この本を読むきっかけになったのは、この本についた
パトリシア・コーンウェルも裸足で逃げ出すだろう。
という書評です。
クリスマスに売りに出された『痕跡』があまりにしょぼい
出来だったので、その書評自体余り威力もないのですが、
それでもこの本を買うには十分な威力でした。でもこれは
書いているのが女性だからつけたつまらない書評です。
コーンウェルの名があるとどうも彼女の作風と似たものが
あるのかと気になるから私も買ったわけで、実際は作品は
裁判と暴力シーンとストーカーの描写と一人で戦う主人公の
孤独な様子ばかりの作品です。考えてみると、ストーリーは
単純で登場人物も精神的な描写や葛藤などはなく、あくまで
単純なストーリーと単純に行動する人々ばかりです。
何も疑うことなく単純に物語を受け止められる人向けです。
火曜サスペンスとか2時間ドラマを普通に見られる人なら
楽しめるでしょう。人生は不可思議で、人は全部の人が全部
考えも行動も違うと知っている人には向きません。ヒッチコック
の映画がなぜ観たあとも怖さやサスペンス感が持続するか知って
いる人は、こんな本だと気にいらないでしょう。
ここまで書いてもひねくれの君は読むよね。