金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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79:池波正太郎 『鬼平犯科帳〈23〉特別長篇 炎の色』

2008-08-23 21:07:30 | 08 本の感想
池波正太郎『鬼平犯科帳〈23〉特別長篇 炎の色』(文春文庫)
★★★★☆

かつて長谷川家で中間をしていた久助が、
平蔵を訪れる。
父・宣雄の隠し子である異母妹・お園の存在を
久助から知らされ、呆気にとられる平蔵。
そのお園がなにやら難儀していると聞き、
彼女の住む根津へ足を運ぶことになる。

お園初登場の「隠し子」と、
長編「炎の色」の二本立て。

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「炎の色」は、女賊・お夏におまさ、お園の
女性三人にスポットライトをあてていて、
シリーズ中ではやや異色。
「隠し子」で平蔵の役宅へ引き取られ、
出生の秘密を知らされないまま
女中として働き始めるお園。
彼女の小柳に対する恋心に気づく平蔵だが、
小柳はお園に対してまったく関心がないのであった。

……と思ったら、ラストでいきなり小柳が平蔵に
お園と結婚したいと言うじゃないか!!
(いや、はっきり言えずにもごもごしてるんだけど……)
中盤の過程を知りたいのに~!!

お園を捕り物に引き込んだり、彼女との連絡役に
さりげなく小柳をあててるのは、
平蔵のお膳立てですね、きっと。
「立てと言ったら立て」とか言って
下女をとっ捕まえるお園が、小柳に対しては
乙女になっちゃうところにムフフ
コメント
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