町田市野津田に新東京百景、日本の歴史公園100選に選定、東京都指定名勝に指定されている「薬師池公園」の西方に「野津田薬師堂」はある。薬師池から梅林の脇の赤い奉納幟が建ち並ぶ急こう配の参道=石段を上って行くと正面奥にいかにも重厚感溢れる入母屋造りの「薬師堂」(明治16年=1883再建)が建っている。天平年間(729~749)に行基が開基、元亀4年(1576)に僧興満が再興し「福王寺薬師堂」と称した。先に訪れた「華厳院」は別当を務めた。本尊は薬師如来である。脇仏には右に日光菩薩様、左に月光菩薩様、さらに右側と左側に6人ずつの神様、全部で15体の仏像が祀られている。当薬師堂は「武相寅薬師」の札所であり12年に一度開扉が行われ、狩野信矩筆の堂内天井絵を見ることができる。参道脇に天蓋のように枝葉を広げる聳える「大イチョウ」(町田市名木百選)が今、黄金色に色づき境内は晩秋の彩りとなっている。(1811)






