King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『日本中枢の崩壊』読了

2011年06月12日 12時55分50秒 | 読書


『日本中枢の崩壊』を読みました。

新聞の広告を見てすぐ本屋に行きましたが、中々売ってなくて
ネット注文にてやっと入手。

この本を読むとかなり憂鬱になります。

彼の述べていることは正論であり、誰もが改革を
願っているのにもう20年も経済は停滞し、首相も
一年ごとにころころ変わるという危機的状況です。

この首相がころころ変わるというのは、権力が定まらない
戦時中に起こった状況に似ています。

小泉改革が中途半端に終わり、人気とりと政権交代という
掛け声で生まれた鳩山内閣も結局何も生み出せず、混乱の
うちに終息し、期待の菅はすっからかんとか散々無能キャラ
が定着した時に史上まれに見る惨事が襲いました。

この非常時にと誰もが思っているこの時期。

またまた権力闘争に明け暮れる政治。

行政は、変な会議ばかりやって増税を押し付けようとして
います。

この危機的状況はどうしてもたらされているのか、この
国民の疑問に答えるかのように出版されたこの本ですが、
読むと改革は望めないのかと落胆がまします。

こんな状況でも自分の省益しか考えない役人どもは全員
一度解雇して、県とか市町村の役人主導で後は政治家に
予算措置を任してしまえばいいのです。

中でもひどいのが復興会議という賢人会議だと思います。

一番の識者を集めいかにも一番の方策をまとめているのかと
思いきやここの人も復興のための増税をせよと言っています。

本当に復興させようと思っているのか。

誰が何を目的にさせているのかもうすでに存在目的は知れています。

このデフレの世に神戸での震災時のような復興をしても
インフラだけ元に戻そうとしても無意味です。

高台に住民を移転させようという意見もどれだけの意味があるか。

復興には、今までの漁港とそこに住む漁民の人達が今までの
様に暮らせる町が必要です。

今度また巨大地震と津波が襲ってもそこそこ生き残れる町と
いう発想で、まず海にかかわる人達の産業を復活させれば
いいのではないでしょうか。

いくら高い堤防や頑丈な防災施設を作ろうともまた震災も
津波もやってくるのです。

壊れても直ぐ治せる、襲われても直ぐ逃げられるという発想
の方が復活は早くでき、無駄や利権にしゃぶられることなく、
人々の営みが取り戻せるのではないでしょうか。

全員の意見など聞けるはずもなく、誰もが満足などできない
のです。

でも、町が動き出せば生活も徐々に取り戻せ明かりも見えて
来るのです。

いつまでも無駄な会議や入らない仮設住宅などを作るのをやめ
前に動き出すことをやらないといけません。

行政の考えることは花見の自粛を打ち出して、経済が収縮
すると見るや取りやめたのを見るようにろくなものはないのです。

それをコントロールできない政治家にも自分たちの足元しか
見えていないようなのばかりです。

著者のように日本や国民の事を考えている官僚も居るというのは
少し安心するのですが、意見が正統であればあるほど、その実現
の程が遠くみえ、暗澹とした気分に浸れる本でした。
コメント (2)
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