相模原市南区麻溝に四季の花で彩られ市民の憩いの場となっている「麻溝公園」はある。センター広場から花の谷にかけて作られているスロープの内側にニホンズイセンと思われる「スイセン=水仙」が可愛らしい上品な白い花をつけ咲き始めている。スイセンは雪の中でも春の訪れを告げるので「雪中花」とも呼ばれる。開花時期は12月中から翌4月中迄。早咲きは正月前頃に咲き出すものもある。スイセンはスイセン属、ヒガンバナ科の属のひとつでニホンズイセンやラッパスイセンなどがある。色や形の異なる種や品種が多くありこの属に含まれるものを総称して「スイセン」と呼ぶ。スイセンは多年草で冬から春にかけて白や黄の花を咲かせる。花姿も蕾をつけ出すと横向きに、やがて蕾を覆っていた包を破って開花。6枚の花弁と筒状の花びら他の花とは異なる独特の花姿に魅力がある。スイセンの花言葉は「思い出、記念」、「持って生まれた素質」 である。「初雪や水仙の葉のたはむまで」と松尾芭蕉も詠んでいる。(1812)
藤沢市西富に鎮座する時宗総本山「遊行寺=清浄光寺」の「惣門」より「いろは坂」を上がる中程の左側に遊行寺の塔頭の筆頭格の「登龍山眞浄院」はある。創建は本山の遊行寺とほぼ同じ正中2年(1325)である。本尊は阿弥陀如来。真浄院は住職を本山役僧が務め、講中の宿泊所である。歴代上人が法燈をつぎ本山に入山する時や遊行から帰ってきた際に当院で宿泊されていた。ものものしい鉄格子のような「表門」を潜ると「山門」があり、登龍山の山号を掲げる「山門」を抜けると白漆喰の塀の正面に彫刻が施された色鮮やかな「本堂」がある。本堂前面の斗供、勾配、虹梁の精緻な装飾は見事である。左柱には「福寿聖観音」、右柱には「毘沙門天」札が掛けられている。(1812)
時宗総本山「遊行寺」の「本堂」脇のやや細い道を上っていくと浄瑠璃で名高い「小栗判官」と「照手姫」ゆかりの寺で「小栗堂」と言われている「長生院」はある。応永29年(1422)常陸小栗の城主「判官満重」は足利持氏の攻めにより落城、その子「判官助重」が家臣11人と三河に逃げ延びる途中にここ藤沢で横山太郎に毒殺されかけた時、妓女「照手」が「助重」一行を逃がし「遊行上人」に助けられたことでゆかりが深い。その後に「助重」は家名を再興し「照手」を妻にした。助重の死後に「照手」は長生尼として助重と家臣11人の墓を守り続けここ「長生院」で余生を送ったとされている。「小栗堂」裏手の「墓所」を訪ねてみると「小栗判官の墓」、「照手姫の墓」と「小栗判官眼洗いの池」があり、その脇に名馬「鬼鹿毛の墓」までもがある。(1812)