なでしこジャパンのロンドン五輪最終予選5連戦の2試合目の韓国戦が行われ、2対1で勝利しました。しかし、内容的には快勝とは言えない出来でした。
序盤は、日本が圧倒的に押し込んで、何度も惜しいプレーをし、最後はセットプレーから阪口がヘッドで決めて先制しました。ここまでは完全に日本ペースで、何点入れて勝つかな、なんて思っていました。
ところが、です。前半中盤に熊谷が足を滑らせて、マイボールを奪われ、ディフェンスラインを破られるアクシデントで同点弾を決められると、ペースは完全に韓国に移りました。
前半ロスタイムに、澤⇒川澄⇒大野の個人技・粘りで1点を入れて、何とかその流れを鎮火してくれるかと思いましたが、後半になっても流れは変わらず、若い韓国のプレッシャーに防戦一方の日本は、ほとんど見せ場がないまま、何とか逃げ切ったというところです。
苦しい局面でも、逃げ切って勝つという「結果」を出すことは、非常に重要なことですが、残る3試合を勝ち抜けていくためには、今日の内容を十分に再検討してほしいものです。
私のような素人から見ても、今日のなでしこジャパンは低調な出来でした。W杯では、自陣ゴール前で攻め込まれた状態からでも、細かいパスをつないでいくパスサッカーが、「女子版バルセロナ」と称されましたが、今日はその華麗なパスワークはまったく見られませんでした。それどころか、出足の鋭い韓国のプレッシャーに苦し紛れに蹴り出したり、パスミスをしてみすみす相手にボールを渡す場面が目立ちました。
解説者の清水さんは、一列目の飛び出しに二列目が付いていってないというバランスの悪さを指摘していましたが、本当の問題は、その原因が何かですね。W杯以来の疲れや調整不足なのか、第一戦で主力を温存したことが裏目に出たのか、若手主体に日本のようなパスサッカーを志向する韓国のレベルがあがったのか、いずれにせよ、その辺りを修正して、しっかり次の試合に臨んでほしいですね。W杯に勝ち、国民栄誉賞をもらい、ここが正念場です。