金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

2006年版 年末のひとり遊び。

2006-12-31 18:27:49 | 1年のまとめ
わたくしも昨日でようやく仕事おさめでした。
今日は夜の来客にそなえて、荒れ果てた部屋をせっせとお掃除。
ひと段落ついたので(というか、あきらめたので)、
今年読んだ本のジャンル別ベスト3を決めるという
自分ひとりだけが楽しい作業をやってみました。
文学的な価値だとかレベルだとかはまったく関係なく、
単純にわたしの好み度ランキングです。
仕事のために読んだ本をのぞくと、今年読んだのは282冊。
でも強く印象に残ってるものって、それほどないものだなあ。

【一般小説】

①酒見賢一『後宮小説
②角田光代『対岸の彼女
③金城一紀『レヴォリューション NO.3
④宮城谷昌光『孟嘗君』(全5巻)
⑤筒井康隆『七瀬ふたたび

いきなりベスト5になってしまいました。
3位で迷って……印象としては③~⑤あたりが同位。
酒見賢一『陋巷に在り』シリーズを入れたいところなのだけど
最終巻まで読んでいないのと、読後しばらくしても
印象が薄れないかどうかわからないので保留。

【児童書】
 
①バーネット『秘密の花園
②薫くみこ『十二歳の合言葉
③伊藤たかみ『ミカ!

いま魔性の男(アマゾン)に会いにいったら、
十二歳シリーズの4巻が出ていた! 買わねば!

【随筆】

①穂村弘『世界音痴
②大橋鎮子『すてきなあなたに
③武田泰淳『目まいのする散歩

インパクトで言ったら断然『世界音痴』。
途中で結婚したことがわかったわけだけれども、
作家の結婚にあんなにショックを受けたことはない。

【その他】

①上野誠『万葉体感紀行
②文学散策の会『文豪の愛した東京山の手
③山形孝夫『図説 聖書物語 旧約篇

「こんな本を読んで、いったい何をしようとしているのだ?」
と思っている人もいると思うけれども、何もしようとしておりません。
新書もたくさん読んだけど、仕事では好きな本ではなく
使える本をさがすので、たいていおもしろくない。

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以上、年末のひとり遊びでした。
ご訪問くださっているみなさま、今年もお世話になりました。
まだしばらくは本の感想中心で更新の予定ですが、
来年もどうぞよろしくお願いいたします
コメント (2)
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282:酒見賢一 『陋巷に在り〈10〉』

2006-12-31 12:32:55 | 06 本の感想
酒見賢一『陋巷に在り〈10〉命の巻』(新潮社)
★★★★★

医鶃をともない魯城に帰った顔回は、
蠱術におかされた伯牛のもとを訪れる。
医鶃は体内の蠱を取り出す治療を開始するが、
宋から帰還した孔子の巫儒追放の命により治療を阻まれる。
一方、蠱術から解放され、衰弱した体の療養につとめるだが、
尼丘に禍を持ち込む余所者として顔一族からの風当たりは強かった。
太長老に危機を救われたは彼の自宅に招かれ、
孔子の母である徴在の話を聞くことになる。
優秀な巫であり季女であった徴在は、誰にも嫁がないまま
家のために生涯を終えるはずであったが、
尼山の神から三年後に子を産むと神託を受けることになった。

元気で負けん気の強いが帰ってきて、安心!
今まで秘されていた徴在の出奔と孔子誕生の経緯も明かされはじめ、
處父のもとには悪悦の魔手が忍び寄る。
孔子の政治的な立場にも翳りが見え始め、気になる話が目白押し。
許されない婚姻を貫こうとする徴在に頼まれ、
恋敵である男を守ろうとする顔穆にホロリ。
顔穆は死の間際まで徴在を忘れることができなかったのに、
徴在は天命という好意よりはるかに大きなものを抱えていて、
その天命の前では、顔穆なんて
吹けば飛ぶような存在だったのだなあと思うとせつない。

最初は13巻もある……と思っていたけど、残り3巻しかない。
なんだか読むのがもったいない。

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281:酒見賢一 『陋巷に在り〈9〉』

2006-12-31 11:56:51 | 06 本の感想
酒見賢一『陋巷に在り〈9〉眩の巻』(新潮社)
★★★★☆

とともに子蓉をも冥界から連れ戻そうとする顔回は、
子蓉の示す奇策を実行するが、結果的に彼女を失うことになる。
一方、魯城にある孔子は、成城毀壊を実行しようとしない處父に
煩わされていた。
理想を実現するためには三城の毀壊が不可欠と考える孔子は、
自らが忌み嫌う手段を選ぶことになる。

割と早い段階で鏡蠱に憑かれてしまったせいか、
の印象が薄くなってしまっている。
ただ救出されるべき存在として動かされているような。
顔回があれこれ奔走しているのも責任感のためだけって感じで
理由がなんだか弱く思えてしまう。
願回が子蓉と惹かれあってやまないのはわかるのだけれど、
に対する感情が明確に描かれないので、
一連の騒動が解決したというのになんだかもやもや。

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