私事で恐縮だが退院50日にして妻の障害を実感している。
高次脳機能障害の中の「失語症」だとの事であったから、これを踏まえて彼女を傷つけないようにと気を付けて会話をしている。
ところが、年末からお正月にかけての料理作りの中で、失語症ばかりではないことを強く感じさせる事件が起きた。
一週間ほど前には「焼きそば」を作っていたが、食べてみると全く味がついていない。
大晦日の「年越しそば」に「海老の天婦羅」を入れてもらおうと、わざわざ「海老」を購入していたのだが、この「海老」は天婦羅にはならず、ただ焼かれて夕食に顔を出した。
「年越しそば」は、「天婦羅そば」が「素そば」になって出てくるなと思っていたら、なんと「煮そば」になって登場した。
煮詰まって食えたものではない。さすがに妻に断って処分をした。
さてお正月の朝、御雑煮造りの段になってから、彼女は考え込んでしまっている。
準備の段取りができないでいる。急きょ出汁の代わりに「永谷園の松茸の味・お吸い物」を使って、「具を入れたら」と提案してみた。
それでも、何を入れるかが判らないらしい。「ほうれん草・だし巻き卵・紅白かまぼこ」を準備させた。
敷き大根とか人参とかは省略である。ここまで手配すればOKだろうと台所から離れた。
お取り寄せの「おせち料理」を挟み、さて御雑煮をいただこうと思ったら、なんと肝心のお餅が入っていない。
私はあわてて、お餅を焼きこれを入れて何とか体裁を整えて、あわただしいお正月の食膳となった。
「レシピ障害」というべき障害を改めて感じ、こちらは「失語症」より厄介だと実感している。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます