今日の新聞のスポーツ欄に以下のような記事が出ていました。
「2004年の高校総体の男子バスケットボールで優勝した福岡第一のセネガル人留学生が年齢を4歳9か月若く偽って出場したとして、04年の優勝と05年の3位の成績を抹消し、04年の優勝は、2位の北陸高を繰り上げる見込み」
内容はちょっと違いますが、今日閉幕した世界陸上でハンマー投げの室伏広治が金メダルを獲得しました。36歳での世界陸上金メダルは最年長だとか。アテネ五輪で金メダルを獲得しましたが、この時は優勝したアヌシュ選手のドーピング違反が発覚して、後日の繰り上げ優勝でした。ちなみに5位に終わった北京五輪でも、2位・3位の選手がドーピング違反で失格となり、銅メダルに繰り上げと発表されたものの、スポーツ仲裁裁判所で処分が取り消され、結局5位に終わるというドタバタがありました。
今回ようやく後日の繰り上げではなく、正真正銘、誰よりも高い台に上ることが出来ました。本当に良かったと思います。決められたルールの中で勝負するのがスポーツです。バレーボールやバスケットボールも、柔道やボクシング、レスリングなどの体重別のように、身長別などにしろと言いたくなりますが、仕方がありません。それがルールだからです。
ルールの枠内で勝つ。それがスポーツです。筋トレをしてプロテインを飲むことや、低酸素ルームのような最新のトレーニング機器を使用することは違反ではありません。留学生を入れることや、特待生もルール違反ではありません。しかし、勝つことが目的化し、ルールの枠内なら何をしてもいいだろうという発想を推し進めていくと、ドーピング違反や、留学生の年齢詐称問題などが出てくるのではないかと思います。
室伏選手も筋トレなどはあまりせず、体幹を鍛えるトレーニングなどを中心にしているそうです。現中日監督の落合さんも選手時代、野球に必要な筋肉は野球でしか身に付かないと、筋トレなどはしなかったそうです。
きれいごとかもしれませんが、鍛え抜かれたアスリートたちが、ルールの範囲内で、自分の力の限界を追求した結果としての勝ちや負けに、観るものは感動するのではないかと思います。かつて繰り上げで金メダルを得た室伏選手も、今回7年も前の2位が優勝に繰り上げられる北陸高(あるいは、成績を抹消される福岡第一)の選手たちも、心底喜ぶことは出来ないでしょう。本当にスポーツの原点に返ってほしいですね。