7年前の今時分、田中将大投手のヤンキースとの契約が報じられましたが(「160億円。」)、昨日その田中投手の楽天復帰が決まりました。7年前は、7年160億円という巨額契約でしたが、今回はその時とはまったく逆の状況で、日本復帰が決まったということのようです。
以前にも書きましたが、最近のメジャーリーグは、データ重視の傾向が強まり、個々の選手の成績や個性よりも、いかに効率的に勝てるかを追求するようになりました。同じ実力だったら年俸の少ない選手を獲得するのは当然ですが、実力ははるかに勝っていても、年俸が高すぎる選手が敬遠されるようになり、いかに年俸(コスト)が低くて結果(パフォーマンス)が出せる選手を揃えるかを追求するようになってきています。そこにこのコロナ禍です。日本以上に状況が深刻なアメリカでは、試合数もはるかに少なく球団経営を直撃しています。今回FAとなった田中投手には、ヤンキースとの正式な交渉すらなく、キャッシュマンGMはこのオフの補強で「1人の値段で2人の補強ができた」とすら語っています。これではスポーツというより完全なビジネスです。
翻って、日本球界がどうかと言えば、球団経営は赤字であるにもかかわらず、親会社がその赤字を補填するというビジネスとしては完全に破綻していることや、収入に見合っていない、自分たちの過分な年俸を当然と思っている選手たちにいかがなものかと思う点は多々ありますが、それでも、まだ野球がスポーツとして感動を与え、ドラマが期待できる要素があると思います。田中投手自身、まさに7年前にそれを体現しています。近代野球では前代未聞の24勝0敗でレギュラーシーズンを終え、日本シリーズでは6戦目でまさかの敗戦を喫した翌日の最終戦の最後を締めて、日本一という大団円を達成しました。
震災直後の東北、日本に勇気を与える活躍でした。そして、今年は、あの震災から10年です。あの時のことは、このブログでも書いていますが、誰もが一生涯忘れることが出来ない衝撃的な災害でした。その10年の節目の年に、また田中投手が日本に帰ってきて、どんな活躍を見せてくれるのか、楽天ファンのみならず、誰しもワクワクしてしまいます。1年後、2年後に、またメジャーに戻ってしまうかもしれませんが、それでも少しでもマー君の勇姿を見ていたいというのがファンの思いでしょう。また、ひとつ日本球界に新たな風を吹き込んでほしいと思います。
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