太宰府幕末記: 五卿と志士のものがたり | |
西日本新聞社 |
幕末福岡藩の勤王党は大弾圧を受け、家老の加藤司書らは切腹、その他多くの人たちが流刑その他の処分を受けた。
野村望東尼などもその一人だが、そんな中に私と姓を同じくする福岡藩士がいる。
つながりは良くわからないが、わが先祖は豊前時代母方の同氏姓をなのり、今日に至っている。
そういうことも有り、幕末期の福岡藩にはいささかの興味を持っている。
望東尼との関りもありそうだが、熊本の事で手いっぱいで福岡の史料を詳しく勉強するに至っていない。
佐幕派にとってかわった福岡藩では、大宰府に流された五卿を江戸に送ることを考えたらしい。
これに待ったをかけたのが、西郷隆盛だとされる。明治新政府が樹立されると、佐幕派でしめられた福岡藩は全く取り残されてしまう。
おまけに偽札を大量に作ったことも災いした。
熊本藩が維新の波に乗り遅れたというが、福岡のそれは話にならないほどである。
大宰府は「明治維新の策源地」だともいわれる。この本は大宰府天満宮文化研究所の渾身の上梓である。
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内容説明
激動の幕末、維新の策源地となった太宰府を舞台に、歴史に名を刻む当事者たちが残した手紙や和歌などに隠された数々の物語を繙きます。
目次
第1章 延寿王院と大鳥居信全(延寿王院―天満宮と朝廷の深いつながり;西高辻(大鳥居)信全像―五卿を受け入れた宮司 ほか)
第2章 五卿遷座前の太宰府―七卿落ち(和魂漢才碑―勤王の志士たちの大和心が結集;三条実万書状―真木和泉の建策について ほか)
第3章 長州藩をめぐる福岡藩と薩摩藩の動き(勤王の志士たちの和歌・漢詩―月形洗蔵に贈る;西郷隆盛書状―「筑薩一致」の夢破れる ほか)
第4章 太宰府での五卿(天満宮境内絵図―五卿がみた天満宮の風景;五卿図―延寿王院での五卿 ほか)
第5章 大政奉還―五卿の帰京(三条実美像―信全へ贈った形見の肖像画;短刀銘「村正」―天神さまへ捧げた剣と和歌 ほか)
関連資料
出版社内容情報
西郷隆盛、坂本龍馬、桂小五郎が集い、明治維新の策源地となった福岡・太宰府。天満宮に残る貴重な資料で歴史の転換期を振り返る。明治維新は福岡・太宰府で始まった! 尊王攘夷の鍵を握る三条実美ら五人の公家に会うために、西郷隆盛や坂本龍馬、桂小五郎らが太宰府を訪れ、薩長連合に向けた交渉が図られた。天満宮に残る貴重な資料で、歴史の転換期を振り返る。知られざる郷土史、再発見。
・七卿が長州に逃れる姿を描いた「七卿都落之図」
・勤王の母野村望東尼が描いた「五卿図」
・西郷隆盛が福岡藩士月形洗蔵に宛てた書状
・高杉晋作が家族に宛てた書状
・五卿が滞在のお礼に贈った短刀銘「村正」
・五卿が天神さまへの感謝を詠んだ和歌
など貴重な資料を収録した、太宰府天満宮宝物殿収蔵品集です。
太宰府天満宮文化研究所 編集