津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■組頭心得

2020-04-16 08:42:56 | 随想

 随分前のことだが、御先祖様が「組頭」の職にあったと仰る方から、その職務が如何なるものだろうかとの質問をいただいたことが有った。
今般「熊本縣史料・中世編Ⅱ」に「組頭心得寫」というものを見出し、ようやく回答申し上げることができる事となった。

6組の「御備組」は最前線で戦闘員として働く、その1組の構成が上記の図である。同様に殿様にそばにあってお守する「御側組」、又留守の御城を守る「御留守居組」で構成されている。
番頭の下に12組600人のお番方が付属し、組頭は約50人程の小隊を率いていることが判る。

       家老等            十二人    廿二人   六百人・十二組
        ○備頭------+--番頭------組頭-----番方
            | 五十人                 千百八拾餘人
            +--鉄炮頭----小頭------------------足軽
            | 十四人
            +--副頭
            | 二人                  四百三十人・十二組
            +--長柄頭---------------------------足軽
            | 六人 又小荷駄奉行トモ云フ
            +--物奉行


その「組頭心得」が以下のようなものである。但し、平時における「組頭」の職務についてはいまだ資料を見出さない。

                                                                                                                                                                                                                     



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■県立図書館、閉館延長

2020-03-13 14:31:07 | 随想

 予期してはいたことだが、県立図書館の閉館が今月いっぱい延長となった。しかし月が替わって開館という保証もない。
史談会の例会前に読みたい本や手に入れたい史料があったのだが、駄目になってしまった。
別に今日が「13日の金曜日」だからという訳ではないが・・・運がない。

こういう状況は熊本大地震後長く続いたが、二度目だから慣れるというものでもなく、大いに困っている。
唯一、熊本大学図書館が開いているが、最近自転車の乗るのがつらくなって出かけるのが億劫である。
公共交通機関やタクシーも怖いし、単独行動が一番安全なのだが、自動車の免許も失効させたし、歩くには少々距離があるし身動きが付かない。
フラストレーションが蓄積するばかりである。唯一Amazonや日本の古本屋から書籍を取り寄せるのみである。
ある方が「本は3,000円を超えると高いな~と感じて手が出ない」と仰っていたが、欲しいなーと思う本は、郵送料を入れると3,000円をゆうに超える。
年金暮らしの爺としては、奥方の目が大いに怖い。ブックオフにでも出かけてなんでもいいから安い本を手に入れようかと思っているのだが、・・・・



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■平らか成らず

2019-04-01 08:29:30 | 随想

 「平成」という元号には、新しい時代に対する希望のようなものが込められていた。

    「内らかに外る」「地らかに天る」は、結果としてとてもそう為ったとは思えない。

特に天変地異の渦中に巻き込まれて難儀な時期を過ごしたし、この30年余は私自身も我が家も多難なことがうちつづいた。
本当に新しい時代は「永々たる平安」が続いてほしいと願うばかりである。
私は「永安」なんてアリかなと安直に思ったりしているが、手元の文春文庫の「元号・年号から読み解く日本史」を眺めていると、「永安」は16回も候補に上り、全て没になったとある。笑ってしまう・・・

                        元号 年号から読み解く日本史 文春新書 / 所功 〔新書〕
あと数時間、発表が待たれるところだが、世の中はまさに新しい時代を祝うかのように桜が咲き誇っている。

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■帰りは本屋

2018-01-20 16:04:33 | 随想

 今日は史談会の例会、二時間近くおしゃべりをして少々疲れる。
食事後熊本城長塀前の道(川を挟んでの対岸)を歩く。あたたかくて上着を小脇に抱えバス停にむかうが、途中上通の本屋さんへ・・・
郷土関係の本のコーナーで熊日新書の新刊(2017.12.28)の「熊本城の被災修理と細川忠利」を見懸けて即購入。
熊本大地震で熊本城が大被害を受けた中で、熊本城の歴史上のいろいろな被害や修復に関わるデーターを元に、時を得て上梓された佳書である。じっくりと読んでみたいと思っている。

                        

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■知らなかった「一本竹町」

2015-04-23 07:16:10 | 随想

 熊本に於いては侍が住んでいたところには町名がなかった。水道町周辺にあった旧町名、被分町・明円寺町・比丘尼町・一本竹町・黒鍬町・桜井町・長安寺町など明治に至って付けられたものである。いずれも下級武士の住まいがあったところである。いまでは何れも正式には使用されていない。
先に黒鍬衆の事を書いたが、黒鍬町の今一つ北の通りを一本竹町といったらしい。私はまったく知らなかった。
我々が史談会の会合で使う熊本市中央公民館の前を、三号線を越えて直進する道である。(但し水道町交差点から北進して左折する一方通行の細い道である)
何でこのような名称となったのか、いろいろ資料を眺めているが現況全く分からない。
神風連の乱に知事・安岡良亮を殺害した高津運記が、事前に友人某宅に母親と愛娘を呼出して、任地人吉の青井阿蘇神社に帰る旨をつたえ永の暇を告げている。
その友人宅が一本竹町にあったという。

この通りは切米取りや長柄衆などが多いのだが、現在の上通りに出た四つ角には中級武士の屋敷が連なっている。その某氏のお宅が何所にあったのかは判らない。
まっすぐ抜けると現在は千葉城橋からNHKの前を通って美術館分館の脇をへて熊本城へと至っている。

又一つ宿題が出来たが、この一本竹町の由来についてご存知の方はご教示給われば幸いである。 

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おしゃべりな喪主

2010-03-30 09:03:57 | 随想
 娘婿の祖父にあたる人が亡くなった。正式には祖母の連れ合いである。喪主であるこの祖母殿は、娘婿の母親の実姉というややこしい関係である。つまり姉が妹を養女にしているわけである。祖父なる人は多彩な病歴を持ち、ガンを患っての生涯であったが享年82歳であったから、祖母殿にいわせると、「よう長生きした、天寿じゃ」ということになる。二三度しかお目にかかっていなかったが、お通夜・お葬式に参列した。お通夜の席で一言お悔やみをと思い声を懸けると、速射砲の如きおしゃべりが始まった。ご亭主の病歴から臨終までが時系列で詳細に、それも口を挟む間もないほどの速さで語られる。娘からきいていた「おしゃべりおばあちゃん」が喪主殿で有ることを忘れていた。和室の式場で膝が悪い喪主殿は椅子に腰掛けていたが、妻の「お膝がご不自由のようで」の一言を聞くや否や、今度は主題がそちらに移りとうとうとその予防策についての講義が始まった。まわりの人たちは、喪主殿のおしゃべりについてはとっくにご承知らしく、時折被害者たる我々の方を眺めてくる。お気の毒にといった感じである。一歳二ヶ月の孫(祖母殿から玄孫)が会場を走り回り、参列者に体当たりしていく。笑い声が上がり祖母殿の話が一瞬途切れた。ここぞとばかりに挨拶をして席を離れた。孫の頭をなぜたのは、さよならの挨拶と共に感謝の気持ちを添えてである。祖母殿は二つ三つ作られている話の輪から取り残されて、淋しい喪主の顔に戻っていた。
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「使われることのない鍵」

2010-03-08 22:05:56 | 随想
 ’88年版・ベストエッセイ集「思いがけない涙」の中にあるエッセイである。エッセイスト内田英世氏の筆になるものだが、これは今は壊されてないご実家のものだ。ご母堂が一人お住まいになっておられた。

 私も母の形見の鍵を二本守っている。母が使っていた箪笥の鍵である。タンスと書くより箪笥が似合う古いもので、多分東京から帰る時に持ち帰ったものである。昭和28年の大水害で完全に水没したこの箪笥は、出し入れにも困るようにがたがたになったが、母はこれを使いつづけた。二本の鍵は全く使用不可能になって使われることはなかった。亡くなる数年前に転居したが、その際この箪笥は廃棄処分となった。「もう捨てるよ」という母の一言によってであった。母が亡くなった後、わずかばかりの遺品を整理していたら、文箱の中からこの二本の鍵が出てきた。「何故鍵だけ?」という思いがあった。鉄製の鍵は錆が出ていて、手が入れられた気配はない。サンドペーパーで丁寧に錆を落とし、油で拭き上げるとなかなか捨て難い。現在キーホルダーの一部となって、交通安全の御守りにして入る。

 内田氏の「使われることのない鍵」は、父母兄弟や実家への想いに繋がって氏の手元にある。
私の鍵も同様母への想いに繋がっている。二人の息子に一本ずつ残そうかと考えていたが、私がもって母と再会したときに、「文箱に残された鍵」の謎を聞きたいと思っている。
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不快な事

2008-04-06 22:59:25 | 随想
 数日前から左胸がちかちかする。背中も痛いし、咳も出るし・・いやな感じ。医者に行こうと思うと休診日だったりして・・。妻の友人Mちゃんのご主人が、心臓の手術をして生還した。心配するMちゃんに、「大丈夫だよ、あそこの心臓手術は定評あるから」とか、慰めにもならない慰めをしたものの、自分のちょっとした変調に「ぽっくりって事ないだろうな」と不安になったりする。なんとか75歳の誕生日を迎えるまで、歴史狂いをしていたいという強い思いがある。あと八年と十ヶ月、今までやってきた年月の二倍の時間で、やっておきたい事を済まさなければならない。後期高齢者とかいういやな言葉があるが、お上が仰る言葉だから甘んじてお受けはするが、自らの積極的活動も是が限界だろうと思うのである。あとはおまけだ。問題は「持つか?」という話だ。時々襲う不快な痛みに100%の自信はないのだが、まあ何とかなるだろうという楽観的観測で頑張ろうと思う。逆療法だと思って、今日は「焼酎on theロック」をいただいた。なんとも情けない話で二杯ほどいただいたらよい気分、酒は百薬の長だ、痛みも少し和らいだ気分。もしかしたら心臓を動かしているのは、アルコールではないのか・・・・。(女房殿がお風呂の間にあと一杯いただこう)
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ドンカッチョ

2006-09-09 14:38:01 | 随想
 魚の名前などというものは、地方/\で異なり方言の最たるものであろう。熊本で「ドンカッチョ」と呼ばれる、清流の水底に生息するこの川魚は、多分「ドンコ」なのだろうと思っている。オコゼのような不細工な顔がご愛嬌である。私が子供の頃は、近くの江津湖が格好の遊び場で、魚獲りが楽しみの遊びだった。「湖」とついているが、水前寺成趣園を水源とし加勢川に至る、周囲6キロほどの湖沼である。昔は阿蘇の伏流水を源とする湧水が豊かであったが最近は激減した。それでも、一日約40万トン程を湧水する、熊本のオアシスとして釣りやボート遊びの場所として市民に親しまれている。俳人中村汀女の生家も近く、遠くに阿蘇の峰々を望む豊かな風景は、彼女の作句の心象風景ともなっている。
 昭和28年熊本は未曾有の大水害に見舞われ、この江津湖もすっかり川底(?)が上がって現在にいたっている。それ以前の澄み切った江津湖の流れは小さな川魚の宝庫だった。シビンタ(タナゴ)やアブラメ(?)、ハエ(ハヤ)などが群れていた。下流域では鯉や鮒、うなぎ等の川魚漁も行われていて、舟着には川舟が幾艘ももやってあった。上流部は水深も深いところでも6~70センチほどで子供達にとっては最高の環境だった。その川舟の下が「ドンカッチョ」にとっての安息の場所で、川舟をゆっくり動かして網で捕らえるのである。当時は「ドンカッチョ」の上に、「イシカキ」という言葉を冠していた。ずっと私は「イシガキ」と濁って覚えていたのだが、「イシカキ」が本当らしい事を最近知った。舟の下といっても、川底にへばりついている訳ではなく、流れに流されまいと石の下の窪みなどに潜んでいる。その石を静かに動かす訳だが、「イシカキ」は「石掻き」なのだろう。大きいもので14~5センチ、小さいものでも4~5センチのものを七八匹捕まえて数時間を楽しむと、鼻歌気分でリリースして心豊かに帰るのである。
 後年の事だが、職場の仲間やその家族たちと釣りを楽しみ、釣果を屋外でフライや煮物にして楽しんだ事がある。あの「イシカキドンカッチョ」は、真っ白な身が美しい煮物になって皆の賞賛を受けたものだった。

 最近、江津湖では4~50センチクラスのシーバスが釣れると聞く。時は流れ魚の世界も様変わりしている。
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