時期も時期だし、赤穂浪士に関して考えた。なんとなく大高源五という人に興味がある。俳句に堪能だったらしいが、そのことが討入りの日の決定に繋がった事はよく知られている。源五の一族は、実弟小野寺幸右衛門と養父小野寺十内や、実姉の子・岡野金右衛門らが参加しているが、それぞれの働きも目覚しい。二人の子や孫を失った母親の心情を思うと、居たたまれない気がするが、源五の母親に対する書簡などをみると、そのすばらしい文面に彼の深い愛情に満ちた気持ちが察せられる。米屋の手代に変装した金右衛門は、米を買いに来る吉良家の女中に思いを寄せていたらしいが、成らぬ恋であった。小野寺十内は大変な愛妻家で、この人の書簡もまた胸をうつ。その妻丹は、討入りに参加しなかった実兄と縁を切り、十内や幸右衛門の七七忌をすませると、食を断って夫・子の元に旅立ったという。それぞれの行動の何と高雅なことか・・・
教育基本法が改正される事になったようだが、果して素晴らしい「国家の品格」をもった「美しい国」が醸成されるのか、些か心配でもある。源五をはじめとする人々の行いこそが、最高の教育をへた人の行いと思うのだが、如何。