今日は上田久兵衛の忌日・萩花忌である。萩花忌といっても誰も知らない、私が一人高祖父久兵衛に思いを致すだけのことなのだ。
出来うれば、萩の花を仏壇に供えたいところだが、最近は近所では手に入れることが出来ずに居る。
萩の花にこだわり、萩花忌などと大仰に言い募っているのは、久兵衛の次の歌にに由来している。
秋風のたよりに聞けば古里の 萩が花妻いまさかりなり
お気づきのことと思うが、写真のマグカップにその歌が刻まれている。
これは私が毎日愛用しているものだが、畏友K氏からかってお贈りいただいたものである。
K氏の友人に当る方の作品なのだが、頂戴したあとお亡くなりになったことを知らされた。
毎日このカップを手にすると、いろいろな方々のことが思い出されるのである。
久兵衛の旧宅があった城山半田の裏手の河原には、萩の花が咲いていることだろう。明治十年久兵衛の辞世の句は妻を思う恋歌であった。