先のNHKの番組「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ! 」で、本当の京都の範囲について取り上げ質問していたが、京都市民である二人のタレントも知らなかったようで、間の悪い顔をしていた。
随分以前の「ブラタモリ」で言っていたように思うが、「御土居の中」が正解であり、いたって狭い範囲である。
お土居の中に住む「京都人」はそのことは誇りでもあり、他の地域の人にたいして言外に「そんなもん、京都やあらしまへん」という意識を持っているように感じられる。
昨日「国際日本文化研究センター」の次期(来年四月就任)所長に、建築史家の井上章一氏が選ばれたことが報じられていた。
建築史・意匠論が専門だが、日本文化について、あるいは美人論、関西文化論など「現代風俗研究会」の中心人物としてしられる。
多彩な氏の多くの著の中に、「京都ぎらい」というインパクトある題名の著作がある。
2018年の「新書大賞」を受賞した本で、20万部以上を売り上げて随分評判となった。
建築関係の本をまとめた、まだ開いていない最後のダンボールの中に「つくられた桂離宮神話」(同氏著)などと共にあったが、完読しておらず改めて読んでみようと思い取り出してほこりを払った。
内容説明
あなたが旅情を覚える古都のたたずまいに、じっと目を凝らせば…。気づいていながら誰もあえて書こうとしなかった数々の事実によって、京都人のおそろしい一面が鮮やかに浮かんでくるにちがいない。洛外に生まれ育った著者だから表現しうる京都の街によどむ底知れぬ沼気(しょうき)。洛中千年の「花」「毒」を見定める新・京都論である。
目次
1 洛外を生きる(京都市か、京都府か;さまざまな肥やし ほか)
2 お坊さんと舞子さん(芸者か、芸子か;呉服と映画の時代は、すぎさって ほか)
3 仏教のある側面(北山の大伽藍;写真とイラスト ほか)
4 歴史のなかから、見えること(皇居という名の行在所;京都で維新を考える ほか)
5 平安京の副都心(嵯峨、亀山、小倉山;南朝の夢の跡 ほか)
著者等紹介
井上章一[イノウエショウイチ]
1955年、京都府生まれ。京都大学工学部建築学科卒、同大学院修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手ののち現在、国際日本文化研究センター教授。来年4月より同所長(任期4年)に就任。
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■その他お土居関係書籍
御土居堀ものがたり [単行本] 豊臣秀吉と京都―聚楽第・御土居と伏見城 [単行本]
京都新聞出版センター 文理閣
2005-10 2001-12
中村 武生