昨日、スポーツニュースで江川卓さんが60歳を迎えたのを記念して、特集を組んでいました。35年以上前のことで、だいぶ世間の記憶から薄れていますが、「空白の一日」を抜きに江川卓を語るわけにはいきません。その再現ドラマを見終えた後には、思い切り泣いていました。当時、ヒール役よろしくクールに受け答えしていましたが、内実は大変なプレッシャーを受け、数字で納得させるしかないと、家族も犠牲にしてやっていたことが今更ながら分かりました。
自分で選びとってしまった道とはいえ、何と大変な道だったのかと思います。そんな誰もが敵のような状況の中、「最初にキャッチボールを一緒にやろうと言ってくれたのが、西本でした」と、江川さんが言っていました。
江川と西本と言えば、言わずと知れたライバル関係です(「ライバル」)。しかし、世間で思われていたような、険悪な関係ではなく、むしろ仲は良かったようです。もちろん、親友というのとは違うでしょうが、お互い認め合う間柄だったのでしょう。だからこそ、お互いに切磋琢磨し、高め合うことが出来たのだと思います。江川の135勝、西本の165勝は、それほどすごい記録ではないかもしれませんが、浪人で全盛期の1年を棒に振り、入団後も前代未聞の大事件が尾をひく中での135勝、ドラフト外で入団し、大した速球もない中で、高く足をあげるフォームを作り上げ、伝家の宝刀シュートを磨きあげて手にした165勝、これは200勝にも値するものだと思います。これもいいライバル関係のなせるわざではないかと思います。
王さんと長嶋さんも同じような幸福なライバル関係だと思いますが、そんな幸運に恵まれる選手やファンはどれだけいるのでしょうね。
例えば、松坂大輔と上原浩治。甲子園での数々の伝説をひっさげてプロ入りした松坂大輔と、浪人して大体大に入学し少しずつ頭角を現し「雑草魂」を信条とした上原浩治。メジャー入りの経緯でも、巨額の入札金額と契約金が動いた松坂と、プロとしてのピークを越えたように見えた頃にメジャー挑戦をした上原では、注目度はまったく違いました。それが、今。
松坂はメジャー挑戦を終えて日本に戻ってきましたが、まったく一線に復帰する気配がありません。いろいろ周囲もやかましくなってきました。肩の調子もさることながら、胸を反り返ったフォームから繰り出される球はキレもなく、かなり心配な感じです。平成の怪物はどうなるのでしょうね。
一方の上原浩治は、メジャーでも最初は苦労続きでしたが、松坂が最初所属したレッドソックスでチャンスを掴むと、抑えの地位を自ら獲得し、ワールドチャンピオンまで上り詰めました。そして、松坂よりもはるかに年上の40歳の今もメジャーの第一線です。まさに、雑草魂です。ライバルの明暗ですね。
そして、これも何度も書いていますが、斎藤佑樹と田中将大も一時はライバルと目されましたが、もはやライバルなんて呼ぶのか恥ずかしいほどの差があります。二人がライバルだったのは、高校時代のほんの一瞬ですね。
現在で、ライバルとなりうるのは、大谷翔平と藤浪晋太郎でしょうかね。藤浪もがんばっていますが、大谷が半歩リードし始めた感じかもしれません。二人とも背が高い速球派とタイプが似ていますが、今後、二人が良きライバルとなっていくには、何か違いをを見出し、伸ばしていくことが必要かもしれませんね。
今、メキメキとスターダムに登ろうとしているベイスターズ筒香、ライオンズ森などにも、切磋琢磨できrライバルが出てくるといいですね。それが、本人たちのレベルアップにもつながりますし、それを見るファンも幸福ですよね。
出でよ、スター。そして、ライバル。
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