九三一
百三
一奉公人有附一紙之覺
但、前年十二月より翌十二月朔日迄相勤居申候者共、
何百何拾人之内何人御侍衆取立之若黨、何拾人御家中
抱幷在御家人、若狭守様・宇土御家中諸方支配浪人陪
臣何十何人、熊本幷在寺社共何十何人、熊本御町在町
と一紙之書付十二月朔日ニ、奉公人受込之小頭仕出候
て、私共中富・人置所え當上ヶ仁人置所案文を以仕出
申候
九三二
百四
一増奉公人名付帳
但、去ル辰ノ年より年内柄出被仰付候ニ付、十一月之
時分より十二月初迄之間ニ調出申候、尤此帳面前々は
二月柄出之節仕出來申候ニ付、新規ニては無御座候
九三三
百五
一増奉公人根居帳
但、奉公人村名抱主之名書出申候
九三四
百六
一諸方抱方ニ成候者共、病死缺落構吟味達帳
但、何之何某抱何村何某、何月病死、何之何某抱何月
より取立若黨何村何某、何月幾日ニ缺落、何之何某抱
取立若黨、或小者或下人等之様子、壹人限之小前帳、
十二月朔日仕出、人置所え直當ニて差出申候
九三五
百七
一一切諸抱方、追々在中え引込候者小前帳
但、何拾何人之内壹人は何之何某より何月暇を取、何
村之何某と申者若黨ニ被取立、何之何某名苗字刀取揚
ニ成、在人畜ニ成候者壹人、何之何某より御暇を取、
何村何某當時御百姓史候壹人、何某より何日暇を取、
何村何某當時在中へ引込、為渡世何稼仕候、殘何拾何
人在中作り子奉公ニ有付候者共、壹人前之小前銘納書
つらね、十二月朔日御惣庄屋仕出、御郡代衆中え當、
人置所へ當上仕候
九三六
百八
一増奉公人之内、主人より望柄御惣庄屋取継分割渡之願書
十二月増奉公人柄出之節差出申候
九三七
百九
一同半途ニ病死仕候跡柄差出候様ニとの儀ニ付、跡柄出候
者、直ニ右之主人え被遣被下候様ニと願書差出候様、人
置所より御差圖ニ付、村庄屋仕出ニて御惣庄屋共肩書中
印を用、人置所當上ニて差出申候
九三八
百十
一在中寺社幷御家人・在町出小屋暇之差出
一根落奉公人、過怠柄割付之願書差出候様ニと、案文相
渡申候
右は近年段々ニ仕法相改、帳書付増方ニ相成申候事
九三九
百十一
一在御家人・寺社方在中抱之奉公人、二月二日暇差出取揃、
請込之小頭奉公人召連、人置所へ柄拂仕候
但、暇達之書付人置所へ達候節、其奉公人共も人置所
へ罷出柄拂仕、殊之外迷惑仕候、尤遠在内暇達ニ人
柄を差出候儀、人置所へ断申達候得は、達書迄ニて相
濟候處も有之、區々ニ相見申候
[上ノ付札]「此儀、在御家人・寺社方と申ヶ條より以下五ヶ
條、當時ニては強て煩敷事も相見へ不申候ニ付、各
別不及達候事」
九四〇
百十二
一御家中奉公人、二月暇差出持参ニて人置所へ柄拂仕候得
は、當年奉公仕候哉と尋御座候ニ付、奉公仕候と申達候
得は、直ニ御定之給銀ニて割付ニ相成申候、且又奉公不
仕引込候と申達候得は、左候ハヽ在所へ引取、高を請持
農業仕との趣、書付を以相願、御郡代衆御中印を取相達
候様ニ、當春より新規ニ立候事
九四一
百十三
一奉公人之内、主人親類之内抔ニ加勢と申様成儀ニても御
座候哉、向々え遣被置候儀御座候て露顕仕候は、其奉公
人を為過怠給銀四拾目ニて、翌春地奉公ニ割付ニ相成申
候
此儀は何そ奉公人迄の誤ニても無御座候得共、甚迷惑
仕候儀ニ御座候
九四二
百十四
一質奉公身代銀・一年奉公給銀立方之事
但、近来人置所御取立ニ相成、却て取計之筋繁雑ニ御
座候、前は請状無之分は取計ニ掛り不被申處ニ、近年
間ニは請状なくも同前ニ相成、下女給ニ至迄小頭共へ
内意之筋も御座候
[上ノ付札]「此儀被及御吟味候處、人置所より申達之趣有
之、貼付紙之通ニ候事」
[下ノ付札]「本行之趣吟味仕候處、惣而立銀之儀、主人より
取立方願書人置所へ差出被申候節、請状を添相達被
申候得は、請状書面之趣右願書ニ引合、相違之儀も
無之候得は、右之請状は人置所へ納置、立銀取立之
儀及達申儀ニ御座候、受状無シ取立之儀決て不仕筈
御座候、勿論下女給之儀、内證願迚も受合可申様無
之、小頭共へ内意等之筋可申談様無御座候
一右立銀取立願之節、受状は為證據人置所へ取置、立
方相濟候上主人ニ差返し申儀ニ御座候、右は人置所
ニて取計筋ニて御座候處、受状無しニも同前ニ相成
候と申儀何方より承傳、本行之通相達申候哉、役間
之取計筋、御惣庄屋共存可申譯は無之儀歟と奉存
候、右之通受状無シ取立等之儀、及達候儀ハ決て無
御座候、已上」
九四三
百十五
一小頭壹人年中人置所受答ニ附置候、間ニは小頭貮人も差
出申候
右之通人置所御仕法追々手數多相成困窮仕候、別て増奉
公之儀、年内柄出被仰付候ては、居續之ものは及月迫
主人も手支、新柄は大切成ル時分稼を止、數日懸り御
割付相濟申迄之間出入仕候、失墜旁殊之外迷惑仕候、
前々は正月末比より二月初比迄柄出被仰付、御割渡ニ
相成濟來申候儀ニ御座候、只今之通ニては極々及難澁
申儀ニ御座候間、何とそ年々御取計之變化不仕、手安
ク相成候様ニ被仰付被下度奉存候
但、奉公人之儀、何村何某を被召抱度段届之方多、
人置所へ相達候得は、私共方へ申談有之候様ニと差
圖有之様子ニて、私共段々取遣御座候、皆濟目録最
中之儀ニて、此取計甚受答迷惑仕候間、望柄之儀、人
置所迄之御取計ニて相濟候様ニ被仰付被下度奉存候