人類に対して三大感染症というとエイズ、結核、マラリアとなっいます。
日本脳炎や狂犬病など克服してきた伝染病は色々とあるわけですが、簡単な風邪など
未だ治療薬もなく毎年流行するものもあります。
先日、NHKの逆転人生で蚊帳を作る会社を取り上げていました。
これを見て思ったことは日本人の特性です。
このような物語の作り上、何度も試練がありそれを克服してやり遂げるという成功物語で
それがなされていることに見ている人も自身の成功体験のように疑似体験して喜ぶわけですが、
実際に日本ではマラリアやデング熱が流行っていないわけでこれはまるきり途上国や熱帯の国の
ための事業にるわけです。つまり国家的危機とか人類の危機とかとも違います。それでも三大
感染症といわれるほど毎年多くの人が苦しむので人類の敵であることに違いありません。
考えてみると日本ではそのマラリア原虫なるものが過ごせないから流行らないのか今のコロナ
ウィルスが瞬く間に世界に広まったのに比べて改めて感染症の恐怖と人類を苦しめてきた病苦の
歴史を思います。
この様々な感染症も下手に薬剤を使用して菌を強くしてしまうという歴史もあり、結核なども耐性菌
によりなかなか根治できない伝染病となっています。さて、その貧しい国に蚊帳を売ってもたいしたもうけに
ならないので対策はなかなか進まない中日本の化学メーカーの一人の男の人が途上国や熱帯の人に殺虫剤入りの
蚊帳を送れば被害を減らせると社内で取り組むようにある社員に頼み片手間でやるよと受けたその人の開発で
プロジェクトは進むのですが、次々に問題が行く手を阻みその都度どう対処していったかが番組のおもしろさに
なっていました。
それを見て一番思ったことは会社にとって儲かる仕事でもなく、まして自身の出世とか自身の成長とか儲けと
考えたときに普通なら人はまじめに取り組もうとはしないものです。ところが、困っている人がいるからと
日本人の特性としてベストを尽くす。つまらないことでも真面目にこなすという性質が至る所に感じるのです。
まず、製品ができても売り込みもできず引き合いもない状況の中で、たいした額にもならず派手な建築も
伴わないため政府のODAからも漏れ、製品の効果と質は問題ないのに現地に届かないという問題に少額援助と
いう大使館の予算をあてに売り込みをかけまず一つの成功となり、ユネスコにも認められ大口注文を
受けるようになり中国に工場を作ったりします。その際もライセンス料もとらず無償で技術提供して
生産量を確保したといいます。やがてコンゴに現地工場をつくり、現地の人による生産が始まるのですが、
品質が伴わず生産を止め、すべての製品の検品をするという事態になってしまいます。
現地の人は仕事がなくなり、不満を募らせ、品質のために生産を止める日本人に不信感も抱きます。
現地の人が自分の国のために自ら生産しているのに品質が保てないというのも国民性とか培ってきた
文化が違うとかいうものと簡単に片づけることが行かない問題です。
日本では職業に貴賎なしということが浸透していてつまらない仕事でもきちっとこなされ電車は
時間通り来るし、ゴミが決まった日に収集されます。そんな日本ですが、先進国の中では女性の
活躍が少なかったり、外で勝負しようと打って出る若者が少ないなど問題もありますが、その
特性ゆえにああ日本でよかったなあと思うこともしばしばです。
珈琲の世界ではそんな当たり前のことが当たり前にやられているとすべてにいえなくて
例えば海外から届いた麻袋の豆をそのまま焙煎機に投入する業者もいれば、いちいちハンドピック
して豆を細かく見る自家焙煎業者もいます。これも味のためときっちりと仕事をこなし、
季節のこの味という届けたいものがあるからこその努力ですが、それも伝わることもあれば
伝わらないこともあります。しかし、同じ日本人としてきっちり仕事をこなす人には同じもの
を持つ人同士というのは伝わるのではと思います。
さて、コンゴの現地の人たちにどう品質を保つ大事さを日本人スタッフが伝えたかというと、
スタッフの現場責任者を集めて折り紙で鶴を折って見せ一枚の紙でも美しい鶴になると説明し、
もしそれをぞんざいに折ればどうなるかやってみせ丁寧な仕事の大切さを伝えたそうです。
それをみたコンゴの現地スタッフも製品の品質労働の質に気が付き品質が向上したそうです。
毎日珈琲を必要とする身にはきっちりと仕事をした豆が必須です。同じ思いの人のために
今日も豆を焼ます。
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