久しぶりに「星ナビ」に目をとおした。今年の6月号、7月号以来である。来年の2月号、店頭には1月5日に並ぶらしい。定期購読者にはもう送られてきた。
一応全ページ目をとおしたが、いちばん興味深く読んだのは「星の都の物語19ドイツ・イエナ『プラネタリウムが生まれた街」。
イエナは、世界で初めてプラネタリウムを作成したカールツァイス社創業の地である。「カールツァイスⅠ型」がここで作られ、ミュンヘンのドイツ博物館に送られ投影が開始されたのが、1923年10月。その一カ月後にヒトラーの「ミュンヘン一揆」が起こされた。
筆者の中山満仁氏は「ヒトラーは、果たしてミュンヘンでプラネタリウムを観たであったのだろうか?もしもヒトラーが地元のドイツ博物館に「昼間の星空」を観に出かけたていたとしたら--後にフォン・ブラウンに宇宙ロケットではなく報復兵器としてV2の開発を命じた男の目には、プラネタリウムの星空はどのように映っていたのであろうか。」と記している。
筆者の疑問というか問いは、心惹かれる。だが人は自分と同じように星を見る、と思ってしまう。そうでありたい。だが、答えは多分限りなく0(ゼロ)に近い確率しかない。そしてもしも観たならもっとこの技術を兵器に応用することを思い立った、としか思えない。極めて残念ながら‥。
カールツァイス社はまた第二次世界大戦後も冷戦下、東西ドイツに分割され、東西ドイツ統一に伴い再統合される。戦争と政治に翻弄された会社である。
最後に、私が中学・高校の時に幾度も通った五島プラネタリウムは、西ドイツのカールツァイス社製の「カールツァイスⅣ型」であったことを思い出させてくれた。