今日行われた大阪国際女子マラソンは、コロナ禍のため、国際でもありませんでしたし、街中を走らず、2.8kmの周回コースを15周する異例の大会でした。また、日本新記録を狙う、東京オリンピック代表の前田穂南選手と一山麻緒選手には、川内優輝選手ら3人の男子選手がペースメーカーに付くなど、こちらも日本では初めての試みでした。
前田選手は年末に若干体調を崩したということもありやや心配な面がありましたが、一山選手はスピード練習にも磨きをかけ、記録が出やすいと言われる周回コースだったこともあり、大いに期待がもたれました。
1km3分18秒という日本記録ペースで順調にレースは進みましたが、やはり万全でなかったのか、13km過ぎで前田選手が遅れはじめました。順調だった一山選手も、20km過ぎから3分22秒から23秒くらいにペースが落ち、終盤はさらにペースが落ち、残念ながら日本記録には届かず、2時間21分11秒の大会新(コースは異なるものの)で優勝しました。前田選手も、ペースメーカーの一人について粘り、2時間23分30秒の自己ベストで2位となりました。
五輪代表を決めるMGCで競争が促進され、停滞していた日本マラソン界も復活の兆しが見えはじめましたが、やはり高橋尚子選手、野口みづき選手はすごかったのだと、改めて思います。
日本記録の推移を見てみると、
1998年 名古屋国際女子 高橋尚子 2時間25分48秒
1998年 アジア大会 高橋尚子 2時間21分47秒
2001年 ベルリン 高橋尚子 2時間19分46秒
2004年 ベルリン 渋井陽子 2時間19分41秒
2005年 ベルリン 野口みづき 2時間19分12秒
高橋尚子選手の登場で、日本の女子マラソンの世界は大きく変わりました。もちろん、その前も有森選手のメダル獲得もありましたが、高橋選手の登場で本当に世界のトップに立ちました。2000年のシドニーオリンピックに先立つ灼熱のバンコクアジア大会で、当時の世界歴代5位の日本新記録を出した時には、日本の女子マラソンが新しい次元に入ったことを感じさせました。そして、高橋尚子に続き野口みづきがオリンピックを連覇した時が日本女子マラソンのピークでした。
その野口が出した日本記録は、15年破られていません。ここを破ってようやく日本女子マラソンの次のステージが開けるのだと思います。一山選手なのか、前田選手なのか、松田選手なのか、あるいは別な誰かなのか分かりませんが、何とか次の扉をこじ開けてほしいですね。
今月のジョグ
115km 5:57/km
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