金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

31:榎本博明『「対人不安」って何だろう?』

2025-03-03 10:56:02 | 25 本の感想
榎本博明『「対人不安」って何だろう?』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
友だちといっしょにいてもホンネを出せない自分がいる。
嫌われることを恐れ、気づかいに消耗している……。
そこにはどんな心理メカニズムがあるのだろう。
若者が抱える「対人不安」とそれを活かす方法を考える。
 
****************************************
 
ずいぶん前に、仕事のために読んだもの。
「ずっと同じ話してるな……??」
という感想が先に立ってしまうし、
ある程度歳を重ねた人間、類似本を読んだことのある人間にとっては
知っていることがほとんどで新しい知見みたいなものは少ないと思う。
でも、中高生や大学生たちにとっては、
「自分だけじゃなかったんだ! みんな同じなんだ」
ということが、さまざまな例を挙げてもらうことで腑に落ちるだろうし
救いにもなるんじゃないだろうか。
 
私は大人になってから、仕事柄、
毎日顔をつきあわせる固定された人間関係というものがなくなったので、
人間関係で悩むことがほぼなくなり、ものすごく楽になった。
でも、やっぱり学生時代は、
関係が密だからこそ起こる愛憎や、
コミュニケーションの失敗が死活問題になる状況に
リソースの多くを奪われてきたので、悩みはわかるよ……と思う。
「大人になったら関係なくなる」と言われても、
今目の前の問題が切実なのであって、
「先」のことなんかで救われたりしないよね。
 
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22-30:最近読んだ漫画

2025-02-15 19:43:44 | 25 本の感想
丘上あい『ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~〈1〉~〈3〉』
 
1巻のみ再読。
積んでいた2・3巻と一緒に読む。
どいつもこいつも信用できない、人間不信になりそうな環境……。
先は気になるのだけども、3冊でもうおなかいっぱい。
 
小川彌生『きみはペット〈1〉~〈3〉』
 
これも長く積んでいたな……。
なんだか時代を感じる、なつかしい絵柄。
思ったより好感の持てる内容だったし、
勉強も仕事もできるヒロインが好き。
3巻までの感想だけど、蓮實先輩、完璧すぎんか??
実写ドラマにもなっていたのね。松潤、あってる気がする。
 
岩明均『ヒストリエ〈1〉~〈3〉』
 
これも長く積んでいた。
人の名前や地名が全然頭に入ってこないし、
目を背けたくなるような暴力シーンや残酷な描写が
頻出するのだけども、
この先に壮大な物語が広がっていきそうで続きが気になる。
高校世界史に途中でついていけなくなったわたしには、
時間軸の物差しになるような基準がまったく備わっていないので、
ぼんやり「古代のギリシアあたりが舞台」くらいの把握で
読んでいる。
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21:Emi『暮らす働く、もっと明るいほうへ。』

2025-02-15 16:56:02 | 25 本の感想
Emi『暮らす働く、もっと明るいほうへ。』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
日々、ココロが動くほうを選びたい。
大人気Voicy発、待望の書き下ろし39本のエッセイ集。
早く起きた朝、眠れない夜、少し疲れた金曜日、
手に取ると、暮らしやこころに、明るくじ~んわりと広がる1冊。
 
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『今日から変わる わたしの24時間』がよかったので、
テーマの重なると思われるこの本も読んだ。
暮らしと仕事がちゃんと地続きにあって、
自分の裁量で時間の使い方や仕事のやり方などを決められることを
前提にしているので、自分の生活や仕事に取り入れやすいし、
明るく前向き。
ファンが多いのが納得できる。
 
「~したほうがいいかな」をあえてやらない、というの、
よくわかる。
「やらない」ほうを選んだことに対する不安、
最近はほぼゼロになっている。
「自分は結局、やりたいことはマイナス要素があってもやるし、
 本当にやりたいと思っていないことは続かない」
というのがわかってきた。
大人になってから受けた人からの「~したほうがいいよ」というアドバイスで、
実行したの、ただ一つ、「保険に入ること」だけだったわ。
(よかったのかどうかはまだわからない)
 
コメント (2)
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20:吉田夏彦『なぜと問うのはなぜだろう』

2025-02-15 16:52:22 | 25 本の感想
吉田夏彦『なぜと問うのはなぜだろう』
★★★★☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
ある/ないとはどういうことか? 心とは何か?
好奇心に駆られ、人間は無数の学問を創造してきた。
永遠の問いを解くための最強の技術、哲学的思考法への誘い。
 
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ちくまプリマー新書で復刊したものの、
もとは小学生向けに書かれたものだというだけあって、
使われている言葉は非常に平易。
ただ、数学も論理学も物理学も、小中学生にはまだわからないだろうから
(中学生でも、数学のことは「計算するもの」くらいの認識だと思う)、
読んでもイメージはしにくい部分が結構あるかもしれない。
 
【メモ1】
ギリシア語で「学問」という意味で使われていた言葉は、
英語だと「フォロソフィ」と「サイエンス」にあたるもの。
もともとはそれほど区別されずに使われていた。
 
【メモ2】
ヨーロッパの人にとって、ゴリラは長いこと
「いるかどうかわからない動物」だった。
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15-19:最近読んだ本

2025-02-09 17:14:59 | 25 本の感想

小川奈緒『すこやかなほうへ 今とこれからの暮らし方』

橘もも『恋じゃなくても』

新井浩文『文書館のしごと アーキビストと史料保存』

菅原佳己『日本全国ご当地スーパー 隠れた絶品、見~つけた!』

Emi 『今日から変わる わたしの24時間』(再読)

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4-~14:ヤマシタトモコ『違国日記〈1〉~〈11〉』

2025-02-09 17:09:51 | 25 本の感想
ヤマシタトモコ『違国日記(1) (FEEL COMICS swing)~(11)』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
35歳、少女小説家。(亡き母の妹) 15歳、女子中学生。(姉の遺児) 
女王と子犬は2人暮らし。
少女小説家の高代槙生(こうだいまきお)(35)は
姉夫婦の葬式で遺児の・朝(あさ)(15)が
親戚間をたらい回しにされているのを見過ごせず、
勢いで引き取ることにした。
しかし姪を連れ帰ったものの、翌日には我に返り、
持ち前の人見知りが発動。
槙生は、誰かと暮らすのには不向きな自分の性格を忘れていた……。
対する朝は、人見知りもなく、“大人らしくない大人”・槙生との
暮らしをもの珍しくも素直に受け止めていく。
不器用人間と子犬のような姪がおくる年の差同居譚、
手さぐり暮らしの第1巻!
 
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1~8巻は再読。
間が空きすぎて、いろいろ忘れてしまっており、
結局最初から読み返すことに。
 
「どんな話?」と問われてあらすじを説明しようとすると難しいのだけども、
人と人との間には、言葉を尽くしたところでわかり合えない部分がどうしてもあって、
そのわかりあえなさ、わかり合えないなりにすりあわせていこうとする中で
生じる感情や軋轢といったものを丁寧に描いた話だったように思う。
 
後半には、死んだ母/姉、父がどんな人だったのか? ということも
明らかにされかけていたのだけども、すべてを明らかにするわけでもなく、
理解して和解するわけでもないところがよかった。
姉は姉で苦しみ、コンプレックスを持っていたとしても、
だからといって理解したり許したりする必要もないのだよね。
 
笠町くんが理想の彼氏すぎる……!
 
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3:角田光代『さがしもの』

2025-01-31 14:36:09 | 25 本の感想
角田光代『さがしもの』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
あんたがその本を見つけてくれなけりゃ、死ぬに死ねないよ。

「おばあちゃん、幽霊になってもこれが読みたかったの?」
運命を変え、世界につながる小さな魔法「本」への愛にあふれた短編集。

「その本を見つけてくれなけりゃ、死ぬに死ねないよ」、
病床のおばあちゃんに頼まれた一冊を求め奔走した少女の日を描く「さがしもの」。
初めて売った古本と思わぬ再会を果たす「旅する本」。
持ち主不明の詩集に挟まれた別れの言葉「手紙」など九つの本の物語。
無限に広がる書物の宇宙で偶然出会ったことばの魔法はあなたの人生も動かし始める。
『この本が、世界に存在することに』改題。
 
****************************************
 
ずいぶん前に仕事のために読んだもの。
 
いやー、びっくりした。
ブログの記事によると、改題前の『この本が、世界に存在することに』を
2008年に読んでいるのだけど、本当にまったく、一フレーズたりとも、
記憶に残っていなかったから。
角田さんの本の中でも、割と好みだったと書いているのに、
まったく覚えていない。
 
本にまつわる短編集で、作品同士のリンクはなし。
収録作品は以下の通り。
 
「旅する本」
「だれか」
「手紙」
「彼と私の本棚」
「不幸の種」
「引き出しの奥」
「ミツザワ書店」
「さがしもの」
「初バレンタイン」
 
「不幸の種」と「引き出しの奥」が好き。
小中学生にも読ませたいのだけども、
メインじゃないところで性的な言葉が出てくるので
気軽に勧められないのが残念。
 
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2:坪内政美『駅スタンプの世界』

2025-01-18 15:08:58 | 25 本の感想
坪内政美『駅スタンプの世界』
★★★★☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
探す、押す、眺める、つくる⁉ 寄贈する⁉
鉄道カメラマンの坪内政美さんが楽しんでいる
鉄道スタンプの世界へとご案内。
全国のスタンプコレクションをできるだけ掲載。
それだけではなく、もう失われたかと思われていたスタンプの探しかた、
きれいにスタンプを押せる方法のアドバイス、
さらには駅スタンプの作りかた、寄贈の仕方までをお伝えします。
一度はまると抜けることのできない、
魅惑の駅スタンプの世界へとご案内する1冊です。
 
****************************************
 
そんなに熱心に収集しているわけではないのだけども、
旅先で目につけば手帳に押している駅スタンプ。
著者はそんなエキス スタンプを収集するだけでなく
自ら作って寄贈までしてしまう、駅スタンプを愛する人。
こういう何かに大きな愛を注ぐ人の
コレクションを見るのは大好き。
 
一応地方別には分けられているのだけども、
各駅の位置関係がわかるようになっているとさらによかった。
というのも、名所や名産品がスタンプにデザインされているので、
この本で旅行先の駅スタンプを調べられると
観光に役立ちそうだと思ったから。
駅スタンプファンでなくても手に取る可能性が高くなるし。
 
廃線・廃駅・無人駅化……と鉄道自体が苦しい状況にあるだろうし、
コストの問題もあるから、仕方ない面もあるのだけども、
駅スタンプのような「なくても困らないけどあると、うれしい」ものが
減っていくとしたら、淋しいことだ。
 
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1:アンソロジー『X’mas Stories: 一年でいちばん奇跡が起きる日』

2025-01-15 14:06:24 | 25 本の感想
アンソロジー『X’mas Stories: 一年でいちばん奇跡が起きる日』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
もう枕元にサンタは来ないけど、
この物語がクリスマスをもっと特別な一日にしてくれる――。
六人の人気作家が腕を競って描いた六つの奇跡。
自分がこの世に誕生した日を意識し続けるOL、
イブに何の期待も抱いていない司法浪人生、
そして、華やいだ東京の街にタイムスリップしてしまった武士……!
ささやかな贈り物に、自分へのご褒美に。
冬の夜に煌めくクリスマス・アンソロジー。
 
****************************************
 
先輩に借りた本。
収録作品は以下の通り。
 
朝井リョウ「逆算」
あさのあつこ「きみに伝えたくて」
伊坂幸太郎「一人では無理がある」
恩田陸「柊と太陽」
白河三兎「子の心、サンタ知らず」
三浦しをん「荒野の果てに」
 
「クリスマス」という言葉や表紙から受ける
ロマンチックな要素はほとんどなし。
かなり好き嫌いの分かれる話が多いように思う。
 
「柊と太陽」「荒野の果てに」が面白かった。
「逆算」「一人では無理がある」は、好みではないけれでも、
上手いと感じる安定感がある。
そして既読の本で「合わないな」と感じた作家さんの作品は、
短編でもやっぱり合わない。
 
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