今年のゴールデンウィークはなんといっても10連休という長さとその過ごし方の
アンケートを聞き愕然とした結果に日本という国の特異性を改めて感じるのでした。
そのアンケートとは連休をどう過ごすかというものでしたが、75%以上の人が家で
だらだらするという答えで旅行とか帰省と答えたのはそれぞれ一割強だったのです。
つまり、その一割の人達により、高速道路は大渋滞し、空港では空前の出国ラッシュになり、
韓国、ハワイへのチャーター便は過去最高になるというニュースを聞くのですが、なんだ
それは結局国民の一割程度の人が動くと日本はこうなってしまうのかという、実際には
家にて普通に過ごす人が圧倒的に多いのにもかかわらず、日本中の人が高速道路や電車で
移動していてその混雑ぶりが報道されるたび、人々はそれに乗り遅れてはならないと
行楽に出かけていくのでしょう。
ちなみに即位後の皇居のお出ましに出かけた人は報道では14万で入場規制がされて2時ごろには
もう入場できなくなったらしいです。
またおかしいと感じたのは非正規雇用の人は休んでも無給なので収入が減るというという
ことで、アルバイトしようにも兼業禁止でどうにもならないというインタビューなどを
ニュースで見て普段から有給をとるという事をしていないからそういうことになるのではと
考えるのでした。コンプライアンスがやかましい昨今、やたらと法の順守にこだわるなら
労働者の権利にもこだわらせなければなりません。それは働く側に意識もただ従うだけでなく
自身の権利について自覚して選挙に行くとか義務の履行も果たして行かなくては実現しない
ものでしょう。
さて、そんな連休の中、いつもより暇な日も多く、路地裏の当店はこの時期里帰りを兼ねて
やっとこれたという人もいたり、逆にいつも来る常連さんは市内の混雑を避けるためいつもより
来店試飲などは少ない感じです。それを利用して私は焙煎にじっくりと取り組み特にあたらしく
いれたマイクロロットの豆などそんなもんじゃあないだろうと豆を開かせるために苦心しました。
特に焙煎機の各部のセッティングやコンデションを上げるために徹底したチューニングをしました。
これが功を奏して豆は今までになくふっくらと膨らみその実力を堪能できました。
このために試飲では新しいネルを用意したり、いつもより多い人数分で落としたりとできうる限りの
手を尽くして焙煎に焙煎を重ねて納得できるところまで持って行きました。
私がこのマイクロロットの豆に手を出すきっかけになった説明文の内容はまさにプロジェクトエックスの
物語であり、逆転人生の物語そのものでした。オーナーが自身の展開するリゾートで提供する珈琲を生産
したいと農園を買い取り、良い珈琲のために人も設備も採算度外視でそろえやっと160農園四位まできたと
いう成功物語であり、マイクロロットでは珍しいQグレードまで取っています。
ここまでの豆ならという思いとなまじな味で済ませられないという思いもして、焙煎には自然工夫も力も入り、
ただでさえ膨らませるのが難しい堅い高地の豆でなおかつ新豆で開くのが難しいところでチューニングも細部まで
力が入りました。釜や排気ファンの清掃はもちろんサイクロンの内部まで全ての排気管の溜まったチャフは全て
取り除き高温時の伸びも排気コントロール時熱の損傷まで十分に気を使えるようになりました。これが功を奏して
いい加減な味でなく本来到達すべきところまで引き上げられたと釜から見た豆の膨らみようを見て十分納得の
物を感じました。
もうそれをみれば十分でしたが、こう焼けるとどうしてもふるまいたくもなりゴールデンウィークの試飲は皆
これを用いてマイクロロットの説明からグアテマラの特長やらをしゃべることとなりました。実はグアテマラは
カップオブエクセレンスのコンテスト以来最近では取り扱う豆や専門店も少なく、かつては高いアンティグアなど
もずいぶん安くなっていました。この原因の一つに焼くのがめんどくさいとか難しいというのもあったと思います。
私もカップオブエクセレンスに選ばれた当時のコンテスト豆とか有名農園の豆を比べた時に自家焙煎店の店の物も
調べたことがあり、ケニアと同様なことが起きていたことをよく覚えています。それは注文を受けてから焼くような
釜の小さい店では特に顕著でやたらと深煎りにしているのです。それで十分に膨らんでいるならまだしもですが、実際には
小さいままで膨らみ切れておらずなおかつ焦げている店の方が多いのです。
最近ではケニアを置いている豆や専門店も少なく、やたら中米のスペシャルティというとブルボン種のものが主流で
シトラスの香とかジャスミンの香りなどという触れ込みの物が増えています。ただすっきりとしているというだけの
店もあり、200g2000円もしているのにそれだけなのかというものも多く見かけます。
こうなれば当店でも試飲させ甲斐があるというものですが、感想でもやばいなどという人がいなくてああ
よかったと思うのでした。
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