牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

三世紀に亘り問屋を営む升本総本店の徒然を毎日更新!!商品情報からビアガーデン・試飲等イベント情報、酒文化経済・書評等々!

「クラテル」って、御存知でしたか?

2008-10-14 12:04:18 | 酒の本棚(書評?)
スポーツの秋、芸術の秋。

大平雅巳(2008):西洋陶磁入門、岩波新書(新赤版1117)、岩波書店、196p.

こんな本です。

内容は、古代・中世から17,18世紀まで、時代、地域の異なる16の作品(群)-例えば「オランダのデルフト陶器」など-を選び、それぞれの陶磁器やその成立・普及等の背景を物語として綴ったものとなっています。

それぞれの物語は独立して読めるようになっていますが、前書きではそれらの大まかな(歴史的・地理的)つながりにもふれられており、全体を有機的に結びつけています。

紙も真っ白の上質紙を使っておりカラー写真もとても美しい!!


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で、やはり視点は、

お酒がらみの写真です。

この写真は、森鴎外がドレスデン滞在中に迎えた誕生日のパーティーでザクセンの軍事総監から贈られたビアジョッキ。

また、一見、何かな?と思われる金魚鉢のようなのは

これ。

フランスのファイアンス(錫白釉陶器)。
代表的な意匠である魚介類を施した、ワイン・クーラーです。

磁器には手の届かない人々の「白いやきもの」への欲求を満たした陶器として17-18世紀に多く生産されたとのこと。




さて、読んでいて、お酒の情報として「ふーん」と感心したのが、

これ

よく見る感じのギリシャ陶器です。
20数年前にアテネに行ったときも、「歴史お土産」として、こうした意匠のものが多く売っていました。

なんとなく、シュンポシオン(饗宴)でお酒を入れるものなのだろうなぁ、と思っていたのですが、「クラテル」という立派な名前がついているとのこと。

その「物語」を読んで驚いたのが、この使い方。

これは「混酒器」とも訳されるようで、その字のごとく、当時の習慣である、ワインを水やお湯で割って飲むためのものだそうです。
(ちなみに、ワインをストレートで飲むのは無作法とみなされていたそうです)

比率は、、、、ワイン対水が1:2とか1:3とか、どうもワインの方が少ないようで、「中には、年代物のワインを20倍に薄めて飲んだという記録もあるそうですから、、、」と、とんでもない比率もあったようです。

その比率、シュンポシオン(饗宴)で都度選ばれる進行役が決めたそうです。
鍋奉行、みたいなものでしょうか。。。。。



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