ジュニア・キンブロー(Junior Kimbrough)は、1930年7月28日ミシシッピー州のハドソンヴィル(Hudsonville)で生まれ、1998年1月17日に同州ホリースプリング(Hollyspring)で亡くなっている。日本のブルースファンの間ではあまり知られていない。が、ミシシッピー州のデルタ北部の「ヒルカントリー」で自分のジュークジョイントを経営し、自らも独自な音遣いでコンスタントに音楽活動を続けた人だ。ギターは、主にミシシッピー・フレッド・マクドウェルを聴いて学んだという。
すでに、このブログ「わたしのレコード棚ーブルース109」ジェシー・メイ・ヘンフィルのところで紹介したP-ヴァインから出ていたヴィデオ。1992年にキンブローのジュークジョイントで撮影された映像を収録している。ミシシッピーの片田舎のジュークジョイントの様子をよく伝えている。
こちらは、上のヴィデオの企画の元となったロバート・パーマーの著書『ディープ・ブルース』。原書は1981年に出版されており、日本語訳は1992年に五十嵐正氏の訳でJICC出版局から出ていた。この本も今は絶版のようで、古本でしか手に入らないようだ。
やはり、すでにジェシー・メイ・ヘンフィルのところで紹介したLPと同じもので、SOUTHLANDレーベルのLP22。1984年10月、アトランタでの録音「All Nightlong」を収録。ジャケット写真は、右側中段がキンブロー。
FAT POSSUMレーベルのCD1006。1993年4月にキンブローのジュークジョイントで録音された11曲を収録。時間が長い曲が多く、聴きごたえがある。短いものでも4分半、長い曲では10分近い。キンブロー本人のヴォーカルとギターもさることながら、バックで演奏しているメンバー達の演奏もすばらしい。ネットで調べてみた限りでは、スタジオミュージシャンのような演奏家ではなく、ミシシッピーでコンスタントにブルースを演奏している演奏家たちのようだ。キンブローの特徴のある音使いにしっかりと寄り添い、時に音を立て直してゆく、見事なバックアップだ。メンバーを書いておこう。サカンド・ギターにKenny Brown、ドラムスにCedrick Jackson、ベースにGarry Burnside。音楽に「癒し」あるいは「調和」のようなものを求める人にはお勧めできないが、人の心の奥底にある澱みを含めた人間の全体を表現する音楽に接することが出来る一枚で、ブルースの歴史を語るうえでは重要な録音と言える。
余談だが、一般にライブハウスなどには「ハウスバンド」と言って、その店に所属して、演奏するミュージシャンのバックを担う役割をするバンドを抱えているところも多い。ジャンルを問わず演奏する能力が必要で、それはそれで大変な技術の習得が不可欠なのは当然のことだ。が、独特の音遣いをするミュージシャンに対しては、深いところでズレが生じることも事実としてある。ストレートな音楽にはその道を歩み続けてきた人たちにしか出来ないものがあるのだ。
すでに、このブログ「わたしのレコード棚ーブルース109」ジェシー・メイ・ヘンフィルのところで紹介したP-ヴァインから出ていたヴィデオ。1992年にキンブローのジュークジョイントで撮影された映像を収録している。ミシシッピーの片田舎のジュークジョイントの様子をよく伝えている。
こちらは、上のヴィデオの企画の元となったロバート・パーマーの著書『ディープ・ブルース』。原書は1981年に出版されており、日本語訳は1992年に五十嵐正氏の訳でJICC出版局から出ていた。この本も今は絶版のようで、古本でしか手に入らないようだ。
やはり、すでにジェシー・メイ・ヘンフィルのところで紹介したLPと同じもので、SOUTHLANDレーベルのLP22。1984年10月、アトランタでの録音「All Nightlong」を収録。ジャケット写真は、右側中段がキンブロー。
FAT POSSUMレーベルのCD1006。1993年4月にキンブローのジュークジョイントで録音された11曲を収録。時間が長い曲が多く、聴きごたえがある。短いものでも4分半、長い曲では10分近い。キンブロー本人のヴォーカルとギターもさることながら、バックで演奏しているメンバー達の演奏もすばらしい。ネットで調べてみた限りでは、スタジオミュージシャンのような演奏家ではなく、ミシシッピーでコンスタントにブルースを演奏している演奏家たちのようだ。キンブローの特徴のある音使いにしっかりと寄り添い、時に音を立て直してゆく、見事なバックアップだ。メンバーを書いておこう。サカンド・ギターにKenny Brown、ドラムスにCedrick Jackson、ベースにGarry Burnside。音楽に「癒し」あるいは「調和」のようなものを求める人にはお勧めできないが、人の心の奥底にある澱みを含めた人間の全体を表現する音楽に接することが出来る一枚で、ブルースの歴史を語るうえでは重要な録音と言える。
余談だが、一般にライブハウスなどには「ハウスバンド」と言って、その店に所属して、演奏するミュージシャンのバックを担う役割をするバンドを抱えているところも多い。ジャンルを問わず演奏する能力が必要で、それはそれで大変な技術の習得が不可欠なのは当然のことだ。が、独特の音遣いをするミュージシャンに対しては、深いところでズレが生じることも事実としてある。ストレートな音楽にはその道を歩み続けてきた人たちにしか出来ないものがあるのだ。