「百匹目の猿現象」というのは、かつて宮崎県幸島で餌付けされた猿がサツマイモを川の水で洗うようになり、それが伝播しグループの75%が餌を水で洗うようになると、遠く離れた高崎山等でも同じように餌を洗う猿が現れ始めたという現象なのだそうです。
著者はそれを引いて「よい行い、よい思いは時間や空間を超えて、周囲に広く伝わり、多くの人の思考や行動も正しい方向に導く」「だから、私たち一人ひとりがみずから率先して、よい思い、正しい行いを実践していこう。そうして社会や世界を変える起点となろう。」(12頁)と提唱しています。
抽象的にはわかるんですが、著者の言うことを拾っていくと・・・自由の最低限の条件は「しつけ」(44頁)、世の中に起こることはすべて必要・必然・ベスト(53頁)、起きたことはすべてよいことだ(56頁)、幸島でよくなった猿社会の特色は、ボス争いがなくなり本家(血統のもっともよい家系)の最年長のオス猿が自動的にボスになるようになった(87頁)、群れには厳格な順位制度があって、ボス猿を筆頭に、おとな猿の一匹一匹の順位がきちんと決められていて下位の者が上位の者より先に餌を食べるようなことは決してない(113頁)。結局、長幼の序、社会の秩序を守って分相応に生きなさいって言われてるみたいですね。
終盤になると、人は生まれ変われる(人生をやり直すって意味じゃなくて輪廻です)とか知的計画(進化論否定論者の主張)とか出てきて・・・
ビジネス書・人生論じゃなくて宗教書だったんですね。
「百匹目の猿現象」と言いたいことの関係も今ひとつはっきりしない感じがしますし、言いたいこともこういうことはいけないと言ってみたら起きたことはすべてよいことだと言ってみたり、スッキリしません。
幸島の猿も餌付けされなくなったら芋を水で洗うのやめたそうです(60~66頁)し、よいことなら当然に広まるっていうのはちょっと難しいでしょうね。
船井幸雄 漫画:赤池キョウコ
サンマーク出版 2006年5月15日発行
著者はそれを引いて「よい行い、よい思いは時間や空間を超えて、周囲に広く伝わり、多くの人の思考や行動も正しい方向に導く」「だから、私たち一人ひとりがみずから率先して、よい思い、正しい行いを実践していこう。そうして社会や世界を変える起点となろう。」(12頁)と提唱しています。
抽象的にはわかるんですが、著者の言うことを拾っていくと・・・自由の最低限の条件は「しつけ」(44頁)、世の中に起こることはすべて必要・必然・ベスト(53頁)、起きたことはすべてよいことだ(56頁)、幸島でよくなった猿社会の特色は、ボス争いがなくなり本家(血統のもっともよい家系)の最年長のオス猿が自動的にボスになるようになった(87頁)、群れには厳格な順位制度があって、ボス猿を筆頭に、おとな猿の一匹一匹の順位がきちんと決められていて下位の者が上位の者より先に餌を食べるようなことは決してない(113頁)。結局、長幼の序、社会の秩序を守って分相応に生きなさいって言われてるみたいですね。
終盤になると、人は生まれ変われる(人生をやり直すって意味じゃなくて輪廻です)とか知的計画(進化論否定論者の主張)とか出てきて・・・
ビジネス書・人生論じゃなくて宗教書だったんですね。
「百匹目の猿現象」と言いたいことの関係も今ひとつはっきりしない感じがしますし、言いたいこともこういうことはいけないと言ってみたら起きたことはすべてよいことだと言ってみたり、スッキリしません。
幸島の猿も餌付けされなくなったら芋を水で洗うのやめたそうです(60~66頁)し、よいことなら当然に広まるっていうのはちょっと難しいでしょうね。
船井幸雄 漫画:赤池キョウコ
サンマーク出版 2006年5月15日発行