金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

大河ドラマ「光る君へ」♯41

2024-10-27 20:12:39 | 大河ドラマ「光る君へ」

三条天皇は我が強くて扱いにくいし、

妻とその息子からの「出世させて」圧は強いし、

なんか疲れちゃった様子の道長。

敦康親王の件で、娘にも不信感持たれちゃったし、

ずっと自分のファンで有利になるように動いてくれてた

行成くんからも苦言を呈される。

さらに三条天皇との駆け引きのために

明子の息子の出世の話を断ったら、

息子は無断で電撃出家。

明子さま激おこで、アグレッシブ明子の再来。

伊周と違い、明子さまの呪詛はちゃんと効果あるよ~!!

来週あたり、道長がまひろに

「俺にはお前しかいない」って言い出すのかしら。

 

清少納言、敦康親王の使者として彰子さまサロンに乗り込んできて

喧嘩を売って立ち去る。

まひろの感想は、

「得意気な顔をしたひどい方になってしまった」。

ここから紫式部日記の悪口が生まれた、というストーリーなのね。

まひろは本当には、ききょうの悲しみも無念も

わかってはいないのだよな。

 

【その他いろいろ】

・敦康親王、御簾の中にまで入り込むのはさすがにあかん……。

 「光る君のようなことはいたしませぬ」と口にしてるあたり、

 ちゃんとそういう行為だとわかってやってるのだ。

 道長の危機感もわからなくはないよ。

 

・行成くん、道長からの「俺に説教するのか」の脅しにも屈せず、

 「そっちがおかしい」と返すの、偉い。

 

・娘が恋してるっぽい男に道長を重ねてみているまひろ。

 しかし、賢子ちゃん、貧乏を体験してるんだから、

 よその男に「いつでも食べにいらっしゃい」はダメだよ。

 じいちゃんの任期が明けたらまた貧乏に逆戻りだよ!

 

・すけこさま、大人だなあ。

 きよこが息子を誘惑してるのに、息子のほうを叱責。

 相手が権力者の娘だから、波風立てないように息子が悪いことにして

 「帝に知られたらまずいことなのだ」と釘をさしてる。

 

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秋のおいしいもの(その1)

2024-10-26 17:17:57 | おでかけの記

夏の間、暑さのあまり外出を我慢して家でずっと仕事していたため、

その反動で、秋になってから外食三昧。

 

おいしかったから来年もまた食べるための記録&

新規開拓の店のメモ。

桃と無花果のタルト&桃のアイスティー@カフェコムサ

豪華すぎるホテルアフタヌーンティーセット(一部)

さつまいものタルト&ホットコーヒー@カフェコムサ

栗のパウンドケーキ&ラテ@スタバ(紙コップのは試飲)

カプチーノ@近所に新しくできたカフェ

カプチーノ@プレストコーヒー

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223:『文字の博覧会―旅して集めた"みんぱく"中西コレクション』

2024-10-24 10:52:32 | 24 本の感想
『文字の博覧会―旅して集めた"みんぱく"中西コレクション』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
人類にとって最大の発明のひとつとされる文字。
その奥深さに魅せられた中西亮(あきら)氏は
世界でも稀有な文字ハンターとして多くの文字資料の収集をしました。
本書では、“みんぱく"こと国立民族学博物館に収められた
「中西コレクション」を中心に世界の様々な文字の魅力に迫ります。
 
****************************************
 
Amazonのレビューでも指摘されているけれども、
デザインの問題で、ひどく読みにくい&わかりにくい。
内容自体は興味深く、数ページだけ読むつもりが
ほとんど一気読みしてしまったくらいなのだけれども。
 
中西亮氏、全然知らない方なのだけれども、
印刷会社の社長で研究者ではなかったのね。
印刷に携わっているから文字に興味をもってコレクションし、
言語学の本を作るのに必要な文字も会社として作っていたのだとか。
 
数式みたいな文字とか、視力検査の記号みたいな文字とか、
私の中にあった「文字」のイメージから外れたような文字も
たくさんあって、本当に面白い。
 
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大河ドラマ「光る君へ」♯40

2024-10-20 20:49:41 | 大河ドラマ「光る君へ」

彰子さま、帝とラブラブになって本当によかったね……

と思ってたら、案の定、今回は一条天皇の崩御。

病臥してる帝に聞こえるところで、今後を占わせるな~!!

 

帝の意志を無視した道長の振る舞いに、彰子さま激オコ。

一条天皇の辞世の歌を、確か行成は

定子さまを思ってのものだと解釈して書き残していたはずだけど、

ドラマではそれに触れず、一条天皇は彰子さまを求めて死去。

 

【その他いろいろ】

・和泉式部「罪のない恋などつまりませんわ」

 赤染衛門「同意」

 衛門先生、ほんと大人だよ。

 いつも、誰かを悪者にしないよう、場の空気を壊さないよう、振る舞ってる。

 

・道綱、東宮(三条天皇)と離れたかったんだ……。

 一条天皇の譲位に嬉しさを隠しきれない三条天皇。

 こうやって彼の心証を悪くしておくことで、

 道長のイジメを正当化していくのだろうか。

 

・三条天皇「私は今の帝とは違うゆえ、左大臣の言いなりにはならぬ」。

 実際にそのポジションに立つまでは、現実を知らず、

 「自分なら~できる」って思ってるものだよね。

 

・行成、一応帝の意志に添いたいとは思ってるんだな。

 でも、ちゃんと帝の説得にあたってる。

 

・きよ子、めちゃ神経ず太いし、ズバズバ言うね。好きだよ。

 娘のあけっぴろげな物言いに、さすがの道長も動揺してる。

 

・昔のまひろと直秀を思わせるような、

 市中での「賢子meets若い庶民の男」。

 「人としてどうなの?」という事件を起こしても復帰できるあたり、

 芸能界って思ったより甘いのね~。

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213~222:小玉ユキ『青の花 器の森〈1〉~〈10〉』

2024-10-20 17:21:01 | 24 本の感想
小玉ユキ『青の花 器の森〈1〉~〈10〉』
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
長崎・波佐見を舞台に始まる、器と恋の物語

波佐見焼きの窯で絵付けの仕事をしている青子。
その窯に、海外で作陶していたという龍生がやってきた。
無愛想で人を寄せ付けない龍生に「絵付けされた器に興味ない」と言われ、
自分の生き方まで否定された気持ちの青子だが、
反発しながらも龍生の器に惹かれていき…?
器に魅せられた男女が出会ったことで、大人の恋が動き出す--!
 
****************************************
 
2年前に1・2巻を読み(→当時の感想)、
「題材はものすごく好みなのに、相手役の男のキャラが嫌い」
という理由で3巻以降に手が伸びなかったのだけれども、
わけあって読むことになった。
当時と変わらず、
「どんなつらい過去があろうが、どんなにイケメンであろうが、
 全くの他人に対して失礼な態度を取るやつはダメ!」
と思っているし、デレたところで印象がプラスにはならなかった。
でも、ヒロインと彼が互いに惹かれあっていくのはわかるんだよね。
外見とか性格も影響しないわけじゃないけれども、
何よりクリエイター同士の才能の引力、化学反応みたいなものが起こす感動が
恋愛につながっていく。
 
7巻までは非常に楽しく読んだ。
8巻でヒロインが「別れる」と言い出して、ちょっと白けちゃった。
ストーリーとして、付き合い始めた後も「困難乗り越えるべき困難」を
設定しなきゃいけないのも、
このトラブルによって二人が過去を乗り越えたという成果が
もたらされたのも、理解はできる。
でも、
「どうせヨリ戻すのに、作劇の都合でそういうこと言い出すなや……」
と思っちゃうんだな。
ヒロインがそうするに至った理由も、
過去のエピソードとして前もって描かれてるから、上手に処理はされていたんだけど。
この「別れる」エピソードがなかったら、もっと好み度は高くなってた。
 
余談だけども、「才能や能力」と恋愛感情のリンクは、
理解できない人もいるみたい。
というのも、ある過去の朝ドラをサブスクで見ていたとき、
「今まで恋愛感情みたいなのが全然描かれてなかったのに、
 急に結婚とか好きだとか言い出して唐突すぎる」
みたいな感想をいっぱい見かけたから。
いや、(確かにあんまり出来のいいドラマではなかったけど)、
互いの才能のきらめきに惹きつけられてるのは
かなりエピソードを積み重ねて丁寧に描かれてたじゃん!?
感情の動きというのも割と記号化されていて、
「相手のかっこよさにドキッ」
「優しくされてドキッ」
みたいな場面がないと、視聴者や読者に恋愛感情として受け取ってもらえないのかも……
 
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大河ドラマ「光る君へ」♯39

2024-10-14 12:02:07 | 大河ドラマ「光る君へ」

伊周「俺が何をした……」

視聴者「妹へ産め産めハラスメント、道長暗殺未遂、しつこく呪詛!」

テレビの前で総ツッコミをされたことだろう。

伊周が被害者だったの、途中までだったからね!!

 

そんなわけで、伊周&惟規がダブルで退場、

一条天皇の体調不良も描かれて、退場ラッシュになりそうな最近。

あと10話もないんだな。

スピード展開してるのに終わりに近づいている感じがしないのは、

源平合戦や戦国時代と違って、

私の中に平安時代の時間軸が確立されていないからなのかもしれない。

道長がどういう人生をたどったか知っていても、

他の人物の人生や事件をふまえた横軸が自分の中にないから、

ゴールが見えないのだ。

紫式部なんか没年も確定していないので、ますます終わりが見えない。

 

【その他いろいろ】

・賢子がようやくまひろに寄り添うものの、

 そうなるための代償が大きすぎた……

 

・一条天皇、ヒゲ化

 

・道長、賢子が娘って気づいてなかったの??

 

・敦康親王、大人バージョンになったのにみずらだから、

 彼が彰子を慕う状況のやばさに説得力が出てる。

 放置しちゃいかんのがビジュアルでよくわかる。

 

・三条天皇に入内することになった彰子の妹、

 不満を言いたい気持ちはわかるよ……。

 いくらイケメンでもおっさんより若い夫がいいだろうし、

 相手に昔から大事にしている子だくさんの奥さんがいるのもしんどいよね。

 息子のほうにロックオンしてる??

 あれは何??

 

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映画:『チャチャ』

2024-10-12 14:24:28 | 映画の感想
2024年の映画⑩『チャチャ』(酒井麻衣 監督)
★★★★☆
 
【公式サイトのあらすじ】
 
野良猫系女子の予測不能な恋の顛末とは!?
 
チャチャは、“人目を気にせず、好きなように生きる”をモットーに
自由気ままな日々を送る。
ある時、屋上で偶然出逢った樂に興味を持ち、
「お互いに好きなものは正反対だけど、2人いたら丁度いい」
とチャチャは次第に惹かれていくが・・・。
 
********************************
 
公開初日に、映画館にて。
若い女の子向けの映画かと思っていたんだけども、
一人で見に来ているおじいさん・おじさんもいた。
 
※以下、ネタバレ注意
 
 
 
 
 
 
事前に「途中でジャンルが変わる」「えぐいことになる」という
コメントを見ていたので、そこまでの驚きはなかったのだけども、
「これは相当好き嫌いが分かれそうだな~!!」
というのが見終わった直後の印象。
さまざまなジャンルの作品が融合、というより、
パッチワークみたいに混じり合わずに隣り合っている感じ。
シリアス展開にコメディみたいな会話が続いたり、
急に花とか電柱が語り始めたりするので、
「そういう作りの映画なのね」と受け止められない人は
怒り出すかもしれない。
 
見終わった直後は★3かな~と思っていたのだけども、
一日経ってから思い出すと、★4。
後でこの映画のことを思い出し反芻すると、
「序盤でチャチャ自身が言っていたように、樂もまた、
 懐いてきた野良猫を気まぐれに可愛がっていただけで
 ずっと一緒にいたいとは願っていなかったし、
 彼の中の孤独や空虚さも埋まらなかった」
「他者の心の中を見ることはできないし、
 理解することもできない」
ということがひしひしと感じられて、身にしみた。
 
恋愛ものにしては驚くほど早く、
ヒロインのチャチャが相手に恋をして一緒に住み始めるのだけれども、
陰気で無気力であっても、おいしいごはん作ってくれて、
世話してくれて、ビジュアルは中川大志くんだからね。
アプローチに慣れた「腕に覚え有り」な女の子なら話は早い。
でも、アプローチはチャチャからで、
そして、ずっと優しく世話をしてくれていても、
最初から最後まで樂はチャチャに恋をしてはいないし、
他の人に心が向いている。
決して鈍感ではないチャチャはそのことに気づいているから、
秘密に気づいてもすぐには尋ねることができない。
この一方通行の恋のやるせなさ、残酷さ……。
 
樂は弱さを抱えつつも、明らかに普通から逸脱した思考の持ち主で、
中川くんの役としては珍しい感じ。
ヒモ役の塩野くんのキャラも、かなり面白くて
出番は多くないのに印象的だった。
そして伊藤万理華さん、この映画で初めて知った方なのだけども、
あざとくて、同性に嫌われて、でもその傷つき具合が共感を呼ぶ、
難しい役を違和感なく演じていたと思う。
 
出てくるアイテムも含め、映像がとってもキュート。
 
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おでかけの記:再びの岡崎市

2024-10-09 19:38:14 | おでかけの記

半年以上ずっと携わっている仕事のため、

なんだか頭の中が煮こごりのようになっている。

ちょっとだけ気分転換したい! というときは

市内に出かけるのだけども、

今回は市内では「転換」が足りない感じ。

そんなわけで、岡崎市に行ってみることに。

前回行ったとき、街の中を乙川が流れている風景が、

なんとなく金沢を思い起こさせたし、

岡崎公園の藤棚もいいムードだったから、

川べりの道をのんびり散歩でもしようと思って。

前回は裏側の写真しかなかった駅のペデストリアンデッキの家康。

今回は反対側から撮ってみた。

めっちゃきれいになってる!と驚いた前回だったけど、

デッキの下は昔の駅であった……。

 

駅の南側。

スイングモールという商業施設があったけれども、

テナントはちょっと寂しい感じ。

あいかわらず不気味だぜ、ゆるキャラのオカザえもん……

 

食べたいものはここには特になかったので、

駅の南口から出てすぐのところにある

「すずや」という地元では結構有名らしきサンドイッチ屋で昼食を買う。

 

駅について10分ほど。

実は、もうこの時点ですっかり気分はダウン。

岡崎が悪いのではない。

時期が悪かった。

めちゃくちゃ蒸し暑い……!!

散歩なんか、たった5分でもしたくない気候!!

よくよく記事を見直してみたら、前回10月末に「暑い」と書いている。

10月上旬が暑いのは当たり前だったのだ……

 

しかしながら、ここで帰ってしまっては時間と労力の無駄

(「コンコルドの誤り」だとわかっていても、抜け出せないこの思考……)。

バスに乗り遅れたので、やむなく歩いて図書館へ。

初めて行く街ではたいてい図書館に行くのだけど、

ハイキングに来た前回は、ルートから外れていたため、

立ち寄れなかったのだった。

暑くなければ最高な川べりの道。

犬市場、近くまで見に行かなかったけど、

ペット用品の店が出ていた模様。

図書館はきれいでした。

読みたい本がなかったのと、館内も暑かったのとで、早々に退散。

岡崎公園は結構賑わっていたけれど、やっぱり暑いので、通り抜けしただけ。

夜になっても暑かった。

よかったのは、駅近くのコワーキングスペース。

3時間で550円。

うるさい客は早々にいなくなったし、

川が見えるカウンター席は開放感があって、

2時間、がっつり集中して仕事できた!!

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212:林真理子『綴る女』

2024-10-07 18:46:02 | 24 本の感想
林真理子『綴る女』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
『櫂』『陽暉楼』に『天璋院篤姫』。
逆境を生き抜く女性を描き、一世を風靡した国民的作家・宮尾登美子。
実父との軋轢、二人の母への想い、壮絶な満洲の記憶に、
借金に苦しんだ下積み時代。
作品世界に惚れ込み、先輩作家としても慕い続けた著者が、
その波瀾万丈な一生を新たな視点で辿る。〈解説〉綿矢りさ
 
****************************************
 
先輩から借りた本。
 
確かに、本人が公表していることだけを書いたり、
本人にとっていいことだけを取り上げたりしたら、
他者が伝記を書く意味はないと思うのだが……
本人が盛って話していたこと、隠していたことを暴くのは、
暴露本と何が違うんだろうと思ってしまう。
そう思ってしまうのは、亡くなってそこまで時間が経っておらず、
「歴史上の人物」になる前だから?
文豪なんかの私信を、本人の許可もなく勝手に研究書や全集に載せるのも
個人的にはよろしくないと思っている。
 
宮尾登美子自身の体験を反映した作品群を読んでいた人にとっては、
衝撃的な内容であった様子。
私は、宮尾登美子作品はよく映像化されている、
ということくらいは知っていたけれども、
読んだのは『平家物語』(途中で挫折)と『東福門院和子の涙』のみ。
そこまでの思い入れがなかったので、
この評伝も「ふーん」で終わる部分が多かったのだけど、
宮尾作品に興味を持つきっかけにはなった。
 
解説の綿矢りさの文章が現代的でポップすぎて、ミスマッチな印象を受ける。
でも、
「景気が良かったころの文壇を知らない世代から見た、宮尾登美子の作家人生」
という意味では、ふさわしい人選だったのかもしれない。
 
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映画:『碁盤斬り』(再視聴)

2024-10-07 18:43:04 | 映画の感想
2024年の映画⑨『碁盤斬り』(白石和彌 監督)
 
【シネマトゥデイのあらすじ】
 
いわれのない嫌疑をかけられて藩を離れ、
亡き妻の忘れ形見である一人娘・お絹(清原果耶)と共に
貧乏長屋で暮らす浪人・柳田格之進(草なぎ剛)。
落ちぶれても武士の誇りを捨てず、
趣味の囲碁にもその実直な人柄が表れており、
うそ偽りない勝負を心掛けていた。
しかし、あるきっかけから隠されていた真実が明らかになり、
格之進は娘のために命懸けの復讐を誓う。
 
********************************
 
アマプラに入ったので、再視聴。
4月の映画館で見たときと、評価は変わらず(→以前のレビュー)。
 
前半の変わっていく國村隼のヒロイン感(笑)、
草彅くんの己に厳しい寡黙な武士ぶり、
斎藤工のクズっぷりは相変わらずよかった。
 
しかし、2回目に見るといっそう、
「ストーリーの都合」を感じてしまうな……。
盗んでいないのに、疑いをかけられたこと自体が不名誉だとして
切腹しようとしたり、盗ってもいない五十両を用立てようとしたり。
このあたりは元の落語がそうなっているから仕方ないものの、
現代の価値観とのギャップを埋めるようなアレンジがほしかった。
 
逆に、1回目に見たときには都合良く感じた
キョンキョン演じるお庚さんが「約束破られたけど、約束自体を忘れたふりした」ところは、
理解できる気がした。
廓に売られて父親を恨んで生きてきたからこそ、
約束を守ろうとした格之進と汚れないお絹ちゃんを
そのまま守りたかったんだね。
そして、「こいつのせいで自分は遊女に身を落としたかもしれない」という相手と
結婚したお絹ちゃんの気持ちもわからなくはないよ……。
恋模様の描き方が足りないからこその唐突感はあるけど、
たとえ好意が失せていても、五十両のせいで大変なストレスを抱えた後で
大店の跡取りとの結婚ははねつけられないでしょ。
どんなに誇り高い武士の娘であっても。
父親に再就職の望みはないうえに、相手にはこちらに対する引け目がある。
頼りないが善良な男だし、しっかり者の自分ならコントロール可能、という算段も
ゼロではなかったはず……
 
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