相模原市南区新戸に建長寺末寺で曹洞宗寺院「萬年山長松禅寺」はある。足利氏満が開基となり室町時代に創建、本尊は薬師如来である。当寺には市最古(重要文化財)の足利氏満が書いた「寄進状」が保存されている。「山門」を抜けると正面に宝方造りの屋根を持つ「本堂」、左手「鐘楼」、その一角にはいろんな表情の「羅漢像」が幾体も置かれている。山門前に「おびんずるさん」と「六地蔵」が祀られている。江戸時代に当寺は「寺子屋」を開くなど教育の場であった。「山門」、「庫裡」の前は多くの樹木が植栽されており2月は梅の花、春は桜、初冬のいま境内は「カエデ」、「落葉樹」の終焉の紅葉で彩られている。(2012)
町田市野津田町に「新東京百景」、「日本の歴史公園100選」、「東京都指定名勝」に選定・指定されている「薬師池公園」はある。昭和51年(1976)開園、面積は141,654㎡。公園の中心部にはシンボルの「薬師池」があり外国の様な美しい景観を創り出している。当園には江戸時代の「旧永井家住宅」と「旧荻野家住宅」2棟の古民家が移築復元されている。国の重要文化財指定の「旧永井家住宅」は多摩丘陵で代々農家を営んでいた家屋で17世紀末頃の建設と推定される住宅である。都内では最古の建物(住宅)で「寄棟造」、「茅葺」である。正面に土庇、土間側面に突出部を設け屋根を葺いている。屋内平面は「広間型三間取り」で下手を土間、床上には「ヒロマ(広間)」、「デイ(板敷)」、「ヘヤ(部屋)」の構成となっている。古の暮らしぶり、生活の匂いが感じられる建物(住宅)の周囲はカエデ、ハゼ、落葉樹の紅葉で彩られていた。(2012)
座間市入谷に日蓮宗の寺院古刹の「休息山円教寺」はある。700年の寺歴を誇る。日蓮上人が文永2年(1271)龍の口法難の後に厚木の依知郷に赴く途中で鈴木弥太郎貞勝の屋敷で休息された。当寺は日蓮に帰依した貞勝が「円教坊」と改めたことが起源である。建治2年(1275)貞勝は自邸屋敷を献上して寺の建立を発願、日蓮上人が開山、円教坊が開基となり「円教寺」を創建した。本尊は十界曼荼羅二軸、釈迦像2体。この寺には市の重文財の佐々木掛け「鐙」が保存されている。「山門」を潜ると境内正面に入り母屋づくりの「本堂」、「鐘楼」、「祖師堂」(現在修復中)、そして境内外に番神水湧水がある「三十番神堂」、そして当寺から300m先に大き立派な日蓮上人立像が円教寺を見下ろすように建てられている「法華塚」がある。(2011)