金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

77:川上健一 「アソンレンセ」

2008-08-17 12:23:53 | 08 本の感想
川上健一「アソンレンセ(祭り囃子の記憶 第三話)」
(小説すばる4月号)
★★★☆☆

お世話になりました(-人-)
ってことで、本じゃないけど更新。

郡上八幡を舞台にしたオムニバス形式の物語の第三話。
不定期連載らしく、続きがあるのかどうかも謎です。
今回は、中学三年生の男の子3人組が初恋について
話し合う中、そのうちの一人・省吾が、
小学生のときに訪れた一瞬の初恋と失恋を語る回想のお話。
シチュエーションや女の子のタイプが
『翼はいつまでも』に似ていて、
これが作者のときめきパターンなのかしら……と思いました。
この人の描く男の子は素直で可愛いね!
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76:伊坂幸太郎 『陽気なギャングが地球を回す』

2008-08-16 19:13:49 | 08 本の感想
伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』(詳伝社)
★★★★☆

たまっている感想を書くのが面倒になってきたので
軽く。

映画にもなってましたね~。
知人の男の子がおもしろかったと言っていたのと、
CREAの読書特集でインタビューが載っていたのとで
読んでみました。
直前に「あ、あれだな」と気づく伏線回収だったので
驚きはないのだけど、爽快愉快なストーリーを楽しめました。

映画版のキャストは、大沢たかお(成瀬)、松田翔太(久遠)、
鈴木京香(雪子)、佐藤浩市(響野)。
佐藤浩市が成瀬だと思ってた……!
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75:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈22〉特別長篇 迷路』

2008-08-16 19:00:00 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈22〉特別長篇 迷路』(文春文庫)
★★★☆☆

平蔵配下の与力が暗殺され、平蔵自身も襲われた。
役宅の下僕、長男辰蔵、娘の嫁ぎ先まで狙われ、
すすまぬ捜査に平蔵は職を解かれそうになる。
卑劣な手段で平蔵を苦しめようとする賊の胸には
若き日の遺恨があった。

平蔵の追い詰められぶりは今までにないものだけど、
ストーリー自体に特に目新しさはなし。
読んでるときは楽しいんだけど。
23巻?の小柳の再婚のところが読みたくて
残りを読みすすめているところなのです。
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74:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈21〉』

2008-08-16 18:33:47 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈21〉』(文春文庫)
★★★☆☆

弱みを握られた同心が道を踏み外す「春の淡雪」、
細川と忠吾がそれぞれに吹っかけた喧嘩が
事件へつながる「泣き男」「麻布一本松」と、
マンネリ突入。」
数日経ってから感想を書こうとすると
まるで内容が思い出せないくらい
同心の酒井は登場回数が多いわりに
一度もスポットライトをあてられておらず、
いまいちキャラクターがわかりません。
「麻布一本松」で忠吾をからかっていたのが
ちょっと意外でした。
テレビ版の勝野洋の生真面目な顔の印象が強いので。
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73:銀色夏生 『ばらとおむつ』

2008-08-16 18:16:26 | 08 本の感想
銀色夏生『ばらとおむつ』(角川文庫)
★★★☆☆

しげちゃんが脳梗塞で入院したのをきっかけに
再びつづられ始めた家族の日常。
つれづれノートの続編といった雰囲気。
つれづれノートは好きだったけれど、後半は
イカくんやカンチに対する鬱憤みたいなものにあてられて、
楽しむより気の重くなることのほうが多かった。
離婚したのに加えて、カンチが大きくなったためなのか、
今回は楽しく読めました。
(しかし、セッセのメールの部分はほとんど読んでない)

銀色さんとカンチの会話は親子じゃなくて、
大人同士って感じ。
お父さんについての話のところとか。
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72:山田詠美 『無銭優雅』

2008-08-10 17:50:54 | 08 本の感想
山田詠美『無銭優雅』(幻冬社)
★★★★☆

友人と花屋を共同経営する慈雨と、
妻に首吊り自殺をされたという塾講師の栄。
四十代の男女の恋と、それを引き立てる
死のエッセンス。
冒頭の不謹慎な会話の内容が、
後半の現実に反映されていく構成になっている。
系統としては「チューイングガム」や「ラビット病」と
同じカテゴリーに属するんでしょうか。
ラブラブバカップルな二人、みたいな。
詠美ワールドの、「粋なわたしたち」と「それ以外」という
価値観が、鼻につかないわけではないのだけど、
それを差し引いても、全力で恋愛を肯定する姿勢は
デビュー以来一貫していて、見事なほど。
恋愛を前面に押し出した小説は他にほとんど読まないし、
「恋愛小説で何か一冊」と言われたらきっと
山田詠美作品のいずれかを選ぶことになるんだろうなあ。

ユーモアを多分にふくんだ脇役たちとのやり取りも○。
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71:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈20〉』

2008-08-03 10:31:27 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈20〉』(文春文庫)
★★★★☆

「おしま金三郎」では、命を狙われている小柳を救うべく、
元同心の松波が登場。
盗賊一味を一網打尽にするため、情報提供をした女賊と
情を通じ、それが明るみに出て放逐された松波は、
またもやその女賊のために振り回されることになる。
鬼平ワールドの女性観が凝縮された一遍。

「寺尾の治兵衛」では、なんと「剣客商売」の
秋山小兵衛の名前が出てきて思わずにやり
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70:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈19〉』

2008-08-02 22:01:09 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈19〉』(文春文庫)
★★★☆☆

「妙義の團右衛門」では、密偵・馬蕗の利平治が
悲しい最期をとげ、なんとも後味が悪い。
しかし、平蔵に呼ばれ酒の相手をしている沢田に
忠吾が嫉妬し、どさくさにまぎれて
「あいつ、飯の御相手までも……」
などとあいつ呼ばわりしていたのに笑う。

逃げた先妻と、後妻の間で揺れる浪人・藤田の悩みが
意外にも捕り物につながっていく「逃げた妻」と
「雪の果て」は続き物。
後妻にしてみればたまったもんじゃないですね。
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