伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ケセランパサラン

2006-08-25 22:56:39 | 小説
 不器用で覇気がない若者4人のそれぞれの友人関係・家族関係・異性関係(恋人未満)を基本的にご近所の狭い社会内で綴った短編4つを並べた小説です。あまり大きな事件も大きな展開もなく、ほのぼの・のほほんとした小説が好きな人向けです。
 無気力度の高い「ちまきのこと」から少しずつ前向きになって、3つめの「フユヲとハルヲのこと」あたりで結構明るめになる構成ですが、4つめの「剣のこと」がちょっと毛色が違って(普通の不倫って感じ)、全体の構成としてはクエスチョン。「きらら」への連載を1つの単行本にまとめたもので、ひょっとしたら全体の構成は考えてなかったのかも知れませんが。私としては、3つめまでで終わった方が読後感がいいと思いました。

 題のケセランパサランは、スペイン語で(Que seran pasaran)なるようになるという意味だそうですが、作品中では幸せを呼ぶ不思議な生物(タンポポの綿毛みたいなヤツ)として登場します(197頁)。特に表題になるほどの存在感はないんですが。


 発行日より前に感想を書くことをノルマに読みましたけど・・・
 この発行日、先日付にし過ぎ。


大道珠貴 小学館 2006年9月1日発行
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする