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★★★☆☆
『後宮小説』の著者が、12年かけて連載していたという
古代中国を舞台にしたサイキック・アクション。
孔子と、「一を聞いて十を知る」と評された最愛の弟子・顔回が、
政敵たちと「儒」の能力をもって戦う。
「話がおもしろすぎて打ち切りにできなかった」という話が
『文学賞メッタ斬り!』にありました。
政治的野心を持った孔子、敵の首を刎ねちゃう孔子、
聖人君子じゃない孔子像がおもしろい。
今はまだ孔子周辺の政治的なトラブルと素性の話に終始していて、
当時の呪術的集団や儀式、孔子の生涯にまつわる説明が
頻繁に出てくるため、ややうんざりしてしまうのだけれど、
話の前提なのでがんばって読む。
子路や子貢という名前を知っている人物が出てくると
なにやらうれしい。
どうやらヒロインとなるらしい、願回に恋して
子どもながら押しかけ女房しているも大変可愛い。
おっとりしている願回のキャラクターは、わたしの好みに吉と出るか
凶と出るか、まだ判断がつかないところ。
まだ様子見、ということで1巻は★3つ。
「論語」も、思想的な面はさておいて、きちんと読めば
実在の人物の言行録としてはかなり面白そう。
中学・高校の教科書で一部読んだだけだけれど、
孔子の弟子たちに対する人物評や弟子とのやり取りには
当時から興味大でした。