奥秩父では紅葉祭が始まり、最後の観光シーズンを
迎えました。
それでもまだ暖かい日があったり、十分冷え込みもないのか
紅葉はまだまだの感じの様です。
この冷え込んだ夜に出てくるのがオリオン座でそれを見ると
恐怖に似た感覚を持つのは私だけでしょうか。
まあそれでもこの星座の出るころは星空もきれいでそれを
眺めながら走るのも気持ちのいいものです。
最近走るのに時間がなかなかなく長い距離を走る機会が
なく、毎年コースレコードを更新していたかつての走りも
ジョギング並みの速度になっています。
そんな中久しぶりに昨日は走り、私のレギュラーコースである
影森コースを走りました。
これは自宅からただ南に一直線に走り、影森の旧通り走り
キヤノンの通りに降りて、金仙寺原を巡り、元の通りを自宅に
戻るという単純な田舎道のコースです。
それも幹線道路を避けた閑散とした道ばかりで、夜走るのが
慣れていない人や女性では走るのを躊躇してしまうような道です。
大概走る人や歩きの人は懐中電灯を持参しています。
しかし、ある程度の速度で走る人には邪魔なものですし、暗闇
で慣れた目には照明はまぶしくて邪魔になることもあります。
星明りで星を眺めながら走るのは楽しいし、何か宇宙の力に
抱かれて何かのパワーを受信しているような感じもします。
ただ、この影森コースの難点はだらだら坂道とも言えないような
わずかな傾斜がずっとなれない走りや間隔が開いたときにこの
傾斜が体の不調のように感じたり、走りがやたら辛く感じたり
するのです。
いつもより重力を感じて心地よさという感じは全くなく、走りとは
こんな苦行だったのかと思わせます。
さらにこれからの季節は寒々しい風が体温を奪い辛さに拍車を
かけます。
それも材木屋が連なる道にまで来ると体と呼吸が整い、やっと
走る状態に体が慣れてかつてのペースも辛さも克服し、戻ってきたと
感じだします。
しかし、実際に無敵感に満たされるのはこのコースの影森駅の
踏切を越え墓地を左折したあたりから飛ぶように走りペースを
上げて今までと違うスピード感に達した時です。
今までは汗を手で拭いながらハアハアと苦しみあがきながらの走りが
完全なフルメタルジャケット感に達しると地球の重力から逃れて
飛んでいるかのように暗闇を切り裂きながら進んでいるような滑らかな
波の上をスリムな船が行くようなイメージでいっきに走れるのです。
こうなると走っている最中から体中の細胞が活性化し、全ての機能に
スイッチが入った感じがします。
人生を生きるとはこういうことであるとさえ思えます。
人にウォーキングでなく走ることを勧めるのもこの感覚を
知ってもらいたいからでもあります。