルースが出来た、とも言えるのだが。