King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

マイナス成長

2009年02月16日 22時17分53秒 | 日々のこと

日本の景気は、リーマンショックやサブプライムローンなど
アメリカバブルがはじけてそのあおりを食っているという
他人事の感じで始まり、国内の不動産会社などが続々と
赤字になり、内需から崩れたような印象になっていますが、
これは大きな間違いで、日本の経済モデルが間違っていたことに
誰も言及していないように思います。

ところが日経新聞の経済入門というページをよく読み、今月の
文芸春秋のトヨタのトップなどのインタビューを読むと国と
経済界の作った日本の経済システムが間違いだったとこれは
大変なことになったという感じを改めて思うのでした。

トヨタが世界一の自動車会社になったのも世界中でトヨタ車が
売れたからで経済発展著しいインドや中国で売れているという
刷り込みがされていましたが、実は極端な円安誘導でいつも
日本車は安売り状態で、アメリカでは安くて燃費もよく故障もしない
性能のよい安い車として売れていたのです。

アメリカで日本車というブランドが確立したというより、やはり
安いということが一番の強みだったのです。

日本は、銀行をとにかく救うために0金利を実施し、景気拡大が
つづき、もはや銀行を救う必要もないのに、ひたすら0金利を
続けました。これについて誰も文句をつけないばかりか、何を
意味するかコメントする人すらいませんでした。私は、これは
何を意味するのかずっと謎に思っていました。

日本の人々は、株が上がっていたので、あまり金利の安い金融
商品に文句をつけるより、高配当を出す株を好んで買うように
なっていました。株もよく上がりました。今まで大型株のそれも
素材産業や海運株という今までまったくあがったことのない株までも
上がったりしていたのにこれは中国が資源爆食いで、好況原因の
好循環だからまったく問題ないと誰もが安心して株を買っていた
のです。

しかし、景気拡大が続いても銀行に金を置いておいて、ちっとも
増えないというのはおかしいですよね。銀行はその金を企業に貸して
金を儲けているわけですから、何で金利を上げないのか。景気上昇
が続いてもずっと低金利に誰も疑問を投げなかったのです。これこそが
いまキヤノンやトヨタが大赤字に転落した原因です。アメリカ発の
金融不安と市場の崩壊ばかりが言われますが、今まで円キャリー
取引ばかりが言われていましたが、輸出企業のために低金利は
実施されていたのです。

必要以上に円安を続け、国際競争力を維持しつつ金を儲け続け
広がった格差などのひずみの問題には目を閉じ続け、自企業の
利益ばかりを追求していったため、世界の異常ももひずみも
鈍感になり、足元をすくわれる形になったのです。

これはアメリカのリセットであり、是正されるべき産業構造の
転換や内需産業の整備や社会整備などの基本構造改革がなされない
まま、超低金利政策といういびつな経済行動が続いたのです。
そんなことが元になっていてさらに現在の状況を見誤ってただ
財政出動してバラまきを続けても内需は上がらないし、景気は
上がらないのです。

正常な輸出産業の成長であれば、こんなに国内の景気まで冷やす
状況になったでしょうか。ブリックスなどの中進国の景気を当てにして
まだ日本はがんばれたはずです。それが極端な円安による作られた
いんちきな輸出企業の成長モデルは、世界同時不況という突然の
円高に見舞われもうすっ飛んでしまったわけです。

そんなところにいくら定額給付金や派遣社員や期間工に援助をなど
といっても景気が上がるわけがありません。さらに円安にするか、
この状況でも益を出している企業により優位な政策をだすなど
景気を刺激する財政出動でないと財政を無駄に赤字にするだけです。

テレビやマスコミなどでこの景気悪化の特効薬のように評論家など
がしたり顔で政府発行通貨を発行すれば良いとぶち上げていましたが、
日経新聞の経済入門では、丁寧にそれは意味がないばかりか誤りであると
解説されました。

しかし、そんなことを言われるまでもなく、歴史的にそんな経済政策
が失敗した例はたくさんあり、日経や文芸春秋を読まなくても今の
経済政策が間違いだと誰もが感じているのではないでしょうか。
政治家と官僚の皆さんには、いいかげん日本のためになる政策の
実現をお願いしたいものです。

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