金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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現在、記事の整理中。

276:酒見賢一『陋巷に在り〈5〉』

2006-12-25 14:48:14 | 06 本の感想
酒見賢一『陋巷に在り〈5〉妨の巻』(新潮社)
★★★★☆

孔子から命じられて死者として費城へ向かった公治長は、
何者かの情報操作によって費城における孔子への信頼と
長年にわたる工作の成果が崩壊していることを知る。
一方、鏡の術の力は強大化し、ヨに扇動された雑人溜りの連中のため
魯の城内には不穏な空気が流れはじめていた。
様子のおかしいを見張っていた五六も、
恋ゆえに媚術に付け入られ、妖女となったの僕と化していた。

これでもか!これでもか!と不幸に見舞われる公治長。
犯罪者の汚名を着せられて投獄され、
孔子のために力をつかって衰弱し、
今度は費城の牢に入れられてしまいました。
政治にかかりきりになっている孔子への不満は
ところどころにさしはさまれるのだけれど、
孔子を侮辱されて激昂し、死して事態の転換を図ろうかと考える
公治長の姿勢はよくわからないわー。
孔子ったら思いやりに欠けるしさー、
公治長がまっさきに愛想つかしてもおかしくないんじゃ……。

子路は将軍として費城へ向かうことになり、ウッキウキ。
景伯の前で頭の悪さを露呈しているところはおもしろいが、
個人的には戦争のやり取りに興味を感じないので
次巻は退屈してしまいそうだ。
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275:酒見賢一『陋巷に在り〈4〉』

2006-12-25 14:13:07 | 06 本の感想
酒見賢一『陋巷に在り〈4〉徒の巻』(新潮社)
★★★★★

師であった顔穆の死に様に、自らの存在意義を揺るがされた
五六は顔回の警護を放棄して街を彷徨する。
彷徨の途中、と出会った五六だが、
は子蓉に与えられた鏡によってあやつられ、
別人のようになまめかしくなって、男を誘っていた。
正気に戻ったから、このところ記憶を失うことが多いと
聞かされた五六はを守ることにする。
一方、少正卯は顔氏の本拠地である尼丘を訪れていた。

説明的でおもしろくないなあと思っていた1・2巻の
陽虎にまつわるあれこれだけれども、
費城のエピソードのためだったのかしら。
子路・子貢のキャラクターも確立し、いい味出している。
五六・・顔回の三角関係フラグに期待大
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274:酒見賢一『陋巷に在り〈3〉』

2006-12-25 13:50:07 | 06 本の感想
酒見賢一『陋巷に在り (3)』(新潮社)
★★★★★

おもしろい!!
1巻で挫折してしまった人には、2・3巻まで我慢して読むことを
おすすめします!

少正卯の塾の偵察に赴いた伯牛は悪悦の術で病み衰え、
子貢は子蓉の媚術に骨抜きにされてしまう。
帰ってこない子貢を連れ戻しに行った顔回は子蓉と対決、
子蓉に惹かれながらもの髪のおかげで媚術を破る。
顔回に愛憎半ばする気持ちを抱く子蓉は、
髪の持ち主を探して顔儒たちの前に姿を現し……。

子蓉の悲しみ、子蓉と顔回の関係も見所のひとつではあったのだけど、
なにより顔穆対子蓉の対決で明かされる顔穆の過去と恋、
最後の行動に思わず涙が……
一巻から名前の出ていた孔子の母・徴在は今後物語の展開に大きく
関わってくる様子。
気になってしょうがなく、借りてきていた5冊、
一気読みしてしまいました……

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273:寺田克也・穂村弘 『課長』

2006-12-25 13:23:52 | 06 本の感想
寺田克也・穂村弘『課長』(ヒヨコ舎)
★★☆☆☆

イラストレーター・寺田克也と歌人・穂村弘のコラボ絵本。
穂村弘の名前で検索かけて借りてきたのですが、
いったいどんな本だかまったく知らなかったので、
最初目を通したときは「なんじゃこりゃ!」。
あとがきで、寺田氏の絵に穂村氏が勝手に文章をつけるという
試みだったことがわかり、それなりに意味を見出せたのだけど……
寺田克也ファンは読まれたし。
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