伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

刑務所で泣くヤツ、笑うヤツ

2006-08-09 08:04:50 | ノンフィクション
 著者の実刑確定から仮釈放までの刑務所生活を綴ったルポです。
 新しい分、これまでに出たものに比べて外国人受刑者との交流が描かれているのが特色でしょうか。新潟刑務所内で、他の受刑者に刺青を彫ったとか、玉を埋め込んだとかとかの話も興味深いです。

 でも、仕事柄気になったのは、最初の方の弁護士との面会シーン。
 これまで裏稼業でばんばん稼いで来たのに刑務所帰りとなると再度の刑務所行きを恐れて気弱になってしまうのではないかということを恐れて「オレは・・・刑務所から戻ってきて、はたして立ち直れるでしょうか」と聞く著者に「大丈夫だよ。・・・あなたみたいなタイプは、刑務所に入ったからといっても根本にある、あなた本来が持っている本質的な性格は変わるもんじゃない。あなたなら、またやり直せるって!。」(15~16頁)って答えた弁護士って・・・。うーん、この著者、歌舞伎町のぼったくりグループの総帥だった(11頁)わけで、弁護士としては刑務所で反省して心を入れ替えて立ち直ってもらいたいと考えると思うんですがねえ・・・。著者の側の受け取り方でニュアンス変わってるかも知れませんけど。このケースで上告しても無駄と説得する弁護士の話はよくわかるんですが・・・。ちょっと考えさせられました。


影野臣直 河出書房新社 2006年4月30日発行
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする