文化逍遥。

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手巻き時計の分解掃除

2020年11月23日 | 日記・エッセイ・コラム
 20年ほど使っている、ハミルトンの手巻き式腕時計。わたしは、普段は手に時計を嵌めないので、必要な時だけリュウズを巻いて使えるものを愛用してきた。しかし、このところ巻いても短時間で止まってしまうので近くの時計職人さんに診てもらった。その結果、分解掃除と注油が必要、とのこと。8000円(税込み)でやってくれる、というので頼むことにした。
 ホームセンターなどで、2000円も出せば電池式の腕時計が買えるし、時間も正確だ。つまり、修理費用で安いクォーツ時計4個買える計算になる。しかし、個人的には安物を使い捨てて使うのは好きではないし、手巻き時計には使っていて不思議な安心感がある。


 ついでに、バンドも新しくしたので、なんとなく新品になったような気がする。動作もスムースになり、動いている時間も修理前は12間ほどだったのが40時間ほどに長くなって、満足している。

 携帯電話が普及して以降、腕時計をする人が減って、すっかり売れなくなった、とベテランの職人さんは苦笑いしていた。以前は小さな町でも一軒くらいは時計店があり、修理もしてくれたものだった。そんな店も今はほとんどなく、自宅近くにやめずに続けている腕の良い職人さんがいて助かった。インターネットで調べたところでは、製造したハミルトンにオーバーホールを頼むと、最低でも2万円かかる。

 正確さも大事、それは分かるが、度を過ぎるとストレスになりかねない。ゼンマイでも巻ける自動巻き時計が見直されている、とも聞く。人の生活にも、多少の「ゆらぎ」すなわち「ゆとり」があった方が良い。かの時計職人さんも、「すこし、くるった方がいいんだよ」と言って笑っていた。

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